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吉居 15年ぶりの区間新に「とてもうれしい」 往路6位で折り返す─第98回箱根駅伝往路

1区スタート直後 ©関東学連/月刊陸上競技

2022年1月2日 東京・大手町~箱根・芦ノ湖

1区 ①吉居大和(法2)1時間0分40秒(区間新記録)
2区 ⑮手島 駿(商4)1時間8分52秒
3区 ⑦三浦拓朗(商4)1時間2分38秒
4区 ⑤中野翔太(法2)1時間2分17秒
5区 ⑥阿部陽樹(文1)1時間11分58秒

総合5位を目標に挑んだ箱根駅伝往路。1区で吉居大和(法2)がいきなり15年ぶりの区間新をマークすると、勢いづいた中大は中野翔太(法2)が区間5位、阿部陽樹(文1)が区間6位で好走するなど往路を6位で終えた。往路一桁順位は87回大会以来11年ぶり。目標の総合5位に向け視界は明るい。(記事:杉浦瑛俊、写真:©関東学連/月刊陸上競技)


1区吉居 ©関東学連/月刊陸上競技

希望通りの1区を任された吉居は序盤から集団を引いた。一時、けん制し合いスローペースになるかと思われるも、「できるだけスローペースにはしたくなかった」と自ら前に出た。6㌔過ぎに集団から抜け出し単独走になると、そのまま後続を引き離す。六郷橋の上りでも勢いを落とすことなく、1㌔を2分55秒前後で刻んでいった。最後の3㌔、表情が険しくなるも「苦しかったので常に上げていくイメージ」で耐えた。鶴見中継所の直前では藤原正和駅伝監督から「もうちょっといける」と檄(げき)が飛びそのままフィニッシュ。15年ぶりの区間新記録を樹立した。

かねてから「区間賞」を目標に据えていた吉居だが、佐藤悠基(現SGホールディングス)の区間記録(1時間1分6秒)も意識していた。区間新については「厳しいかなとも思いましたが、ここまできたら挑戦しようという気持ちで走り、更新できてうれしいです」と振り返った。

区間新の吉居㊧から襷を受ける手島㊨ 鶴見中継所 ©関東学連/月刊陸上競技

花の2区は副将の手島が出走。トップで襷を受け取ると、5㌔までを1㌔2分53~57秒で刻む。後ろに田澤(駒大3年)の気配を感じつつも、7㌔過ぎの横浜駅付近で後塵を拝す。その後、近藤(青学大3年)、Y.ヴィンセント(東国大3年)、R.ヴィンセント(国士舘大4年)に権太坂で後れを取り、結果、戸塚中継所では11番手で3区の三浦に襷リレー。指揮官は監督車から「お疲れさま」と手島をねぎらった。

3区三浦 ©関東学連/月刊陸上競技

三浦は11番手でスタート。戸塚でトップと約2分あった差も、藤沢(7.7㌔)で12秒、茅ケ崎(14.4㌔)でさらに11秒縮め、この時点で東洋大、国士舘大、山梨学大、創価大の4人抜き。再びシード権圏内へ順位を押し上げた。三浦は湘南の風を受けつつ、そのまま順位をキープ。平塚中継所では「4年間よくやった、ありがとう」と監督の声を受け中野翔に襷を渡した。

4区中野翔 ©関東学連/月刊陸上競技

4区、中野翔は7位で襷を受けると、6㌔付近で平塚では11位だった嶋津(創価大4年)に捕まる。しかし、そのまま嶋津にぴったりと付いて並走。12㌔付近では花尾(駒大2年)、15㌔過ぎの酒匂橋で石井(順大2年)と4人で5位集団を形成。橋を渡り切ったところで嶋津、石井に遅れをとった。ただ、区間1、2位の嶋津と石井についたことで中野翔も粘り、区間5位の走りを見せた。

大平台で給水を受ける5区阿部 ©関東学連/月刊陸上競技

山登りの5区はルーキーの阿部が任された。区間8位で中野から襷を受けると、5㌔付近で順大と創価大を捕らえ6位に浮上。11㌔過ぎでは東国大も抜いた。しかし、13㌔付近で順大に追いつかれ順位を6位に戻す。以降そのまま6位をキープし、芦ノ湖のフィニッシュ地点へと飛び込んだ。

中大が往路を一桁順位で終えるのは87回大会以来、11年ぶり。また、シード権圏内である10位以内の大学では、唯一の予選会組となった。大会前、藤原監督は「往路を8位付近で終えたい」と話していたが、吉居の区間新や手島のしのぎ、三浦、中野翔、阿部の順位押上げでそれを上回る結果を残した。目標の総合5位へ。明日、大手町で見せるはどんな表情か─。

◆お知らせ◆
復路は明日、3日8時に芦ノ湖からスタート。大手町を目指します。