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主将湯浅圧巻2位自己ベスト、他選手は藤原監督「もう一度鍛え直す」ーMARCH対抗戦2023

2023年11月22日 町田GIONスタジアム

3年目の開催となったMARCH対抗戦。世田谷ハーフ、上尾ハーフに続いて箱根駅伝の学内選考レースとなった今大会に12人の選手が出場した。

▲閉会式で笑顔を見せる藤原監督と選手ら

1組目には東海林宏一(経3)、折居幸成(法2)が出場。東海林にとってこのレースは「最後の箱根の選考」という中での出場、折居は上尾ハーフでのアクシデントがあり急遽のエントリーとなった。序盤は2人とも集団前方でレースを進めるも、次第に単独走を強いられ東海林は30分15秒24、折居は31分06秒28でフィニッシュ。

東海林は「自分の自己ベストからしたら1組目の中で勝ち切らなければならない立場にはあった。自分としても余裕を持って、また(藤原)監督からも『1組目に下がって楽しくレースをしてきなさい』という風に仰ってもらったのに結局序盤からキツくなってしまって、自分の思い通りのレースができなかったっていう風に思います」と悔しさを吐露。

折居は「29分50を切るというところを望んできたが、上手くトラックに合わせられなかった、全然粘れず正直いいところなく終わってしまった」と振り返る。今後の具体的な目標について問うと「29分40切りっていうところを年内までに切りたいと思っているので、そこのところはぶらさずにいきたい」と次を見据えていた。

▲「全く歯が立たなかった」と振り返った東海林  

気温も下がり好コンディションとなった2組目には佐藤宏亮(文2)、小田切幹太(文1)、鈴木耕太郎(法1)、山﨑草太(文1)が出場。

「淡々と押していく走り」が持ち味と語る鈴木は、前半から先頭集団で組を引っ張り29分26秒07で4着フィニッシュ。7月下旬の怪我からの復帰レースとなったが、「順位の方はなんとかまとめられた」と好感触を示した。今後について、「10人に選ばれるのは現状では難しい部分ではあるので16人に選ばれることが1年目の目標」と語る。

鈴木に次いで小田切も先頭集団についていく積極的な走りを見せたが、「途中で差し込みが来てしまってうまく走れなかった」と語り、レース後半は集団から徐々に遅れて結果は30分02秒03で15着。「28分台狙っていたんですけど、不甲斐ない走りになってしまった」と苦しい表情を見せつつも、「箱根メンバーは確実に入りたい」と意気込む姿に期待がかかる。

「調子が良ければ28分台くらいで」と思っていたという山﨑は29分56秒51でフィニッシュ。箱根路メンバー入りをアピールするべく重要視していた今大会だったが、「最悪でしたね。目標としていたタイムよりだいぶ遅くて。内容もそんなに良くなかったので、ちょっと残念でしたね」と悔しさを滲ませ、「(箱根までは)練習の中でアピールしていくしかないので、集中して練習したい」と残りの期間へ向け気持ちを切り替えた。

3ヵ月ぶりの復帰レースを感覚の確認として挑んだ佐藤宏亮(文2)は30分08秒95のタイムでフィニッシュ。「12月の日体大でタイムを狙っているので、そこの第一歩として30分を切りたいなと思ってたんですけど、切れなかったので悔しい結果」と振り返った。

▲(ハチマキは)「れんちゃん(佐藤蓮)の。一緒に頑張ろうということでかけて走りました」と明かした佐藤(宏)

3組目には今大会が初の10000㍍となった佐藤蓮(法1)が出場。集団後方からのスタートとなったものの前方を走る選手を次々と捉えて着実に順位を上げていくと、ラストスパートでは自身の持ち味を発揮した伸びのある走りを見せ、記録は29分37秒59。「最初に後半のことを考えてしまって。攻めたレースができなくて守りのレースになってしまった」と悔しい表情を見せつつも、「箱根とか狙っていくんだったら距離も練習で取り入れていかないといけないので、そういうところを徹底的にやって次に繋げていきたいです」と語る姿は頼もしかった。

▲今後の課題は「長い距離への対応」と話す佐藤蓮

4組目には、湯浅仁(経4)、阿部陽樹(文3)、山平怜生(法3)、溜池一太(文2)、吉中祐太(文2)の5人が出場した。

多くの選手が「練習の一環」と話した本レース。序盤は一塊の集団でレースが進んだが、徐々に隊列は崩れていく。しかし、湯浅は「とにかく先頭で我慢することを意識して走った」と話すように先頭の選手にぴたりとつき、ラスト一周では青学大の佐藤一世とデットヒート。ラスト約100mで惜しくもスパートに敗れるも28分12秒17の自己ベスト、さらには大会新記録でゴールした。

▲「1年間箱根のためにやってきた」と湯浅

試合後、「いい形で走れたのでよかった」とコメント。今年度は関東インカレから出雲駅伝、全日本駅伝など各レースで結果を残す湯浅に全日本後の主将としての声かけについて聞くと、「箱根は落とせないよっていうことは、まあ言ってはいないんですけど、チームとしては理解していると思うので。箱根は最大集中で臨みたいなと思っています」と話す。個人としての箱根駅伝の目標は「区間賞だけを狙っていきたい」と言い切った。常に背中で見せ続けるキャプテンの心に秘める強い思いがうかがえた。

そして阿部も28分26秒58で自己ベストを更新。「2分50っていうペースでどれだけ押していけるか、箱根につながるような走りを目標にして、その結果自己ベストもぎりぎりついてきて良かった」。と淡々と話した。

▲「総合優勝っていうところはぶらさずにやっていきたい」(阿部)

藤原正和駅伝監督も「全日本で頑張っていた湯浅、阿部あたりは体が重い中でもベスト出し切れていますのでそこはさすがだなという感じですね」と2人を評価。

一方、中盤から遅れ29分01秒74のタイムにとどまった溜池に対しては厳しく言及。「先週の世田谷(ハーフ)、練習では早いペースで走れていたのに今日はダメになっているのでちょっと怒りました。メリハリをちゃんとつけなさい、と言っている意味をそろそろ理解してくださいということをですね」。

溜池自身は「ここでけがしても意味ないのでしっかりまとめるというところで全力は尽くしたのですが、ダメだったらダメなりにまとめるということを意識したレースになった」と語った。

吉中と山平は前半から苦しい展開となった。終始苦しい表情の中、吉中は29分45秒48、山平は29分51秒23でフィニッシュ。吉中は「世田谷(ハーフ)を走って8割くらいの状態でいかに粘れるかっているところを目的に走ったが、思った以上に疲労があった。体が動かなかった」とレースを振り返る。また山平は、「先月のレガシーハーフ後にインフルエンザにかかってしまって苦しんだ期間があって、今日もうまく体が戻せなかった」と明かした。箱根に向けては「去年はギリギリ外れたので今年は絶対に走ってチームに貢献したい」と思いを口にした。

▲箱根に向けては「切り替えて12月の合宿しっかり走りたい」と吉中

藤原監督は2人についても「吉中、山平がきつかったのでそこはチームとって大きなマイナスですね。あと40日間でもう一度鍛え直したいと思っています」と胸の内を明かした。

続けて、藤原監督は現在の選手への声かけについて「一人ひとりに求めていることは事細かに話はしているんですけども、より具体的にこういう区間でこういう走りを期待しているからやってくれ、ということは目処が立っている子には言うようにしています。今、ボーダーライン争っている子たちには同じようにプレッシャーをかけると言いますか、その中で生き残った子じゃないと本番のプレッシャーには勝てないと思っていますので、そのあたりの選考に対するプレッシャーはかけるようにしていますかね」。

▲日々選手を支えるスタッフによる声かけの様子

11月25日に行われる八王子ロングディスタンスには吉居大和(法4)と中野翔太(法4)が予定通り出場予定だという。「今日と(他の選手たちと)同じで体が重い中ですけど、しっかり動かせます。上柚木(競技場)は風が強そうなので分からないですけど、(28分)一桁台は取るんじゃないですかね、天候がよければ27分台も十分あり得る。今日の湯浅と同じような感じで出せるイメージではいます」。(藤原監督)

主将湯浅の力走が光ったMARCH対抗戦2023。箱根駅伝まで残り約1ヶ月あまり。各選手がどこまで調子を上げメンバー争いに絡むことができるのかー。

◆試合結果◆

2位 中央大学 29:26.83(上位10名の平均タイム)

1組

⑥東海林宏一(経3)30:15.24

⑬折居幸成(法2)31:06.28

2組

④鈴木耕太郎(法1)29:26.07

⑫山﨑草太(文1)29:56.51

⑮小田切幹太(文1)30:02.03 PB

⑳佐藤宏亮(文2)30:08.95

3組

⑮佐藤蓮(法1)29:37.59(初)

4組

②湯浅仁(経4)28:12.17 PB

⑥阿部陽樹(文3)28:26.58 PB

⑯溜池一太(文3)29:01.74

㉑吉中祐太(文2)29:45.48

㉒山平怜生(法3)29:51.23

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(記事:藤本佳野、二村沙羅、写真:小幡千尋、遠藤潤、大日向惠和、日向野芯)