• Twitter
  • facebook
  • instagram

関カレ最終日で魅せた「チーム中大」の強さー第98回関東学生陸上競技対校選手権大会4日目

5月26日 相模原ギオンスタジアム

白熱した試合が続いた関東インカレも昨日をもって閉幕。今大会出場した中大の各選手たちは太陽が照りつける暑さの中、それぞれのベストを尽くした。男子1部総合得点では47.5点と昨年よりも18.5点高い8位という好成績を収めた。短距離種目、長距離種目、フィールド種目と全ての競技で昨年の点数を上回った中大陸上部。厳しい練習を乗り越え「チーム中大」がより結束した形が表れた結果だ。▲中大伝統の応援「中大モリモリ」で選手に熱い声援を送る部員たち

4日目は朝早くからハーフマラソン決勝が行われた。中大からは岩佐快斗(経4)、矢野郁人(商3)、大森太楽(文3)の上級生3人が出場。3人とも序盤は先頭集団に食らいつくも徐々に集団から遅れ始める。そのなかでも3人は「後半勝負」とペースが落ちてくる選手を拾おうと懸命に前を追った。しかし結果は矢野の12位が学内最高と1桁順位の選手がおらず、全体的に満足のいくレースとはならなかった。今回感じ取った悔しさを今後の試合で晴らす3人の走りに期待したい。▲満足のいく走りとはならなかったが12位でレースをまとめた矢野

200m準決勝には山口直規(法2)と染谷佳大(法3)の二人が出場。山口は予選に続き20秒台で走るも組7着で準決勝敗退。染谷は危なげない走りで決勝に駒を進めた。

迎えた200m決勝では「優勝したい」と意気込む染谷が前半から積極的な走りを見せる。しかし連戦の疲れからか後半に伸びを欠き惜しくも3位でフィニッシュ。ゴール後トラックに座り込み電光掲示板を眺め悔しさをにじませた。今後は「日本選手権で良い結果を残したい」と目標を語った染谷。中大短距離陣のエースとしての今後の走りに注目だ。▲電光掲示板を見つめ悔しさをにじませる染谷

3000m障害決勝には萩原璃来(法3)が出場した。レース中盤まで関東インカレ同種目二連覇中の青木(法大)や箱根駅伝7区を走った東海大優勝メンバーである阪口などの先頭集団でレースを進めるも「ペースが上がらなかった」と集団から離れてしまう。それでも入賞圏内である8位までに留まり「ラストスパートをかけることが出来た」と一時は4位まで順位を上げる気持ちのこもった走りを見せた。「もっと前でゴールしたかった」と悔しさを見せるも見事7位入賞。タイムも8分台かつ自己ベスト更新と成長を遂げる萩原が中大に貴重な2点をもたらした。▲攻めの走りで7位入賞を決めた萩原

人一倍今大会に懸ける気持ちが強かったのは800m決勝に挑んだ田母神一喜(法4)だろう。1年生のときから決勝の舞台で走ってきたが未だに関カレ、全カレといった大学主要大会での「優勝」の二文字を手にしたことはない。今大会は1500mにエントリーせず800m1本のみに出場。4年生最後の今大会で必ずタイトルを獲得するという田母神の覚悟が感じ取られた。

「おそらくハイペースになるだろう」と田母神が予測した通り高速レースが展開された。1周目は集団の後方につけ相手の動向をうかがう。ラスト1周で徐々に前に出て集団を抜け出した松本(法大)を追う。最後の直線でさらにギアを入れ替えるも「相手の方が1枚上手だった」とトップには及ばず2位でフィニッシュ。最後の関カレは準優勝で幕を閉じた。レース後トラックに拳をたたきつけ悔しさをあらわにした田母神。今後は「メインが1500m」となり日本選手権に出場する。800mで磨いたスピードを活かして次こそは「優勝」で悔しさを晴らす。▲懸命のラストスパートをする田母神

各校のエースが集結した5000m決勝。大学駅伝界のスターたちが名を連ねるなか、中大からは三浦拓朗(商2)と期待のルーキー助川拓海(経1)の下級生2人が出場した。レースは序盤から1万メートル27分台ランナーの阿部(明大)や箱根4区区間新記録を樹立した相澤(東洋大)がハイペースでレースを引っ張る展開に。しかし三浦は相手のペースに乱されることなく集団に付いてきっちりペースを刻んでいく。▲各校のエースたちと競り合う三浦

「ビッグネームが多かったですが気持ちで負けないように」と後半も攻めの走りで前を追う三浦。ペースの落ちてきた選手を捉え徐々に順位を上げていった。「最後は自分の力を発揮できてよかった」と語るように渾身のラストスパートでホームストレートを駆け抜け、中大からの5000m出場選手としては11大会ぶりの関カレ入賞を果たした。

入賞という結果に三浦は笑顔を見せるも「ラストぶつかってしまったので」と、「箱根の予選の時から争っていたので意識していた」同学年で高校時代からしのぎを削る鈴木(明大)とのレースの一幕を語り謙虚に結果を振り返った。1年生の助川にとっては「これが大学のレベルなんだなと痛感した」と苦しいレースとなったが、今回経験したレースは助川にとって大きな財産になったに違いない。次世代を担う三浦と助川の今後の活躍が楽しみだ。▲ラストスパートをかけゴールに駆け込む三浦

関カレのフィナーレを飾る最終種目は4×400mのマイルリレー。各大学の応援にも一層熱がこもる。中大からは森周志(法1)、飯塚拓巳(法3)、堀場廉(商3)藤堂誉志(経3)の4人が出場。1走の森は「400mの個人戦は走りがまとまらなかった。今日は必死で前を追いかけた」と力強い走りを見せれば、「1走が良い位置でバトンを持ってきてくれた。自分の力を出せた」と飯塚も流れに乗りトップでバトンを3走の堀場へ送った。▲2走飯塚から3走堀場へトップでのバトンリレー

「前にいる選手を抜かすイメージで走ろうと思っていたので焦ってしまった」と堀場は自分の走りができなかったとレースを振り返ったが粘りの走りでアンカー藤堂へ最後のバトンパス。藤堂は「個人で出し切れなかった分を今日は出しきろう」と懸命に前を追いラストまでもつれる大混戦を走り切り、見事3位でフィニッシュしメダルをつかみ取った。「優勝を狙ってたので悔しいですけど、みんなで勝ち取った価値のある3位」と飯塚はレースを振り返った。次なる目標は全カレでのマイル制覇だ。今回つかんだ胸元に輝くメダルの色が金色になることに期待が高まる。▲3位で表彰台に上るマイルメンバー 左上から時計回りに堀場・藤堂・飯塚・森

年に1度の関カレが終わりを告げた。短距離陣にとって次なる大きな舞台は9月に行われる全カレ、長距離陣にとってはあと1カ月を切った全日本大学駅伝予選会だ。それぞれが明確な課題と目標を持って練習に励む日々がまた始まる。全カレでは4継七連覇、全日本予選では2012年以来7年ぶりの伊勢路出場、さらにその後の箱根シーズンに期待が高まる。関カレでの良い流れが新時代「令和」での中大陸上部をさらに勢いづけてくれることを願うばかりだ。

◆大会結果◆

ハーフマラソン決勝
⑫矢野郁人(商3)1’07’24
⑰岩佐快斗(経4)1’07’44
㉚大森太楽(文3)1’08’32

200m準決勝

1組⑦山口直規(法2)20秒99(+3.0)
2組②染谷佳大(法3)20秒64(+4.2)

200m決勝
③染谷佳大(法3)20秒57(+3.7)

3000mSC決勝
⑦萩原璃来(法3)8分57秒81

三段跳び決勝

⑫中島先覚(1)14m72cm(+2.9)

800m決勝

②田母神一喜(法4)1分49秒00

5000m決勝

⑧三浦拓朗(商2)14分09秒55
㉚助川拓海(経1)14分52秒54

4×400mR決勝
③中大(森周志・法1→飯塚拓巳・法3→ 堀場 廉・商3→藤堂誉志・経3) 3分6秒72

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部