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「競技人生の中で一番の大仕事」 吉田、日本トップ選手を前にペースメーカーを務める!─第314回日本体育大学長距離競技会

2024年6月1日 日本体育大学横浜・健志台キャンパス陸上競技場

6月1日から2日にかけて第314回日本体育大学長距離競技会が開催され、1日目は中大からは9人の選手が出場。NGC男子1500mで自己ベストをマークした寺田向希(文1)や男子800m10組で並みいる強豪選手を前にペースメーカーを務めた吉田力(商4)を筆頭にそれぞれが収穫を得る大会となった。

今大会のトップバッターはNGC男子1500mに出場した寺田。関東インカレでは不完全燃焼に終わった新星だったが、序盤から落ち着いた走りを見せて3分44秒14の自己ベストをマークした。レース後に寺田は「ラスト200mからの切り替えが上手くいかなかったのでU20日本選手権までにはラストで切り替えられるようにしていきたい」と振り返り、次戦に向けて更なる成長を誓った。

    ▲U20日本選手権向けて闘志を高める寺田

前日本記録保持者の横田真人(TWOLAPS TC)や現日本記録保持者の川元奨(スズキ)、源裕貴(NTN)らが一堂に会し、今大会最も注目を集めたレースとなった男子800m10組。ペースメーカーとして出場した吉田は日本のトップランナーを1周52秒ペースで牽引し、好レースを演出した。大仕事を全うした吉田は「レース前のアップから良い雰囲気でやっていて、空気間を感じ得られたのもそうですし、後ろの圧を感じながら走れたというのは、本当に良い経験だったと思う」と振り返り、充実の表情を見せた。

▲堂々と先頭でレースを作る吉田

日没に近づくも、一時は25度を超えるといった厳しいコンディションが続く健志台。長距離ブロックからは男子10000mに5人が出場するも、それぞれに悔しさが残るレースとなった。

3組は学生ハーフ以来の復帰戦となった折居幸成(法3)が出走。大集団でのスタートとなり、集団の中でリズムを作りながらペースを刻んでいった折居だったが、中盤以降1km3分10秒ペースまでラップを落としてしまう。8000mから9000mにかけて再び立て直しを図るもラスト1000mを前に再び小集団から脱落し、30分45秒15でゴールした。折居は今後の意気込みについて問われると「しっかり夏に練習を積んで、今回悔しかった部分を下半期の秋以降で臨んでいけるようにしていきたい」と力強く口にした。

▲中盤以降伸び悩んだ折居

続く4組は山﨑草太(文2)と髙沼一颯(経4)が出走。復調に燃える2人は、大石港与コーチから集団の全体を見るように指示が飛ぶ中、淡々とペースを刻んでいく。しかし髙沼は4000m、山崎は5000m手前にして苦悶の表情を見せ、1km3分を超えるペースまで落とすようになる。レースが動いたのはラスト1周。山崎が猛スパートで高沼を突き放し、そのままフィニッシュ。両者とも常に近い位置につけ、競い合う闘争心が見られたが自己ベストに遠く及ばず、復活は次戦以降に持ち越しとなった。髙沼は自身の課題として暑さに弱いということを挙げ、「暑熱順化だったりとかしっかり対策した上でこの夏しっかりと走り込んで秋口から走れるようにしていきたい」と意気込んだ。

▲意地のスパートを見せた山﨑

中大勢最後の5組は東海林宏一(経4)と伊東夢翔(経3)が登場。上り調子で練習を積むことができていたという両者は、5000mまで1km2分50秒前半と快調に歩を進める。28分台を狙えるペースで迎えたレース中盤だったが、5500mを前に伊東が苦しい表情を浮かべて急激に位置を落とす。続いて東海林も遅れを取り始めて8000mを前に単独走になる。2人は大きく巻き返しが図れず、東海林は29分43秒49、伊東は30分10秒89でレースを終えた。レース後、東海林は「今回出たメンバーは一緒にいい練習できていたので悔しい結果だったなという感じです」と語り、「本当に良い練習メニューを立ててくださっているので、(それに加えて)日頃の行いとかケアの部分を突き詰めていくしかないと思います」と今後の取り組みについて考えを示した。

▲悔しい結果に終わった東海林

各ブロックの選手とも次戦、次シーズンに向けて課題が見つかった今大会。今後も自身の課題と真摯に向き合い、鍛錬に励む彼らに注目していきたい。

 

◆コメント◆
寺田向希(文2)
──順調に練習は積んでこれていたのか

関東インカレ終わって1週間ぐらいで結構治ってきて、順調にそこから練習も結構距離とか質も上げていけたので、それでベスト出たって感じですね

──今大会の位置づけは

今シーズン全然1500m走ってなかったので、ここで1本本気で走っといてU20前に一回ベスト出しておきたいっていうのがあったので出ました

──レースを振り返って課題は見つかったのか

1200mまではある程度余裕を持って行けたんですけど、ラスト200mからの切り替えってところが上手くいかなくて、そこの改善次第でもっとタイムは縮められると思うのでU20までにはラスト切り替えられるようにしていきたいです

吉田力(商4)

──順調に練習は積んでこれていたのか

関東インカレにだいぶピークを持ってきちゃったので正直その後は練習もしてはいるんですけど、だいぶ落ちている中でのペースメーカーでした。でも今日は500mまでってことで調子悪くてもいけるペースではあったので、しっかり自分で役割果たそうと思って今回臨んだって感じですね

──今大会の位置づけは

先週も中大記録会出たんですけど、その時は逆にチームの先輩たちに引っ張ってもらって、今回は先輩たちが狙うレースだったので、恩返しじゃないですけど、今回は僕が引っ張る番って形でした

──日本のトップ選手と走った感想は

こんなメンバーが集まることが過去見てもなかなかないので、自分が引っ張ってもらえたというのは本当にありがたい経験させてもらえましたし、レース前のアップからすごいいい雰囲気でやっていて、その空気間を試合前から感じ得られたのもそうですし、走りながら後ろの圧を感じながら走れたというのは、本当に良い経験だったなと思うし、自分の競技人生の中で一番の大仕事ぐらいだと思うんですけど、今後に生かせればなと思います

──次戦の千葉県選手権に向けて

具体的な目標としてはタイムはあんまり意識していないんですけど、地元で走るのも競技人生で最後なので、優勝して終われたらなと思っています

 

◆大会結果◆
NGC男子1500m

1組 寺田向希(文1) 3分44秒14 PB

女子5000m

1組 前田七海(文2) 18分22秒15

女子800m

3組 澤村里桜菜(商1) 2分11秒23

男子800m

10組 吉田力(商4) DNF

男子10000m

3組 折居幸成(法3) 30分45秒15

4組 山﨑草太(文2) 30分31秒63

髙沼一颯(経4) 30分38秒44

5組 東海林宏一(経4) 29分43秒49

伊東夢翔(経3) 30分10秒89

 

(記事:日向野芯、写真:大日方惠和、大畠栞里)

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