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全日本大学駅伝展望 藤原監督「吉居を主要区間でフレッシュな状態で使いたい」ー第56回全日本大学駅伝対校選手権大会

中大にとって学生三大駅伝の初戦、第56回全日本大学駅伝が2024年11月3日に開催される。愛知県・熱田神宮から三重県・伊勢神宮までの全8区間、総距離106.8kmに及ぶコースにオープン参加を含め27チームが出場。昨年、総合優勝を狙う中で4位という結果に終わった中大は、箱根駅伝予選会に出走したメンバーを中心にレースに挑む。

11月1日に区間エントリーが発表され、中大は昨年の全日本出走メンバーである溜池一太(文3)、本間颯(経2)を前半区間に配置し、吉居駿恭(法3)、阿部陽樹(文4)を長距離区間である7区、8区に配置した。また、箱根駅伝予選会に出走した山平怜生(法4)、白川陽大(文3)などが補員メンバーに回った。なお、当日変更は3名まで認められている。(記事:遠藤潤)

 

箱根予選会から伊勢路へ

エントリーメンバー13名のうち、箱根予選会を走った選手からは8名が登録され、1年生からは岡田開成(法1)、佐藤大介(文1)、並川颯太(法1)が名を連ねた。岡田は入学直後から好調を維持しており、3000㍍で中大記録を更新、5000㍍や10000㍍でもチーム上位の記録を持ち、ついに駅伝力を見せる時が来た。予選会では白川とともにフリーでレースを進めると、チーム2番手でフィニッシュし、ルーキーながらチームの主力として存在感を示した。佐藤、並川もそれぞれチーム10番目以内でゴールし、予選会突破に大きく貢献する走りを見せており、三大駅伝初出走となるか注目される。

▲予選会でチームを引っ張った岡田

「最初で最後」の全日本へ

4年生からは、4区に浦田優斗(経4)、5区に東海林宏一(経4)、8区に阿部、補員として山平が登録。浦田、東海林の二名は「箱根予選会に出ない選手の全日本メンバー選考」と位置付けられた東海大記録会で10000㍍の自己ベストを更新。レース後、東海林は「予選会組から外れて下剋上でレースに臨んだ」、浦田は「全日本はつなぎの区間で区間賞をとってチームの順位を一つでも上げて勢いをつけるのが目標」と語った。東海林は54回大会でエントリーされながらも当日変更となっており、出走が叶っておらず、二人にとって「最初で最後の」出走となる全日本大学駅伝へ準備は整った。阿部は出走すれば4年連続、8区は3年連続となり、昨年ラストスパートで競り負けた雪辱を果たす舞台となる。山平は2年次に出走しており、区間二桁順位と悔しい走りとなった54回大会以来、2大会ぶりの出走でチームに勢いをつけたい。

▲抜群の安定感を誇る阿部

求められる「エースとしての走り」

藤原正和駅伝監督が「二人のエース」として挙げる溜池と吉居は1区と7区にエントリー。溜池は2年連続で箱根駅伝の1区を任されており、「出遅れると駅伝にならないので、1区・2区・3区に良い状態の選手を置きたい」との監督の言葉通りにチームに流れを持ってくる走りが期待される。また、「主要区間でフレッシュな状態で使いたい」と名前が挙がっていた吉居は、各大学の主力が集まる7区にエントリーされた。過去二年の全日本は3区、1区と異なる区間を走っているが、いずれも力を発揮しており、エースとしての走りに期待がかかる。3区にエントリーされた本間は、昨年の全日本で1年生ながら三大駅伝デビューを果たし、区間5位の走りを披露した。昨年以上の区間順位を残し、箱根本戦出走へとつなげたい。他にも、箱根予選会でチームトップの走りを見せた白川や、昨年の全日本で三大駅伝デビューを果たした吉中祐太(文3)、藤原監督が「合宿を終えて内面での成長が見られる」と語っていた鈴木耕太郎(法2)も控える。

▲昨年は1区で区間3位と好走した吉居

季節外れの暑さの中で開催された箱根駅伝予選会からわずか二週間、中大にとって「三大駅伝」の初戦となる全日本大学駅伝が待ち構える。予選会後、藤原監督は「予選会組がどれだけリカバリーできるかがカギ。そこに注力したい」と語っており、各選手の調整や回復具合が勝負を左右する。4大会連続のシード権獲得、そして表彰台へ。箱根路で雪辱を果たすためにも、伊勢路で勢いをつけたい。