夏の男鹿を舞台に箱根常連校も参戦！中大は区間上位をキープして準優勝！─第72回全国男鹿駅伝競走大会

2025年６月28日　秋田県・なまはげ直売所～入道崎～男鹿総合運動公園

秋田県の男鹿半島を舞台に襷（たすき）を繋ぐ男鹿駅伝が開催され、前回大会優勝を飾った中大に加え、今年１月の箱根を制した青学大や常連校の立大、東洋大など、ライバルも多く参戦。中大は序盤３番手につけていたが、途中前を走る東洋大を追い抜き２位に浮上。そのままの位置をキープし、ゴール。連覇は逃したものの、好成績で大会を終えた。

１区七枝直（法２）は「後ろの（区間の）選手の足を引っ張りたくなかったんですけど、どうしても引っ張る結果になってしまったのが悔しい」と反省を口にしたが、「最後で粘れたのは今までにない成長だったと思います」とプラスな面もあったと分析。３番手を死守して２区伊藤春輝（法３）へと繋いだ。

▲３位でタスキリレーをした七枝（左）と伊藤

伊藤は６月初旬の日体大記録会で5000ｍでベストを更新。着実に頭角を現している３年生は登り区間を任されたが「練習の一貫として坂練習をしていたりだとか、多摩キャンパスにあるグラウンドまでの登り坂を登っていったりだとかで、そこを生かせるかなと思っていたので、強い気持ちで臨みました」と臆せず、出走。順位を変えることなく区間２位の好成績で次の並川颯太（法２）へと託した。

「今回（伊藤さんと）襷（たすき）を繋げたのがうれしい。春輝さんに声がけしてもらったことがなんかくるものがあった」と念願の襷（たすき）リレーを実現した並川は快調な走りで前を走る東洋大を追い抜き、２位に浮上した。「箱根の上りをイメージして走った」と語り、半年後を見据えていた。男鹿半島の先端、入道崎で待つ相地一夢（理工２）へと繋いだ。

▲中大を２位へ浮上させた並川（左）と相地

自身２回目の駅伝となった相地は「関東インカレが終わってから１ヶ月くらい練習してきたのでその成果を見せる」ことを目標に出走。区間５位と思うような走りではなかったとふり返ったが、それでも後ろの東洋大との差を１分以上保ったまま、５区鈴木耕太郎（法３）へ繋いだ。

鈴木は同区間の黒田然（青学大）を追走。アップダウンとカーブの多い難所、「箱根６区を目指してた節があって。最初の５キロ、結構似たコースになってるので、そこをイメージして走りました」と箱根の山を重ねて臨んだ。上半期はケガや不調が続き、思うような実績を残せていなかった鈴木。「そろそろ早くきっかけがないと、もう箱根まで上半期みたいな感じで、下半期も同じように繰り返しちゃう」と焦りが募る中だったがしっかり区間２位のタイムでまとめ、三宅悠斗（文１）に後ろを託した。

▲２番手を守った

５月の全日本駅伝予選会で吉居駿恭（法４）と共に走り、組５着と好成績を収め、中大の本選出場に大きく貢献した三宅。今大会が早くも「駅伝初出場」を飾った。「コースの起伏が難しくて、目標タイムを出す事ができなかったので、まだまだ力不足だなと感じました」と満足の行く結果ではなかったが、それでも後ろとの差を広げる快走で最終区、伊東夢翔（経４）へとリレーした。

アンカー・伊東は最長区間を任されたが、既にレースは青学大の独走。単独走の展開を余儀なくされた。「練習は（最上級生として）基本的に引っ張っているので、そこで単独走というか、先頭を走る意識を持った練習をやった」と普段の練習通りの落ち着いた走りでゴールを目指し、そのまま２位を明け渡すことなくゴールした。

▲準優勝のゴールテープを切った伊東

今大会は準優勝で幕を閉じた。現地でレースを見守った大石港与プレイングコーチは「次の箱根駅伝を目指すにあたって、（駅伝メンバーのタイム順で）７～10番目辺りの選手にどう絡んでいくのかっていう、これからそこに絡んでいって欲しいなっていう選手を中心に（選抜した）」と出走選手の選出理由を述べた。そしてレースについては「中間層のメンバーは『らしい走り』しかできていないなって感じ」と厳しい評価を下す。その上でこれからのシーズンに向けて「（夏合宿では）トップ層と同じような流れで練習をしていくことを計画している」とさらなる中間層の底上げに言及した。

上半期では貴重な駅伝形式の大会。夏合宿、そして半年後の箱根路を見据え、刺激を得た選手たちの逆襲を待ちわびている。

◆大会結果◆
①青学大　　３：14：28
❷中　大　　３：18：52

〈区間成績〉

区間順位	区間	選手名	区間タイム
➂	１区	七枝直（法２）	26分20秒
➁	２区	伊藤春輝（法３）	19分25秒
➁	３区	並川颯太（法２）	22分58秒
➄	４区	相地一夢（理工２）	28分35秒
➁	５区	鈴木耕太郎（法３）	23分33秒
➂	６区	三宅悠斗（文１）	36分８秒
➄	７区	伊東夢翔（経４）	41分50秒