
10月の出雲駅伝では10位という悔しさの残る結果に終わった中大。しかしその後の11月の全日本大学駅伝では2位入賞、そしてMARCH対抗戦、八王子ロングディスタンスでは多くの選手が自己ベストを更新するとともに10000㍍27分台の選手も続出するなど勢いを取り戻した。30年ぶりの箱根駅伝優勝を手にし、真紅の歴史に新たな1を刻むことはできるのか。選手たちの思いを連載でお届けする。
第4回は、共にエースとして中大を支える溜池一太(文4)と吉居駿恭(法4)。今年のチームで先頭を走り続けた2人に、箱根駅伝へ向けた1年間の取り組みを聞いた。(取材は12月1日にオンラインで行いました)
―今年1年間を振り返って
溜池:出雲は少し上手くいかなかった部分があったんですけど、全日本はしっかりチームとして、優勝はできなかったんですけど、2位で終えることができて、次の箱根駅伝に繋がるような駅伝ができたんじゃないかなと思っています。
―主将としての1年間を振り返って
吉居:昨年と比べて真剣に取り組んでいる選手が多いなっていうのは感じていて、箱根駅伝に対してもしっかりと気持ちを持って1年間取り組むことができいるかなと思います。
―吉居主将を溜池さんはどのように見ていたか
溜池:走りでしっかりと引っ張ってくれて、ミーティングを通じてもチームをすごくよく見てくれていますし、1年間すごくいいチームを作ってくれたという風に思います。

▲練習でチームを引っ張る2人
―今年の4年生はどんな学年か
溜池:去年はヨコのつながりを意識してチーム作りをされていたんですけど、今年はそこを重要視しすぎるんじゃなくて、やっぱり競技で結果を出さないとチームの士気も上がらないですし。昨年のヨコのつながりっていうところよりかは、競技力っていうところを意識したチームというか、学年なのかなという風に思います。
吉居:自分のことにしっかりと集中して競技に向かっている学年だという風に思っています。
―ここまでのレース・大会で印象に残っているものは
吉居:先言っていいよ(笑)僕?、やっぱり去年の箱根駅伝ですかね
溜池:2年生の時の箱根がやっぱりすごいその周りの方々から優勝を求められている中で、シードを落としてしまって、その流れを作ってしまったのは自分なので、その悪い意味になるんですけど2年生の時の箱根(100回大会)が印象に残っています。

▲100回大会で1区19位という結果に終わった溜池
―今年ここまでの練習について、夏合宿はチームとして・個人としてどうだったか
溜池:今年は過去3年間と比べてすごい距離にこだわった夏合宿だったので、今までと違う部分というか、すごく苦労する部分があったんですけど、それがやっぱり全日本の結果に繋がったと思っているので、すごくいい夏を過ごせたんじゃないかなという風に思っています。
吉居:やっぱりチームとして距離を踏んだので、やっぱりここの距離っていう部分に対応できる人数というか、選手層の幅というのが広がったかなって思います。
―全日本の結果はどのように振り返りかえるか
吉居:先頭で渡すという役割をしっかり果たせたので良かったとは思うんですけど、何度もきつい場面があって、案外そうなってしまった部分があるので、まだまだ弱さを感じるレースでした。
溜池:自分の強みというか、自分の特徴として、安定感っていうところがいい意味でも悪い意味でもあったので、今までの自分からというか、しっかり過去3年間と比べてすごい距離にこだわった夏合宿だったので、今までの殻というか、前半から攻めるっていう今までの自分とは違う走りを見せられたんじゃないかなと思っています。
―箱根駅伝はどのような大会か
溜池:やっぱり最後は優勝したいですし、1年生と3年生で往路を走らせてもらって、(往路)2位ですごく悔しい結果に終わっているので、最後はしっかり優勝したいです。
吉居:うーん。今年に関しては、1番抜けている大会ですね。キャプテンにもなりましたし、4年目なので、一緒に勝ちたいっていう思いも強く1年間やってきたので。最後にこの4年間、入学させてもらった中央大学にしっかりと恩返しできるように優勝したいなと思います。
―前回大会では2人の襷リレーがあったが、初の2区だった溜池さんはどんな気持ちで待っていたか
溜池:すごく後ろの集団と差をつけてきてくれたので、初めての2区で不安な部分もあったんですけど、自分だけに集中することができました
―今年は2区で65分半という話もありますが
溜池:そ、そうですね(笑)。まだちょっとわかんないですけど、はい。2区を個人的には走りたいと思ってはいますし、65分半かどうか、これからの練習であったり、自分のコンディションと相談しながらやっていくんですけど、やっぱり自分が区間上位で走らないとチームの目標は達成できないと思っているので、区間賞というところを目標にやっていきたいと思っています。
―吉居さんの箱根駅伝の希望区間・目標は
吉居:希望の区間は特にないんですけど一緒でうまく区間賞は取りたいなっていうところはあります。
―今回の箱根駅伝で、注目の選手・鍵になる選手を挙げると
吉居:まあ僕はカギになってくるのは自分自身ではないかなっていうのは思ってますね
溜池:そのスタートしてから大手町に帰ってくるまでっていうのをイメージしたときに、やっぱり10区間とも外せないので、特にこの人がっていうのはちょっと決めるのは難しいんですけど。
―1人挙げるとすると
溜池:いまチームで1番調子がいいのが藤田なので、藤田が他大のエース格に勝ってくれたら、チームとしてすごく勢いがつくんじゃないかなと思うので、藤田ですかね。
―ここだけはお互いに負けないポイントがあれば(競技以外でも)
溜池:そうですね。上りですかね。上りの部分は負けないんじゃないかなという風に思っています。
吉居:下りですかね。(笑)下りだね。
―箱根駅伝に向けて、中大は注目・期待が高まっているが、見守ってくれたファンの人にはどんな思いがあるか
吉居:批判してくる人もいるんですけど。そういうのもやっぱりエネルギーになりますし、苦しい時期もしっかり応援してくれている人もたくさんいましたので、本当にその中、長く支えてくれている、応援してくれている方々には非常に力をもらった4年間になりました。
溜池:やっぱりスポーツを高いレベルでしていると、その周りの評価っていうのはすごく大事になってくると思うので、よくやっぱりそうですね。さっき駿恭が言った通り、いい声も悪い声もやっぱりエネルギーになっていますし、中央大学はその歴史があるので、いろいろな方がいらっしゃるので、最後はそうですね。ずっと4年間応援してくださった方々に箱根の優勝っていうので恩返しできたらすごくいいんじゃないかなっていう風には思っています。
―箱根駅伝のチームとしての目標・4年間の集大成としてどのように終えたいか
溜池:トラックの平均タイムが駅伝に直結するとは全く思っていないんですけど、やっぱり10000㍍の平均タイムが1番速いっていうのは事実なので、しっかりあと1ヶ月いい準備ができれば、優勝する可能性はあると思っているので、体調管理にはしっかりと気をつけて残りの1か月間を過ごしていきたいと思います。
吉居:もう勝ちにどれだけこだわって、1日1日を本当にすべてをかけられるかだと思うので、本当に後悔のないように全部出し切って、もう準備の段階ではないんですけど、全部100パーセントで、箱根に向けてやっていきたいなと思っています。
エースの言葉には重みがあり、終始緊張感が漂う取材だった。これまでチームの先頭を走ってきた2人の最終戦。箱根路でどんな走りを見せてくれるか、目が離せない。
(聞き手・構成:酒井奏斗)
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