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「元気を与えられるような走りを」ーオンライン取材企画・陸上競技部短距離ブロック

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、明かりが消えたスポーツ界。大学スポーツも開催予定だった各大会の中止や延期といった影響を受けています。4年間というタイムリミットがある大学スポーツ。このような出口が見えない状況の中、大学生アスリートたちはどのような思いで1日1日を過ごしているのか。中スポを通して、この1年を戦う選手・スタッフの皆さんの声をお届けできればと思います。第8回は陸上競技部短距離ブロック。主将の飯塚拓巳選手(法4)にお話をお伺いしました。
※この取材は4月29日に電話にて行われたものです


▲インカレの閉会式前、リラックスしている選手たち

――部の現状を教えてください

「主に寮生なんですが、各自寮のトレーニングセンターだったり、寮の敷地内で動いたり、寮の前で軽く走ったり、近場の河川敷や公園で走ったり。まとまって二人以上で練習ができないので、各自自分がやりやすい時間帯で各自運動している形ですね。自分が足りていない部分を見つけて補っています。10名ほど実家に帰って、実家の近くで練習したりとか自分たちができるところで各々がやっています」

――監督から何か指示は出ていますか

「学友会からの指示に則ったようにやるようにとは言われていて、陸上部自体が学生主体なので僕たちがこうしていこうと決めてそれに沿ってやっています」

――寮内でのトレーニングの時間や場所はどう分けられていますか

「寮内では空いている時間や場所で混んでいたら時間をずらしたりして、トレーニングルーム自体は常に喚起をして風通しを良くしてなるべく密閉空間を防いでいて、各自が上手く時間を調整して練習しています」

――関東インカレの延期が発表されましたが

「部員はこの大会でこの記録出すと決めて逆算して練習していますし、僕自身ブロック長としていろいろ練習メニューを立ててこのときにしっかり走れるようにプランを立てていたのが一気に崩れてしまったので、みんなどうしていけばいいかわからないという状況になったと思うんですけど、ほかの競技会は秋以降に延期されていて今完全に目標を見失ったわけではないので、土台作りをして蓄えて秋シーズンに結果を残せるようにやっていこうと思っています」

――モチベーションを保つためにされていることは

「僕自身は部員とすれ違ったときに『今日どんな練習した?』と声をかけたりとか、走ってる部員を励ましたりして共有することによってみんながこういう練習をしているんだってことを再確認して、なるべく各自にはなるんですけどお互いが話すことによってちょっとしたモチベーションアップにつながるのかなと」

▲インカレの200mで激走する飯塚

――部員のモチベーションは

「長く考えられる人と考えられない人がいる中で、部活として時間が決められていたものが自分でやらなければいけなくなったので自分に厳しくしないと普段よりはきつくなってしまうと思うんですよね。目先の目標が消えた中でちょっと難しい部分はあると思いますけど、みんなやらなきゃっていう使命感はあるはずです」

――部員たちに直接声をかけることはないのですか

「自然に前向きになるように、遠回しですが自ら『俺今日こういう練習したんだよ』って自分のことを話したりしています。このきつい状況で練習しろって言っても逆効果だと思うので。あそこの公園がよかったとか、近場で練習できるよとかちらっと日常会話で混ぜたりするとやる気向上につながるかなって。無理して感染させてもあれなので、主体的にやれるようにという意識でやっています」

――苦労されているところはありますか

「陸上はタータンで走るので芝生やコンクリートってなると走りも変わってきますし、どうしても距離を走れないんですよ。心肺機能だったり、持続的にスピードを出して維持するってことができないので実践から離れた練習になってしまいますね。トレーニングで補ってもトラックで走っていないと走り方も離れちゃうので、思い切って走れないのが難しいところです」

――プラスに捉えられた面があれば教えてください

「今寮の中ではウエイトルームがメインで、僕自身こうなる前はウエイトは週に1回だったんですけど、現在は時間が増えて週に3回になって自分の体や走りを見直すきっかけを得られました。こういう機会だからこそ普段気付かなかった自分の足りていない部分を再度見つめ直して、その結果行動に移せているので自分の走る以外の面に時間を割くことができています。練習自体は走るだけじゃないと思っているので、違った面で自分を強化できているのは少しはよかったかなと思います。具体的には最大パワーを増やしたりとか、体の使い方や筋肉を自由にコントロールしたり可動域とかですね」

――主将として感じていること、思い

「秋に大会があることを信じてやっているので、そこでやっててよかったと思えるように僕自身みんなの力になりたいと思っていますし、中央大学陸上競技部が周りの父兄やOBに元気を与えるような走りができればと思っているので、いろいろとできることをしていきたいです」

――ありがとうございました!

 

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記事・写真:「中大スポーツ」新聞部