• Twitter
  • facebook
  • instagram

【箱根駅伝直前特集/熱烈峻厳】最終回 いよいよ明日号砲!30年ぶりの総合優勝へ/箱根駅伝展望

10月の出雲駅伝では10位という悔しさの残る結果に終わった中大。しかしその後の11月の全日本大学駅伝では2位入賞、そしてMARCH対抗戦、八王子ロングディスタンスでは多くの選手が自己ベストを更新するとともに10000㍍27分台の選手も続出するなど勢いを取り戻した。30年ぶりの箱根駅伝優勝を手にし、真紅の歴史に新たな1を刻むことはできるのか。選手たちの思いを連載でお届けする。最終回を迎えた今回は、明日スタートを迎える箱根駅伝の展望をお伝えする。


5強ひしめく今年の駅伝シーズンはいよいよ最終戦を迎える。「輝け大作戦」で3連覇を目指す青学大、王座奪還を掲げる駒大、初優勝を狙う国学大、歴代最多優勝に王手の早大、30年ぶりの優勝で復活を誓う中大。各大学ここまでトラックやハーフで結果を残し、熾烈な優勝争いが予想される。

 

⬛︎ 注目の往路、抜け出すのはどの大学か

前回大会の1区では、吉居駿恭(法4)が後続との差を1分以上つけて区間賞を獲得した。その後、中大は5区途中まで首位を走り往路2位でフィニッシュ。他大学に大きなインパクトを与え、今回も吉居の起用に注目が集まっている。また、青学大の黒田朝日(4年)や駒大の佐藤圭汰(4年)、早大の鈴木琉胤(1年)をどこに配置するかも勝負を大きく左右するだろう。

▲1区区間賞を獲得した吉居(101回大会)

1区は2年連続で独走を許すようなレースになるとは考えづらく、あらゆる展開に対応できる選手が求められる。2区に黒田や山川拓馬(駒大・4年)がくる場合、国学大や早大は1区でなるべく流れを掴んでおきたい。また、中大は吉居をゲームチェンジャーとして起用する場合に、学内ハーフ記録を持つ吉中祐太(文4)や岡田開成(法2)なども1区候補に挙がってくる。5強の中から前回のように抜け出すチームがあれば、その勢いのまま一気に主導権を握る可能性があるだろう。

■ エースの集まる「花の2区」とスピード区間の3区

今年の2区は、留学生ランナーをはじめレベルの高い選手が集まると予想。区間賞ラインは、区間記録の65分半を切るようなタイムになりそうだ。藤原監督も「65分半」という具体的なタイムを挙げた上で、エース溜池一太(文4)に「区間賞争いをしてほしい」と話す。首位攻防は、終盤に立ちはだかる「権太坂」までもつれることになりそうだ。

3区には、駒大の佐藤や国学大の野中などスピードのあるランナーが起用されると想定される。中大からは前回区間賞の本間颯(経3)がエントリー。気候条件などが揃えば十分に59分台の記録も出る可能性がある。この区間でのアドバンテージが往路優勝を大きく左右するのは間違いない。

■ 山へ繋ぐ4区・勝負の鍵を握る5区

4区は小刻みなアップダウンがあり、距離こそ短いがタフなコースとなっている。近年では準エース区間になっており、中大からはルーキー三宅悠斗(文1)がエントリー。当日変更の可能性もあり、その場合には27分台ランナーの藤田大智(文3)などが予想される。「山の名探偵」工藤慎作(早大・3年)が5区69分台で走ることを想定すると、各大学1分半から2分程度のアドバンテージを持って4区を終えたい。昨年中大は、この区間で青学大に1分半以上の差を詰められていることから、今年こそは山への貯金を作る区間にしたいところだ。

5区の山上りは初出走の選手が多く予想されている。平地での走力はどの大学も強いため、山が勝負の鍵を握ることになるだろう。中大は、全日本4区で区間賞を獲得した柴田大地(文3)が2年ぶりの箱根路を駆け抜ける。自身に求める役割を「どんな状況でも勝負するような選手」だと話す柴田は、”山の勝負師”として往路優勝テープを目指し駆け上る。

▲全日本で区間賞を獲得した柴田

 

■ 混戦予想の復路、ゲームを左右するのは7区か

6区は急激な下り坂が続き、足への負担や気温差などが選手たちを苦しめる。序盤は監督車がコースに入れないことから、完全な単独走でペースを刻む難しさもある。この区間には、経験者の伊藤蒼唯(駒大・4年)が控えており、混戦のまま復路がスタートすれば駒大が一歩抜け出すことになりそうだ。中大からは並川颯太(法2)がエントリー。前回大会で、最後の1枠を掴み切れなかった悔しさを今大会で晴らすことはできるのか。先日のMARCH対抗戦では、4組を走り自己ベストとなる28分08秒56を記録し、箱根に向けて準備は整っている。

7区には「ゲームチェンジャー」が配置されることになるだろう。山区間での不測の事態にも備え、再びゲームを作れるような選手を準備しておく必要がある。前回大会では、佐藤圭汰が圧巻の走りを見せ駒大の復路優勝に大きく貢献した。100回大会で、7区区間賞を獲得している吉居が再びこの区間に立つことも考えられる。その場合、区間記録に迫るペースで一気に流れを持ち込むことができるだろう。

■ 8区でリベンジなるか、終盤までもつれる優勝争い

8区は、ラストの「遊行寺の坂」が一つの鬼門となっている。上りの適正も必要となる中で、昨年区間20位と苦しんだ佐藤大介(文2)はリベンジに燃えている。「箱根の悔しい部分を取り返していく走りをしたい」と今年はさらに大きく成長した。2大会連続で8区区間賞を獲得している塩出翔太(青学大・4年)もエントリーされており、激しい順位争いが繰り広げられそうだ。

9区には復活を誓う白川陽大(文4)がエントリー。「(9区で)リベンジしてしっかり区間賞を取りたい」と話す白川は、11月の上尾ハーフで自己ベストを大きく更新した。最後の箱根で4年生としての大きな背中を見せてくれるだろう。終盤までレースがもつれた場合には、この9区で勝負を決める走りが見られるか注目が集まる。

10区には注目の濵口大和(法1)。MARCH対抗戦で27分台を記録したスーパールーキーは、次期エースとして今回の箱根を迎える。他校の主力に劣らぬスピードを持つ濵口が、10区で優勝のゴールテープを目指す。そして、終盤まで優勝争いが続いた場合には勝ち切る走りも求められる。100回目の出場を前に、伝統の襷(たすき)は最終10区から新たな世代へと繋がれていく。

 

30年ぶりの総合優勝を目指す中大。ここまで選手たちは、箱根に向けて万全の準備を尽くしてきた。真紅の襷が、新春の日差しに照らされて箱根路の先頭を鮮やかに駆け抜ける。

待ち望んだ号砲はいよいよ明日8時に鳴り響く。

 

(記事:酒井奏斗)

公式X(@chudaisports
Instagram(@chuspo_report