中前祐也（法４）主将のもと、「反撃」をスローガンに掲げて始動した今年の中大野球部。春季リーグは５位に終わり、苦しみながらも１部の座を守った。集大成の秋へ、開幕を目前に控えた選手たちの声を全９回に渡ってお届けする。
第２回は２年生捕手コンビの綱川真之佑（経２＝健大高崎）選手、野呂田漸（文２＝秋田中央）選手。春は互いにマスクを被り、熾烈なレギュラー争いを繰り広げた２人。ライバルとして成長を続ける扇の要に注目したい。
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＜綱川真之佑＞（聞き手、構成：髙梨晃世）
▲正捕手として春を戦い抜いた綱川
──春を振り返って
「春は先発ピッチャーが打たれてその失点がそのまま負けに直結することが多くて、先発ピッチャーに勝ち星がつかないっていう試合が多くて、その責任は全部自分にあります」
──自身の春リーグ調子は
「調子が悪いわけではなかったんですけどしっかりバッター見れてなかったっていうのはあります」
──ヒットを打つ場面も多くありましたが
「たまたまです」
──入れ替え戦をかけての駒大戦のプレッシャーは
「それはありましたね。そもそも駒大戦を１勝１敗にしたのは自分のせいでしたし、熱を出してしまって、１番大事な試合を野呂田（漸・文２＝秋田中央）に押し付けちゃったので、そういうのも含めて勝たなくちゃなって感じてました」
──サヨナラ負けの後に三奈木（亜星・商２＝浦和学院）選手に声をかけたりは
「お前のせいではないよと」
──入れ替え戦を意識し始めたのは
「日大に２連敗した後ですね。その後からは下を見据えるしかなかったので」
──オープン戦のときから野呂田選手と併用されていたが不安は
「不安というよりかは同級生のライバルなんでいい関係ではあると思います」
──ベンチから野呂田選手に声かけする様子もあった
「ライバルではあるので活躍を素直に喜べないときもあったんですけど、そこは自分が実力不足で負けったってだけなので、自分が出ないから声かけないとかはないです」
──東洋大が１部に昇格、印象は
「東洋は男臭い感じで、入れ替え戦のときもそうだったんですけど、乗せちゃったときの破壊力みたいなのは東都でも１番かなと、なんで怖いですね、のせないようにしないとっていう」
──攻略法は
「西舘さんとかになると何か仕掛けないと打っていけないと思うので、ストレート全部張ったり、変化球張ったりとかそういう偏りとかが出たときにそういうのを見極めて対応できるようにしたいと思います」
──細野投手入れ替え戦で打ってますが
「あれこそ本当にまぐれです（笑い）。でもめっちゃ嬉しかったです」
──東洋大と駒大、どちらの方がやりづらいですか
「自分は結構駒澤いやだったんで、東洋って結構青学と近い感じがして、個人的にはやりやすい感じなんで、まぁでもみんな東洋の方が嫌だって言ってますね、ピッチャーが違うんで」
──春見つかった課題
「得点力がなくてチームの得点のためには自分を殺してでもチームのバッティングができるかっていうのがチーム的な課題で個人的な課題としてはスローイングが安定していなかったので確実に盗塁刺せるようにしないといけないのが課題です」
──夏で取り組んだ練習
「基本的にキャッチャーのことばっか練習しているんですけど、スローイングの入る前の形を変えて、そっからスローイングに移る動作の練習を重点的にやりました」
──皆川（岳飛・経２＝前橋育英）選手がベストナインとったことについて
「やっぱすげえなって思いますね、すごいなって思うところもありますけどやっぱ同級生で高校も隣なので負けてらんないなって感じですね」
──４年生との思い出
「キャッチャーなんで、西舘さん、石田（裕太郎・経４＝静清）さん、岩本（大地・法４＝石岡一）さん、大栄（陽斗・商４＝仙台育英）さんっていうレベルの高いピッチャー陣を１年生のときから受けさせてもらえて、そのおかげで成長できたので、自分は４年生のピッチャー結構大好きで、すごくとお世話になったので、思い出っていうよりかは育ててもらった分、自分の結果とかはどうでもいいんで優勝させてあげたいです。個人的な目標としては全部ゼロで抑えてピッチャーが完封して勝つっていう試合展開にしたいです。試合の中でピッチャーを輝かせてあげたいって感じですね」
──春で印象に残ったバッター
「国学の柳館さんですね、何投げても打たれているイメージはあります、すごい人です」
──西舘とバッテリー組むのも最後、メッセージを
「バッテリー組ませてもらうのも３シーズン目なんで、完封とか、勝利つけて勝たせてあげて優勝して全日本行きたいっていう気持ちだけですね。まだ迷惑かけることもあると思うんですけど引っ張っていくので西舘さんも頑張ってください！」
▲西舘と最後のシーズンを迎える
──西舘投手の球を最初に受けた印象
「最初は速くて生き物みたいな感じで、練習会で受けたんですけど、もうその日に手が腫れちゃいました。そんなボール受けたことなかったんで「これが大学の野球か、、」って思いました」
──大学２年生ですけど学業の方は
「ヤバいですね」
──自分のここに注目してくれ
「４年生のピッチャーと息ピッタリなところです」
──秋での具体的な目標
「本当に自分の結果はどうでもよくて四年生のピッチャーはお世話になったので優勝って結果でお返ししたいなと、まぁ出れるかわかんないんですけど、ピッチャーが輝いて優勝したいなと」
◇綱川真之佑（つなかわ・しんのすけ）◇
学部学科：経済学部・経済学科
身長・体重：180㌢・79㌔
出身高校：健大高崎
＜野呂田漸＞（聞き手、構成：齊藤さくら）
▲この春出場機会を増やした野呂田
――今の状態と調子を教えてください
「守備も打撃の方も良い状態ではきています」
――春季リーグ戦を振り返っての感想を教えてください
「１年生の時は途中から出ることが多くて出場機会もあまりなかったんですけど、今年の春は出場機会も増えて、キャッチャーとしてスタメンで試合に出て、DHでも何試合か出させてもらって。その面で２年生になって自覚が結構芽生えてきたなと思うのと、試合に出ることで多くの課題が見えてきたので、そこを潰せるように今まで春終わってから取り組んできました。」
――リーグ戦では指名打者での起用もありましたが、守備ではなく打撃の自信はどれぐらいありますか
「打撃の自信は全然ないです。」
――リーグ戦が終わってから今まで取り組んできたことを教えてください
「やっぱりリーグ戦で戦う東都の１部のピッチャーはボールがすごく早いので、そこに対応するように、技術的な話になっちゃうんですけど、自分はバットが体から離れちゃうので、そこを離れないようにっていう風に意識して打撃はやってきています。守備ではスローイングを安定させるためにスローイング練習を多くしたり、あとはピッチャーとのコミュニケーションをとったりするように心がけてやってきました。」
――それを踏まえてオープン戦での手応えはありましたか
「そうですね。バッティングでも最近はあんまり打ってないですけど、最初の方はちょっと打てたりしてたので。守備はだいぶ安定してきたと思うので、オープン戦では結構成果が出たと思います」
――リーグ戦やオープン戦での対戦で印象に残っているピッチャーはいらっしゃいますか
「自分国学院の時しかほとんど出てないというか、国学院と駒澤ですけど。国学だったらエースの武内投手はやっぱりまっすぐも早くて変化球もいいピッチャーなので、もし国学院戦で試合に出たらまずはまっすぐを打ち返せるように頑張っていきたいと思います」
――開幕戦は松山で春優勝の青学大との対戦になりますが、キャッチャーとして球場が変わることのやりにくさや思うことがあれば教えてください
「松山は広いって聞いていて、青学は結構打撃に自信のあるチームだと思うんですけど、ホームランとかは出にくいのかなと思うので、どんどんストライクゾーンで攻めていくっていうのはピッチャーと話しています。あとは風が少し強いって聞いたので、そこの内野と外野の連携はしっかりやっていきたいと思います」
――警戒している大学やピッチャー、選手はいらっしゃいますか
「この人っていうのはないですけど、全チーム警戒していく中で、初戦の青学は日本一にもなっていますし、初戦っていうところもあるので、ここで勝ち点が取れるか取れないかっていうのは結構大きく関わってくると思います。試合のビデオとかも何回も今見ていますし、しっかり入れるようにやっていきたいと思います」
――今季のご自身のチーム内での役割はどのようなものだとお考えですか
「春は指名打者での出場が多くて、自分の結果を優先してプレーしてたんですけど、秋はキャッチャーでの出場も増えそうなので、自分の結果よりもチームの結果を優先して頑張りたいと思います」
――オープン戦は２年生ピッチャーの登板も多かったと思います。先輩ではなく、同級生や後輩をリードする時はどんなことを考えていらっしゃいますか
「そうですね。先輩方だと西舘（法４＝花巻東）さんとか裕太郎（経４＝静清）さん、あとは大地（法４＝石岡第一）さんもそうですけど、経験があるので自分が引っ張っていかなくてもって言ったらあれですけど、自分を引っ張っていってくれるぐらいなんですけど、同級生とか後輩は経験がないピッチャーも多いので、練習でも試合中でもベンチに帰ってきた時とかに自分が積極的に声をかけています。あとはピンチになった場面とかだったらマウンドに行って声をかけたり。声をかけるというとこは意識してやっています」
――秋季リーグ戦、自分のここを見てくれ！というポイントを教えてください
「バッティングは自信ないので、守備でピッチャーをリードしていくところを見てほしいです」
――秋季リーグ戦への意気込みと個人の目標をお願いします！
「個人の目標としてはタイトルっていうのもあると思いますけど、それよりもチームを勝たせられるようにピッチャーとしっかりコミュニケーションをとってやっていくことと、チームとしては日本一っていうのを掲げていますけど、まずリーグ優勝しないと日本一もないと思うので、リーグ優勝できるように一戦必勝で頑張っていきたいと思います」
◇野呂田漸（のろた・ぜん）◇
学部学科：文学部・人文社会学科
身長・体重：17１㌢・7７㌔
出身高校：秋田中央高校
