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【年末特別企画】#後輩へ託す思い バドミントン部前主将 中川正麻(法4)

2020年も残りわずか。今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、激動の1年となった。大学スポーツ界では夏以降、徐々に試合が再開されたが、無念にも中止となった大会も多い。4年間という時間に限りがあるのが大学スポーツ。今回はバドミントン部前主将の中川正麻選手(法4)にお話を伺った。


▲Zoomにて取材に応じてくれた中川主将

――コロナウイルスの影響でリーグ戦やインカレが中止になってしまいましたが

「一つずつ大会がなくなっていく中で、次の大会は、最後の大会はしたいって思いながらやっていました。10月10、11日に1部だけリーグ戦の代替大会が行われて自分も参加することができて、やっぱりバドミントン楽しいなって思いました。練習不足ではあったかもしれないけど、チームのみんなで戦えたのは良かったし、大会を開催してくれて有難かったです」

――主将として何かアクションは起こしていましたか

「やらされるよりも自分からやらないとだめなので、毎日練習メニューの強制はしていなかったです。地元の方が練習できるという人もいたんですが、寮の方がトレーニング器具が充実していたり、みんなともコミュニケーションを取りたいということで半分以下は寮に残っていました。7月に全体で集合するまでは各自に任せるという感じです。寮生活をしていてみんな家族みたいな感じなので、練習するときも誘いやすいし、そういう点ではほかの大学よりも連携やチームワークはいいんじゃないかなと思います」

――コロナ後の選手のモチベーションは

「最初の方はコロナでも頑張ろうって話していたけど、直接見えないからみんながちゃんとやっているのかわからなくて…。最後の大会に向けてしっかり上げていこうというところで(最後の大会が)中止になったから、みんなのモチベーションは落ちてしまったのではないかなと思います。練習する意味あるのかなとマイナスに考えていた時期もありました。
インカレがなくなったのが8月末に決まって、いつもその団体戦で引退なので同期で話し合って、キャプテン、副キャプテンとか幹部を変えて、新しいチームで雰囲気づくりをした方がいいということで、監督に申し出て9月から変えてもらいましたね。先ほどの代替試合に出場できると決まったのが9月中旬くらいだったので、4年生もやっぱり出たいということでもう一度練習して、大会に臨むという感じでした」

――久々に大会に出場してみてどうでしたか

「4年生としては自分たちは楽しむ感じで、3年生以下でしっかり戦ってほしいと思っていました。課題やほかの大学との差が見つかったり、逆にやってきたことが間違ってなかったと自信がついた人もいたりと、大会に参加できて良かったですね。チームとしては6校中5位だったんですけど、自分たち自身はもちろん、3年生以下も良い機会になったと思います。新体制になってから後輩たちは今まで以上に自覚や責任感を持ってやっていたし、キャプテン(辻凌也・商3)も頑張ろうと意気込んで良い雰囲気で引っ張っていっていたかなと感じました」

――この一年でプラスに捉えられたことはありますか
「コロナ前だった3年秋のインカレも台風で中止になって、本当に何が最後の試合になるかわからないので、後輩には一つ一つの大会や練習を大切にしてほしいと思います。多少辛くても手を抜くとか投げやりになるようなことはきっと少なくなったんじゃないかなって思いますね。自分自身も常に一生懸命生きようと思ったし、プラスと言えるかはわかりませんが考えの幅は広がりました」

――バドミントンを続けてきて良かったと思うことはありますか

「一番は友達が増えたことですかね。小学校から続けてきて全国大会等に出させてもらう中で、自分の学校だけじゃなく全国に幅広い友達ができて、いろいろな考えを持った人や強い選手にも接することができました。また自分が1年生のときの4年生が大学日本代表だったり、ナショナルチームの代表に入った選手の考えが聞けたりとさまざまなつながりができたこともよかったです。中学・高校は監督、コーチが厳しく、礼儀や自分で考えて行動する力はついたのではないかなと思います」

――印象に残っている試合はありますか

「入替戦ですね。これまで3回入替戦行って2回目に負けているので、1回目に勝った時はただただうれしかったんですけど、そこから出させてもらえるようになってプレッシャーがすごくあって。自分の試合で残留か降格か決まる時は正直辛かったんですけど、阻止できたときはうれしかった。3年の春リーグでの筑波大との入替戦はみんなで勝ち取った勝利という感じが本当にしたし、中大が普段共同生活している良さが出たのではないかと思います。実力は全然ないんですけど、流れや応援の力や勢いで下剋上もあるということを大学に入って余計に思いました」


▲昨年の春リーグで1部残留が決まり、チームメイトに胴上げされる中川 

――後輩へ託す思いは

「自分の代ではインカレ団体戦優勝を目指していたけどできなくて、それを一番近くで見ているのは今の3年生の代なので、当たり前だけど責任感を持ってやってほしいし、1、2年生も今のチームで戦えるのは最後になるわけだから毎年大切にやってほしいです。あとは純粋に2部に落ちないでほしいですね(笑い)」


▲シングルスでは常にチームを引っ張るプレーを見せた

今年のリーグ戦やインカレは中止となったものの、代替大会によってバドミントンが好きだという気持ちを持って楽しく戦えたという中川。今年度は9月にバトンタッチをし、早い段階から新体制としての練習を強化している。明るくパワーのある中大バドミントン部の躍進に期待したい。

追記:11月25〜27日、インカレの代替大会にあたる個人戦大会「バドミントンサバイバー」が行われ、滝口友士(商2)・川島直也(経1)組がダブルス3位、シングルスでは佐藤雄輝(商4)がベスト8、石澤樹(経2)がリーグ突破という結果で大会を締めくくりました。

記事・写真=「中大スポーツ」新聞部