2024シーズンは春リーグ2位、秋リーグ5位と悔しい結果に終わった中大硬式野球部。2025年は四冠を達成すべく、現在冬練習に励んでいる。インタビューでチーム雰囲気の良さを強みに挙げる選手たち。今回、オフシーズン企画として選手対談を実現した。野球に対する思い、さらにはチームメイトだからこそ知っている秘話も満載。中大硬式野球部ファン必見です。
第3回は伊藤櫂人(文2=大阪桐蔭)選手、安田淳平(商2=聖光学院)選手、佐藤壱聖(経2=東日本国際大学付属昌平)選手、佐々木琉生(商2=健大高崎)選手の対談をお送りします。(聞き手:小林陽登)
▲取材を受けた4人(左から佐々木、佐藤壱、安田、伊藤櫂)
「マイペース」「気遣い」エピソード
他己紹介をお願いします。
中スポ
伊藤櫂
安田淳平です。もう今は部屋離れちゃったんですけど以前同じ部屋で一緒に楽しく生活していて、今でも部屋にくることがあって、繁永(晟=商3・大阪桐蔭)さんがもう1人なんですけど、一緒に動画とか見たりして、楽しくやっています。
安田
佐藤壱聖です。自分は高校が福島の学校なんですけど、壱聖も福島の学校で、夏の県大会で対戦することもあって高校のときから知っていたんですけど、野球センスが抜群です。普段はめちゃくちゃポンコツなんですけど、野球になったらかっこよかったりします。ギャップ萌えっていうか、そういうタイプの男です。
高校時代はどのくらい関わりがありましたか?
中スポ
安田
もともと自分の高校のエースが共通の知り合いだったので存在は知っていたんですけど、高3のときにここ(中大)で練習を見てもらったときに、たまたま一緒に練習して、そのときに初めて話しました。
佐々木
伊藤櫂人は1年生の時からずっと試合に出ていて、野球の実力は同級生の中でも一番だと皆が思っていて、ゆくゆくはプロ野球選手になる存在だと思っているんですけど、私生活はかなりマイペースなので自分たち仲いいグループとしては苦労している部分もあります(笑い)。ただ、その分周りを見ることができる優しさはあって気遣いもできるので、めちゃくちゃ良いやつだなって思います。いいやつで野球の実力もあるって感じなのでもう本当に完璧だなと思います。
具体的なエピソードはありますか?
中スポ
佐々木
まずマイペースだなと思ったのは、もう本当にありえないって思ったんですけど、自分と古河(琢麿=経2・佐野日大)と櫂人ですき家に行こうっていう話をしていて、すき家に向かっていたら櫂人が「ちょっと俺マック食べたいからマック食べてくる」って言いだして、すき家について自転車を止めようとしたときに櫂人だけそのままマックに向かおうとしていて、「え?」みたいな(笑い)。ちゃんと相談してくれれば全然マックに一緒に行ったのに「俺マック行きたいからマック行ってくる」みたいに言ってきたのはマイペースだなって思いましたね。でも優しい気遣いエピソードもあって、例えばバーベキューをしたときには、洗い物とかを結構率先して黙々とやってくれました。
それぞれの第一印象は?
中スポ
佐々木
壱聖の第一印象はとにかく肩が強いと思ったのと、あとはうるさくてとにかくもう子供っぽいって感じでしたね。今の印象は結構野球の面ではいろいろ考えていることも多いと知ったので、野球に対しては結構大人な面もあるんだなって思っています。
佐藤壱
淳平と初めて会ったのは高校の夏の大会で、そのころにはもうお互いに中央大学に来るって知っていたのでちょっと意識して見るようになっていたんですけど、淳平は聖光の3番打っていましたし、自分も3番だったのでどこか負けているとこあるかなって考えたときに、気合でもバッティング能力でも淳平の方が上だなと思ったので、これから一緒にやっていくのが楽しみだなって思ったのが第一印象です。こっち入ってきてからは面白いやつだなっていう印象で仲いいグループのムードメーカー的な存在だなと思います。
安田
櫂人と初めて会ったのは高校日本代表の時の合宿だったんですけど、(伊藤櫂人は)大阪桐蔭の1番バッターだったし、体もその時も大きく見えていたので、バリバリの関西弁でめっちゃ怖いのかなと思ってたんですけど、話してみたら意外と人見知りで小心者で、話とかも全然しなくて(笑い)。でも仲良くなっていったら、優しいし野球もめちゃくちゃ上手いし面白いやつでした。
伊藤櫂
入寮したての時の話なんですけど、オフの前日に遊びに行こうという話になって、自分が琉生に「どこにいるの?」ってLINEした時に、「先輩の部屋にいる」って返ってきて。自分がそうやって先輩とすぐにうまく関われるタイプじゃないので、そういう人との絡み方だったりコミュニケーションの取り方だったりがうまいなと思いましたね。今の印象はいつも仕切っていろいろやってくれたりしているので、めちゃくちゃ頼りになるなと思っています。自分はマイペースな部分があるのですごくありがたいです。
2年生の横のつながりはどうですか。
中スポ
佐々木
仲はかなり良いと思います。誰かと誰かの間に壁があるとかは特になくて、それこそ自分がチームメイトとうまくいかなかった時があったのですが、同級生の中で悪い関係を作らせたくないっていう周りの意見を聞いて歩み寄れたこともあるので、良い関係だと思います。
言いづらいことも言いやすい関係なのですね。
中スポ
佐藤壱
むしろ皆そういう言いづらいことを言ってほしいと思っていますね。
佐々木
その話でいうと、今の2年生は野手が試合に出ていることが多い一方で、投手はまだあまり出ることができていないので、野手陣の方から投手陣に対してグイグイ言うこともありますね。
東都大学野球リーグで仲の良い選手はいますか?
中スポ
伊藤櫂
自分は同じ高校の子が何人かいて、星子(青学大)とか。最近もよく連絡を取っています。
どのようなお話をされるのですか?
中スポ
伊藤櫂
野球の話が多いですが、最近は星子がちょっと悩んでいたので、相談に乗ったりもしていました。
安田
僕は国学院の赤堀ですかね。赤堀とは高校が一緒でキャプテンと副キャプテンっていう関係性でもあって、ずっとチーム作りの話をしてきましたし、他の人とはないつながりがありますね。秋の大会で結構苦しんでいたみたいなのですが、そのときは相談し合ったりとか、「今は苦しいけどこれから先さらに活躍して東都を引っ張っていこう」っていう話もしたりする熱い仲間のうちの1人なので今でも交流しています。
高校日本代表のつながりは今でもありますか?
中スポ
安田
見かけたら声をかけたりはしますし、渡部(青学大)とかが大活躍しているのはすごく刺激になります。ジャパンじゃないんですけど、星子くんとかも試合で打ったりすると敵ながらうれしくなったりするので、そういうつながりはありますね。
佐藤壱
自分は青学の鈴木泰成ですね。小学生の時、ヤクルトジュニアで一緒だったので球場で会ったときには話したりしますし、泰成ももうプロから注目されるようなピッチャーだと思うのでそれに負けないようにっていうふうには結構話したりしています。
佐々木
自分は日大の人と結構仲が良くて、1個上の市川さんとは中学校の野球チームが一緒で、その人とは会うたびに、「お前まだ試合出てないの?」っていうふうに茶化されたりするんですけど(笑い)、その人が自分の中学の野球チームの中では第一線で活躍しているので、そこには結構刺激もらっているっていうのと、あとは日大の山口雄大くんって子がいるんですけど、そいつは小学校の時から知り合いで、会ったらすごい仲良く喋るんですけど、この3人(伊藤櫂、安田、佐藤壱)みたいに切磋琢磨(せっさたくま)する仲というよりかは、ふざけあう友達っていう感じが強いですね。あとは亜細亜大学に健大高崎の後輩の森田(亜大)と小宮(亜大)がいて、その2人とは結構野球の話をしますね。
代打ホームランを打った時の周囲の反応は?
中スポ
佐々木
市川(日大)さんは結構びっくりしていました。「お前が?」みたいな感じがあって(笑い)。あとは亜大戦で打ったので、小宮(亜大)と森田(亜大)からは「正直悔しかったですけど琉生さんが打ったのはすごくかっこよくて、喜びと悔しさが両方ありました」みたいことを言ってもらえて、それはちょっとうれしかったっすね。
開幕青学大戦「絶対取りたい」来季向けて
新体制になって何か変わったことはありますか?
中スポ
佐々木
繁永さんがすごく明るいタイプなんで、チームの雰囲気はかなり良くなっていて、練習の中の声も増えて活気がある練習になったと思います。
佐藤壱
(繁永さんとは)近い関係ではあるので、やりやすさっていうのは結構感じたりしています。
秋季リーグの打撃で苦しんだ原因は?
中スポ
伊藤櫂
今回は全体を通して自分の感覚的には悪くなかったんですけど、それに伴って結果が出てなくて。それなりに練習もやっていたのに結果が出てないっていうのはそのときの運もあると思いますし、なにより技術不足っていうのが今は一番なのかなって思っています。状態が良くても打てないってことは、相手ピッチャーより技術が劣っていたということだと思うので、もっと練習しないといけないなって改めて感じたリーグ戦でした。
安田
優勝した青学と比べてみると、スイングの強さが正直全く違ったと思います。(青学は)代打で出てくる選手もみんな本当に豪快に振りにいって、その中で捉えているっていうイメージがすごく強くて、去年の中大の打線も全然負けてなかったと思うんですけど、やっぱりそういう部分で厚みというか、シンプルな強さっていうところではちょっと劣ったのかなって思いました。今はロングティーとかもするんですけど、強くスイングをかけて振り込んでいくという意識の中で皆ができていると思いますし、来春は期待できるんじゃないかなと思います。
佐藤壱
自分はコンスタントにはヒットは出ていたんですけど、その中でもやっぱり東都のピッチャーのレベルの高さっていう高さっていうのはすごく感じていて、まっすぐの強さにしても変化球のキレや精度にしても、全てにおいてプロレベルのピッチャーはどこの大学に一人は絶対にいるので、そのピッチャーを捉えることが自分たちのチームの課題だと思いました。2戦目3戦目は対応できるけど、やっぱり1戦目のエース格のピッチャーは対応できないっていう部分が、チームとしても個人としても課題だったので、そこの全体的なレベルアップが必要なのかなっていうふうに感じさせられたリーグ戦でした。
佐々木
前半戦はバッティング練習とかでも極端にみんなが自由に打てないというか、規制をかけて練習することが多かったので、優勝した青学の選手と比べると自由に振れてないのかなという印象がありました。皆いろいろ意識したり考えたりして打席に入ってる感じがあったので、それが前半ちょっと良くなかったのかなとは思います。特に日大戦のときはそれが良くなかったのかなって思いますし、逆に自分としても1本大きい当たりが出て、何となく自分の中で感覚が良くて、その後の国学戦も9打数0安打だったんですけど内容は悪くなかったりとかしていて、感覚もずっと良いままいられたんですけど、やっぱり感覚が良くても結局結果が出てないと、チャンスの場面で1本出ないと勝てないっていうことに今回改めて気づいたんで、相手のピッチャーのレベルの高さもそうですし、苦しい場面で1本出すっていうところで、もっと内容だけじゃなくて、とにかく結果が欲しいっていう時に1本出せるようにしたいなというふうには思いました。
冬を乗り越える上で意識しているチームはありますか?
中スポ
伊藤櫂
開幕戦が青学戦なので、そこは絶対に取りたいと思っています。
春の目標成績や目標タイトルはありますか?
中スポ
伊藤櫂
今年の春はたまたまな形でDHでベストナインだったんですけど、サードでは谷端(日大)さんが何回もタイトルを取られているので、自分の中ではライバルっていうか、超えたいっていうか、そういう気持ちはずっと持っていたんで、来年が谷端さんのラストの年なので、ベストナインを取れるように頑張りたいっていう気持ちがあります。
安田
自分はジャパンに行ってやるっていう気持ちでやっているんですけど、1、2年生のときはそんなに試合にたくさん出ていたわけじゃないんで、まずはしっかり試合にたくさん出るようにするのと、あとはやっぱりいろいろ考えすぎて打席に入ってしまうことが多かったので、それは来季は絶対になくして、迷いのないスイングを積み重ねていければいいなと思っています。
佐藤壱
自分はリーグ戦を通して調子に波があったりしてしまうので、リーグ戦を全て通して出続けることを目標にしています。あとはやっぱり一番の目標はチームとしてリーグ戦を優勝することなので、それに伴って自分の結果がついてきて、ベストナインとか、そういうタイトルを取れたらいいのかなっていうふうに思っています。
佐々木
自分は今年の秋から試合に出させてもらって、少しチャンスをもらえたんですけど、来年また1年生も入ってきて、スタメンだとどこで出るのかっていうのが難しいところではあるんですけど、複数ポジションを守れることも強みだと思っているんで、どこでもいいのでとにかく規定打席立って、ベストナインを取れるようにっていうのは意識してこの冬は取り組んでいます。
選手プロフィル
※写真は2024年を漢字1文字で表してもらいました。
◇伊藤櫂人(いとう・かいと)◇
学部学科:文学部・人文社会学科
身長体重:177.5センチ・77.7キロ
出身高校:大阪桐蔭高校
◇安田淳平(やすだ・じゅんぺい)◇
学部学科:商学部・商学科
身長体重:177.4センチ・67.7キロ
出身高校:聖光学院高校
◇佐藤壱聖(さとう・いっせい)◇
学部学科:経済学部・経済学科
身長体重:180.5センチ・71.2キロ
出身高校:東日本国際大学附属昌平高校
◇佐々木琉生(ささき・るい)◇
学部学科:商学部・国際マーケティング学科
身長体重:175.9センチ・72.7キロ
出身高校:健大高崎高校