繁永晟(商4=大阪桐蔭) 主将のもと、開幕が迫る春季リーグに向けて調整を進めている中大野球部。今年度の中大には昨年度主力のメンバーが多く残っており、今年のリーグ戦の成績には大きな期待がかかる。そんな中加入したルーキーたちは、高校時代から大きな注目を浴びていた実力派揃い。中大に新たな息吹をもたらす新入生12名のインタビューを3日間にわたってお届けします!
第1回は青木勝吾(文1・中央学院)選手、若井勇輝(文1・桐蔭学園)選手、下山大楽(経1・北海道栄)選手の3選手。練習に参加して実感した高校と大学野球の違い、戦国東都で戦う意気込みを聞いた。
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<青木勝吾選手>(聞き手、構成:木下百葉)
▲高校時代から光る走塁と守備力が期待の青木
──学部・学科と専攻を教えてください
「文学部人文社会学科哲学専攻です」
──中央大学への進学を選んだ理由について教えてください
「東都のリーグで1部にずっと残っている、伝統ある強い大学なので、そこに惹かれて選びました」
──実際に練習に参加してみて、雰囲気はどのように感じましたか
「先輩の皆さんもすごく明るくやっていて、レベルの高い練習もしているので、すごく雰囲気がいいなっていうのが一番の印象です」
──高校の練習と比べると大学の練習はどうですか
「高校の時は一日練習の時とか、朝9時ぐらいから始まって、夕方6時とかに終わるのが当たり前だったんですけど、大学野球は9時から始まったとしても、もう2時とか半日ぐらいで終わるので。そういう練習時間の差が大きく変わったところかなと思います」
──練習をしてみて、チームメイトの中で印象に残った選手は
「外野の4年生の皆川(岳飛=経4・前橋育英)さんは、バッティングももちろんすごいんですけど、守備の面でも自分だけのリズムがあったり。そういうところがすごく印象に残ってます」
──入寮はいつ頃
「1月14日に入寮しました」
──同部屋の方は
「4年生の綱川(真之佑=経4・健大高崎)さんです」
──どんな話をしますか
「綱川さんとは、野球の話とか。たまにゲームとかもするんですけど、野球の話を主体で話してます」
──寮では他にどんなことをしていますか
「寝てます。寮で時間あったりすると、もう眠くなって寝ちゃったりしてます」
──大学のチームメイトと遊びに行かれましたか
「まだ遊びに行ったことはないですけど、ご飯とか食べに行くことはあります」
──尊敬する選手や影響を受けた人物は
「自分、お兄ちゃんがいて。すごくバッティングが良くて、自分と真逆のタイプなので、お兄ちゃんみたいな存在になれたらなとは思います」
──野球を始めたのは、そういったお兄さんの影響がありますか
「お兄ちゃんが野球やってたので、物心ついたころから野球に関わってました」
──高校時代で最も印象に残っている試合は
「甲子園の準決勝の報徳戦はもうすごい印象に残ってます」
──高校時代の野球生活で悔いが残っていることは
「最後の夏の大会の負けた試合が一番悔いが残ってます」
──そういった高校野球での経験を、大学野球にどう生かしていきたいと考えていますか
「バッティングだったり、さらに投手のレベルが上がると思うんですけど、高校野球でも練習して対応してきたので、大学野球でもその経験を生かして自分で努力して、その高いレベルについていけるようにやっていきたいと思います」
──高校の監督からは何か言葉はありましたか
「特にこれってことはないんですけど、頑張れ的な感じのことは言ってもらいました」
──高校時代、対戦してみて一番すごいと思った選手を教えてください
「1学年下の佐藤龍月投手。健大(高崎)のピッチャーなんですけど、自分が高校2年生の秋対戦したんですけど、すごく質の高いボール投げててすごいなと思いました」
──高校時代のチームメイトと連絡をとることはありますか
「高校同じだった子で、東洋大とか行った子がいるんで、その子とはラインとかでたまに話したりします」
──東都で対戦があると思いますが、楽しみだったりなどは
「そうですね。日大に自分と3年間同部屋だった子が行ったんで。しかもキャッチャーなので、自分が打席に入った時とか、直接ではないですけど間接的に対戦できるので、それが楽しみです」
──一言で自分のプレースタイルを表すと
「守備ですかね。自分はバッティング得意じゃないので。走ることと守ること、投げることはできるので、そこを生かして頑張っていきたいです」
──センバツでは走塁が目立っていたという印象を受けましたが、走塁で何か意識していることはありますか
「そうですね。高校の方針的に、次の塁をどんどん狙っていけっていう。アウトになってもいいからどんどんいけっていうことをずっと教えられてきたので、それを意識してずっとやってます」
──また、全試合1番での起用でしたが、打順へのこだわりはありますか
「特にこだわりはないんですけど、やっぱさっき言った通り、自分バッティングに自信がないので、何番を打ちたいとかは特別ないです」
──これからさらに伸ばしていきたいポイントは
「バッティングをここから練習していって、さらに技術をつけられたらなと思います」
──これから大学のリーグ戦始まりますが、東都で対戦してみたい投手はいますか
「高校の同級生だった蔵並(龍之介)投手が東洋大にいるので、できれば対戦したいなと思います」
──試合を見る人に注目してほしいポイントは
「さっき言った通り、守備と走塁です」
──大学生活もこれから始まりますが、どのようなことが楽しみですか
「キャンプとか遠征先とか、普段できない場所でやることがあるので、そういうところでは練習ももちろんするんですけど、環境とかも楽しめたらいいと思います」
──4年間のビジョンを教えてください
「1年生からできればベンチに入ってちょくちょく試合出て、その後はレギュラーに定着して、中央大学を任せられるような選手になりたいなと思います」
◇青木勝吾選手(あおき・しょうご)◇
学部学科:文学部・人文社会学科・哲学専攻
身長・体重:170㌢・67㌔
出身高校:中央学院高校
<若井勇輝選手>(聞き手、構成:比留間柚香)
▲瞬足と長打力を武器に戦国東都に挑む若井
──中大野球部に入部するまでの経緯は
「自分の父が中央大学出身で、野球はやってなかったんですけど。大学でも野球をやりたいなって考えたときにレベルが高いところでやりたいと思って、中央大学は東都リーグ1部なのでいいなと思って。練習に参加したときに自分から清水監督に『行きたい』という意思を伝えました」
──一番最初に練習に参加したのはいつごろですか
「高校2年の2月ぐらいです」
──結構早い方
「いや、でももっと早い人は11月とかに来てたりとかしました」
──その時清水監督から何か言葉は
「その時は特に何も言われてなかったですね」
──大学野球は他にもリーグがある中で東都リーグを選んだ理由は
「東都は最近六大学よりもレベルが高いと言われていて、六大学の方が人気はあるかもしれないんですけどレベルが高いところでやりたいなと考えて、特にピッチャーのレベルが高いのでそういうのを経験したいなと思って東都リーグにしました」
──入る前の中大のイメージは
「結構大ざっぱに考えてて『中央大学は野球強い』っていうイメージしかなかったので。あと法学部が頭いいってのは知ってたのでそれぐらいです」
──入寮、練習に参加し始めてからどれくらいたちましたか
「1カ月ぐらいたちました」
──もう慣れましたか
「はい、もう慣れました」
──大学での練習はどうですか
「高校よりも練習量が少なくて、でも一回一回のプレーに対しての出力が大きいので体への負担は高校よりきついかもしれないです。あと朝がちょっと早いっていうのがきついですね」
──朝は何時ごろから
「まだ今は6時半ぐらいに起きて9時前ぐらいにスタートなんですけど、学校始まると5時ぐらいに起きないといけないんでそれがちょっときついですね」
──高校との練習の違いは
「一個一個のプレーに対して声が出てたり試合に対してどれだけいい練習ができるかっていうところが、高校でもそういう練習はしてたんですけどより一層プレーの質が上がってるかなと思います」
──寮の同部屋は
「2年生の武藤(匠海=文2・作新学院)さんと同じ代の山根(大翔=商1・昌平)が一緒です」
──もう仲良くなりましたか
「はい。一緒に夜更かししたりしてます」
──普段どのような話をされるんですか
「何でもないような話したり、野球の話はちょっとするぐらいなんですけど。映画をずっと見てたり韓ドラを部屋で見てたりするのでその話だったりもしてます」
──桐蔭学園の先輩は松尾大(経3)選手や米倉凛(商2)選手がいますが入学前に中大について何か聞いていましたか
「入学前は米倉さんに中大の練習楽ですかとか聞いてたりしたんですけどあんまり(それ以外は)話さなかったですね。寮生活1年生はちょっときついよみたいなのは聞いてたんですけど。練習のことはここ(桐蔭)より楽だよってのは聞いてました」
──決まった後に連絡を取るなど
「練習参加した後に自分入れそうですかみたいなことを聞いて、『いけそうだよ』って教えてくれました」
──参考にしたい先輩は
「3年生の伊藤櫂人(文3・大阪桐蔭)選手。自分が高校1年生の時の3年生で大阪桐蔭の時からテレビでずっと見てた存在なので。今一緒にプレーしていることが自分でもちょっと信じられないと思ってます」
──どのようなところをまねしたいですか
「バッティングのフォームがちょっと似てるので、速い球の対応だったりを聞きたいなと思っています」
──同期で仲良くなった人は
「下山(大楽=経1・北海道栄)くんですね。ご飯食べに行ったり私生活でもどんどんコミュニケーション取れる存在です」
──中大の部員で対戦経験のある人は
「いや、いないと思います」
──敵でもチームメイトでも、今まで見てきた中で一番印象に残った選手は
「同じ代の早実の宇野(真仁朗・福岡ソフトバンクホークス)選手。その人高校3年生から木製バット使ってたんですけど、逆方向にホームラン打ったり、こいつには勝てないなって思いました」
──桐蔭学園での3年間で一番きつかった練習は
「1周走っていうのがあってグラウンドを走るんですけど、ランニングめちゃめちゃ苦手なのでそれがきつかったですね」
──持久系の練習ですか
「そうですね。グラウンド1周1分で走らないといけないので、1分間走り続けるっていうのも苦手できつかったです」
──ご自身のこれまでのベストな試合を挙げるとしたら
「あんま自分活躍してないんですけど、高校3年生の夏の慶應戦。慶應がおととし優勝してて自分たちの代で倒すぞっていうのが目標だったので、そこで勝てたのがベストな試合かなと思います」
──お話にあったように慶應を倒しての6回戦進出もありましたが最後の夏はどのような戦いでしたか
「いやもうそんなに強くないチームだったので、自分たちの代が。ピッチャーで守って勝つっていうのを徹底してやってた中でちょうど慶應と当たるってなった時に、1点が鍵になるから守って守ってってところで。結果的にもあんまり打てなくて4対2でそれ以外の試合もあんま点入らなくてきつい試合ばっかだったんですけど、勝つためにはどうしたらいいのかっていうのを1年間考えてずっとやってたので。めちゃめちゃ大変だったんですけど試合に対しての気持ちはキャプテンが一番持ってたのでキャプテンについてくって気持ちでやってました」
──目標、お手本にしている選手は
「鈴木誠也(シカゴ・カブス)選手のスイングのフォームがめちゃめちゃきれいでお手本にしたいなと思っているんですけど最近はちょっとレベルが違いすぎて(笑い)。でも鈴木誠也選手の広島時代のフォームとか参考にしてます」
──最近はメジャーリーグもご覧に
「はい、メジャーも見てます」
──ご自身は広島ファンですか
「いや、ファンではないですけど(鈴木誠也選手は)一選手として見てます」
──石野嶺(国学大)選手、長南晴人(東洋大)選手、杉本早由貴(専大)選手などかつてのチームメイトがこれから東都のライバルになりますがどう感じていますか
「いやもう嫌です(笑い)。杉本とか絶対打てないピッチャーだったので。石野とかもセンスと、あいつ体でかくなって左バッターでショートでって考えるともう嫌だなって、単純に嫌ですね(笑い)」
──今後対戦する可能性もありますが
「杉本とやるときは、弱点を知られてるのでその弱点を克服するために練習していこうかなって思ってます」
──座右の銘は
「『継続は力なり』。中学のコーチに教えてもらったんですけど、自分ちょっと練習続かなかったりするのでそういうところをこの言葉で1回気持ち切り替えたことがあるので」
──どのようなタイミングで
「(中学の)夏の大会が自分たちの代はコロナでなくなったんですけど、練習を続ければ大会がなくなったとしても結果残せるから、大会なくなった時に高校に向けて切り替えて練習を続けられました」
──高校ではセンターを守られていましたが大学では外野のどこで勝負しますか
「大学は試合に出たいなって一番考えてるのでどこでもいいんですけど、センターちょっと距離長くてちょっときついなって(笑い)。なるべくどっちか両翼がいいかなって思ってます」
──やはりセンターの守備範囲は広い
「そうですね。青木(勝吾=文1・中央学院)が守備範囲広いので任せたいなと思います」
──50㍍のタイムは
「6秒3ぐらいですね」
──足の速さを保つためにこだわっていることはありますか
「引退してから10㌔ぐらい増量して足遅くなった方なんで。筋量上げておけば出力も上がるっていうのをトレーナーに教わったことがあるので、筋力を落とさずに体重を増やすっていうのを意識してやってました」
──ご自身の持ち味は
「持ち味は長打力だと思ってます。今日も一カ所バッティングだったんですけどホームラン打ちました」
──4年後引退する時にどのような選手になっていたいですか
「相手から警戒されても打てるような選手になりたいです。プロ目指していきます」
──プロを意識し始めたのはいつですか
「高校の時は細くて全然無理だなって考えてたんですけど、大学の練習参加して意外と目指せばいけるんじゃないかなって最近思いました」
──1年目の意気込み、目標をお願いします
「1年目から試合に出てここぞという時に代打で出させてもらったり打てるような選手になりたいなと思ってます」
◇若井勇輝選手(わかい・ゆうき)◇
学部学科:文学部・人文社会学科・英語文学文化専攻
身長・体重:181㌢・77㌔
出身高校:桐蔭学園高校
<下山大楽選手>(聞き手、構成:福島佳那子)
▲投手の経験を生かし強肩の外野手としてリーグ戦出場を目指す下山
──中大を選んだ理由を教えてください
「伊藤櫂人(文3・大阪桐蔭)さんが中央大学で野球をしていて憧れてここ(中大)を選びました」
──中大野球部で練習した感想
「他に比べてレベルの高い人がとても多いので、とても刺激がある練習です」
──入寮されたのはいつですか
「1月11日に入寮しました」
──上京して新しい生活はどうですか
「結構初めは朝がきつかったんですけど、もう慣れてきました」
──野球を始めたきっかけや理由を教えてください
「兄がやってたので、影響されて始めました」
──兵庫県出身ですが、北海道栄に進学された理由は
「北海道栄高校の監督(糸瀬監督)に来て欲しいって言われたので行きました」
──高校時代はピッチャー、ファースト、レフトといった複数のポジションを守っていましたが、投手と野手の両方の練習に時間を割いていたということか
「高校の時はそうです。基本は野手で最後の年はピッチャーっていう感じですね」
──ピッチャーをやることになった経緯は
「肩に結構自信あるんで。監督もそれを知ってて、やってみないかって言われたのでやり始めました」
──監督からそれを聞いた時は、すぐに受け入れたのですか
「言われた時は、すんなり受け入れられました」
──大学野球では野手一筋でプレーするのか
「野手一筋です。外野です」
──投手はやらない
「はい」
──ご自身のバッティングの強みは
「強みはコンスタントに全方向に打てて、率を残せるっていうところですね」
──これからバッティングで磨いていきたい部分は
「精度を高めていきたいなと思っています」
──自分のプレーで注目してほしい点を教えてください
「チームで大切になる一打を打つというところを見てもらいたいです」
──今までと同様に、これからも大事な場面で打てる選手でありたい
「はい」
──高校野球で得たこと
「視野を広く持つということは3年間の高校野球で得たことです」
──高校の監督から言われた言葉は
「人間性を磨けと常に言われていました」
──北海道栄の同級生、チームメイトはどんな存在か
「一緒に切磋琢磨してきたので大切な存在です」
──現時点で感じる高校と大学野球の違いは
「高校と大学の違いはピッチャーのレベルが全然違います
──参考にしている選手はいますか
「森下翔太(令5卒・現阪神タイガース)選手です。トップの位置を参考にしています」
──同学年で特に意識している選手は
「意識している選手は、同じ外野手で同じタイプの若井(勇輝=文1・桐蔭学園)選手です」
──寮で同部屋の選手は
「熊谷(陽輝=経2・北海)選手と山崎(豪琉=文1・細田学園)選手です。2人とも優しい選手です」
──寮生活の感想
「高校時代も寮だったので、慣れているので楽しいです」
──大学野球での目標、将来のビジョンはありますか
「はい。チームで中心となる選手になりたいです。大学の先はプロを目指しています」
──1年目の目標は
「ベンチに入って試合に使ってもらえたら、しっかり結果を残せるように頑張りたいです」
◇下山大楽選手(しもやま・たいら)◇
学部学科:経済学部・経済学科
身長・体重:179㌢・82㌔
出身高校:北海道栄高校
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