新型コロナウイルス感染拡大に伴い、明かりが消えたスポーツ界。大学スポーツも開催予定だった各大会の中止や延期といった影響を受けています。4年間というタイムリミットがある大学スポーツ。このような出口が見えない状況の中、大学生アスリートたちはどのような思いで1日1日を過ごしているのか。中スポを通して、この1年を戦う選手・スタッフの皆さんの声をお届けできればと思います。第1回は硬式野球部。主務の森田健矢さん(商4)にお話をお伺いしました。
※この取材は4月30日に電話にて行われたものです
▲昨秋リーグ表彰式後の集合写真
――今の部の状況を教えてください
「部員に関しては緊急事態宣言が発令される前に希望者は帰省しています。就職活動の関係などもあったりして寮には自分含めて12人が残っています」
――選手間でのコミュニケーションや取り組みはどのようなことをしていますか
「連絡事項は全体のLINEグループに流しています。それと今部内でトレーニング動画リレーみたいなのをやっていて、『今日はこのメニューをやりましょう』みたいなのを流して最後に『熱男~!』で締めるって感じの動画です(笑)。今指名しあってやってる最中です。やらされてるって感じじゃなくてみんなで盛り上げようと明るくやってます」
――現状苦労していることはどのようなことですか
「選手たちはこんなに体が動かせないという経験がないので、コンディションを維持するのがすごく難しいなとは思います。練習再開できたときに体の状態がどうかなってところが難しいですね」
――これを機に新しく始めたことや計画していることはありますか
「新しく始めたことというわけではないですが、練習できるようになったときのために防球ネットだったりの設備的なところは今のうちに整えておこうという話はしています」
――通常のリーグ戦中止となってしまいましたが、選手の皆さんの反応はどうでしたか
「記録がかかってた選手たちが何人かいたので、リーグ戦ができないって判断は早かったですけど、『マジか…』って反応はありました。このような状況なので『しょうがない』という気持ちはみんなもっていましたけどね」
――報道では東都大学野球連盟で試合方式の変更やトライアウトを行う案があると出ていました
「試合方式が変わると試すってことができなくなっちゃうと思いますし初めてのことなので、戦い方は難しいなというのはあります。トライアウトに関しては大学側からも要望しています。野球で就職活動する選手もいるので、そういう選手たちを見てもらうチャンスがリーグ戦が無いと少なくなってしまいますし、そのためにも何とかできないかという中での案です」
――上級生の進路にはどのような影響が出ていたりはしますか
「社会人チームに関しては同様に大会ができていないので、選手を採用する人数だったりチームは減ってくるかもしれないというのは清水監督もおっしゃっていました。そういう面でトライアウトのような機会の大切さであったり、選手側も色んな選択肢を幅広く考えなければいけない状況だなとは思います」
▲今年度主将を務める牧秀悟(商4)
――自粛前を振り返って、チームの状態はどうでしたか
「キャンプのオープン戦は全勝で戻ってきたんですけど、まだ本調子という感じではなくて。後半になるにつれて牧秀悟(主将、商4)がすごく調子上げてきたのと、投手陣も1年生の岩本大地(法)と石田裕太郎(経)の2人が結果を残していましたし、後藤茂基(商3)の調子がもっと上がってくればリーグ戦しっかり戦えるぞという感じではありましたね」
――今年のチームの特徴や強みはどんなところでしょうか
「去年もどちらかというと打線のチームという印象だったんですけど、今年はさらに磨きがかかったと思います。雰囲気もめちゃくちゃいいですよ(笑)。清水監督が今年で就任4年目なんですけど、『上下関係を緩和していこう』というのは自分たちが1年生の時からずっとおっしゃっていました。下級生がやりやすい環境を作ることで部内の競争も激しくなるし、心のケアもできるだろうからということで、『上下関係は必要最低限でプレー面ではそういうのはいらないから』ということが実現できている結果だと思います。あとは牧が主将で、副将がそれをしっかりサポートしてまとめてくれているというのも大きいですかね」
――最後に、今後に向けた意気込みをお願いします
「大会がどうなるかわかりませんが、活動できる状況になったら野球ができるということに感謝して、応援してくださっている方々に希望を与えるためにも『優勝』しかないと思っています!」
――ありがとうございました。
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記事・写真:「中大スポーツ」新聞部