2021年9月11日 東京・国士舘大学多摩
残暑も去り涼しい日も増えた9月初旬。そんな中、国士舘大学多摩では開幕戦から中大ハンド部による白熱の戦いが繰り広げられ、会場は真夏さながらの熱気に包まれた。
開幕から白星を飾り順調なスタートを切った中大。強豪、明治大学を相手に前半こそ追いつかれる展開もあったが、「速攻がよく決まっていた」と実方監督が話すように、素早い攻撃で相手ディフェンスを崩し徐々に点差を広げていく。最終的には33-24で快勝し、開幕2連勝。全勝優勝を掲げる中大が、開幕戦に続きその実力を十分に示した。
▲実方監督が今年のキーマンに挙げる伊禮
先制点こそ許した中大だったが、開始1分後半には伊禮雅太(法2)が得点を挙げる。実方監督は伊禮を今年のキーマンに挙げ「すごい成長して、伊禮は出れば出るだけ活躍しますのでもっともっとリーグ戦でたくさん使ってあげてもっと上手くなってほしいと思います」と期待を寄せる。そんな新進気鋭の2年生が早速、期待に応え反撃の狼煙を上げると、さらに前半4ー8分台にかけ「ディフェンスが全体的に良くてそこから速攻に繋げられた」と話す中村翼(法4)を中心に着実に得点を積み重ねていった。もちろん攻撃だけではない。中大はディフェンスでも魅せる。「ディフェンスをずっと強化してきて、そういう意味では今日ディフェンスも良かった」(実方監督)とチームの堅い守備力が相手オフェンス陣に攻撃の隙を与えない。前半18分には見事なシュートを決め、オリンピック代表にも選出された部井久アダム(法4)が相手選手と交錯。試合が中断するアクシデントが発生するも、試合後「まだ痛みは残っているが特に問題はない」と話すように大事には至らず、攻守共に冴えわたる中大が16ー11とリードを保って前半を折り返した。
▲オリンピック日本代表に選出され自信にもなったという部井久
後半も素早い攻めが明大相手に牙を剥く。後半開始早々に前半と同じく伊禮が得点を決めると、中村翼、蔦谷大雅(法3)も続き優位に試合を進める。後半23分には、守備からの速攻、細かなパス回しからワンタッチで繋ぎ最後は中村翼が決めるなど高い技術力とチーム力を見せ、試合を決定付けた。後半25分には途中出場の上山陽平(総2)が決め、ゴール後には独特のパフォーマンスを披露しチームを盛り上げる。「今日は出番ないかなと思ったんですが最後に出してもらったので絶対決めるぞって気持ちでがんばりました。(ゴール後のパフォーマンスは)チームの元気柱なんで盛り上げようと頑張りました」と話す上山。選手層の厚さ、さらにはチームの雰囲気の良さを存分に示した中大はその後も危なげなく試合を進め、32ー24で快勝。開幕2連勝で、全勝優勝に一歩近付く形となった。
▲ゴール後に独特のパフォーマンスでチームを盛り上げる上山
◆試合結果◆
〇中大32(16ー11、16-13)24明大●
◆コメント◆
実方監督
「初戦は硬くなっちゃうので入りは思ったよりだったんですが、自力の差があるので少しずつ点差をつけて行って今日は二戦目で固さも取れて、うちが5ー1でリードして入りはすごく良かったです。その後追いつかれたんだけど、昨日からすごく冷静にプレーしてくれて、着実に点数を重ねて全体的に楽なゲームになったかなと思います。ディフェンスをずと強化してきて、そういう意味では今日ディフェンスも良かったですし、守った後の速攻も速かったです。まだデータは見てないんですけど相当速攻で点を取ったと思うので、それがこの点差になったと思います」
中村翼選手
──自身の活躍はどうみているか
「70点くらい。もう少しオフェンスの判断がよかったら自分の中で点数も上がると思います。他のみんなが結構サポートしてくれて気持ちよくプレーできた」
──ジークスター東京(プロ)での活動について
「ジークでしているときは日本代表の選手達が周りにいて見てるだけで勉強になって、一つ一つのプレーだったり判断だったり目線だったり学生とはやっぱりレベルが違うので自分の中でプラスになってます。逆にそれを今度僕が大学に落とし込んで日本一を取らないとだめだと思います。」
──日体大戦にむけて
「大学の中でも一番走るスピードがある。みんなで声かけて走り負けないようにディフェンスして、いつもどおりこっちから仕掛けて楽に試合を進めたい」
部井久アダム選手
──今日の試合を振り返って
「明治大学、凄いいいチームなんで厳しい試合になると思ったんですけどみんながいい働きできたのでいい勝ち方ができたと思います。」
──オリンピックを通して得たことや感じたこと
「レベルが高く結構厳しい大会だったんですが目標としている所に出れたというのは自信にもなりますし、成長した部分が出せた大会ではあったので自分自身、今までになかった自信とか余裕が出せるような大会になったかなと思います」
──開幕2連勝スタート、チームとしてまたは自身で好調の要因
「僕は、オリンピックに出てたこともあって春からチームを離れていたんですけどまだ一緒に練習して1週間、2週間ちょっとでもう少し時間経てば試合にも、もっと出るようになると思うんですけどそんな中でも自分のやるべき仕事を与えてもらってるのでチームのプラスになれるように、というのを考えて自分個人ではやっていきたいですし、チームとしても本当にみんながバランスよく活躍できていると思うので、練習から勝って兜の緒を締めるじゃないですけど、集中し直して、優勝目指しているんでやるべきことをやりたいと思います」
──今秋の目標
「優勝です。去年はコロナ禍で最後試合出来なかったんですけど去年も優勝しているので先輩たちに続けるように1試合1試合勝っていけるようにしたいです」
(記事:竹内賢心、写真:河辺希乃佳)