2023年11月6日 広島県立総合体育館(広島グリーンアリーナ)
令和6年度全日本学生ハンドボール選手権が広島で開幕した。4連覇を目指す中大の初戦は昨年も初戦で激突した名城大。前半はパスミスやノーマークシュートを外すなど常に2、3点ビハインドの苦しい展開も、後半は強化したディフェンスで流れを作り、逆転勝利で2回戦に進出した。
▲ボールを持つ伊禮颯雅(法3)
試合は名城大先攻で始まった。先制点を許すもすぐに長谷川惣唯(法2)のゴールで同点に追いつくとそこから泉本心(法4)、長谷川と3連続で中大が得点する。そのまま引き離したいが相手も粘りをみせ追いつかれる。試合開始10分でスコアは3-3とロースコアな展開の中、泉本に対するファウルで相手選手が2分間退場になる。与えられた7mスローを髙橋侑吾(文4)がきっちり決めスコアは4-3。今度こそ流れを掴みたい中大だが相手のディフェンスに阻まれなかなか得点できず。守備から流れに乗った名城大に4連続得点を許してしまう。GKの石田龍之介(文1)は前半を「初めてのインカレということで初戦でもあって、緊張とかであんまり自分の思うように体が動かなくて、前半は全然止められなかった」と振り返る。しかし実方監督が強化したというディフェンスが光り、何とか最小失点で留める。相手の流れを止めたい中大は髙橋に代わって入った瑞慶山充貴(法4)がシュートを決めるとその後は取って取られての展開で前半を11-14の3点ビハインドで折り返した。
▲シュートをする髙橋
前半苦しい展開で、僅差ながらもビハインドで終えた中大。しかし、後半開始早々、髙橋の相手のタイミングを外すサイドシュート、さらに長谷川が右サイドから得点しこれで1点差。そして扇谷蓮(商4)のシュートでついに同点に追いつく。攻撃に勢いを見せ始めた中でも、前半から好調のディフェンスはさらに強度を増し、相手にシュートを打たせない、堅実な守備を見せ続ける。そしてここから伊禮、泉本らの連続得点で一気に流れを引き寄せ、逆転に成功、そのまま相手を突き放す。GK石田は中盤以降、相手シュートを次々とセーブに成功し、相手の7㍍スローではGK風呂内海渡(文4)が連続でセーブに成功するなどGKの2人がチームを支える。実方監督は「やっぱり最後キーパーが取ってくれると相手の得点が伸びないんで、そこが良かったかなと思います」とGKを勝因に挙げ賞賛した。後半立て直し、本来の強さを見せた中大は後半を15-6、最終的には26-20で勝利した。
▲相手の7㍍スローをセーブした風呂内
試合後、泉本は逆転に成功した後半について「肩の力が抜けて良い感じになった」と振り返った。次戦は東海大。同じ関東1部に所属する大学同士の対決となる。
◆試合結果◆
〇中大26(11-14、15-6)20名城大●
◆コメント◆
【実方監督】
ー試合を振り返って
前半は、もう立ち上がりからパスミス、ノーマークシュート外すし、それもリーグ戦でほとんど外さない長谷川惣唯と髙橋侑吾、この2人で外しまくる。もう挙句の果てには伊禮颯雅までノーマーク外すみたいな。それで3点差なので。もうゲームメイクとしては明らかにうちの方が上だなって思いながら見ていたので、後半早い時間で逆転できるんだろうなと思いながらハーフタイムに入って、ハーフでは全国大会の一発目の前半ってこんなもんだからもう一回落ち着いて、ノーマークしっかり決めきるっていうのをやればもうさあっと離れていくからっていう話をして後半スタートして、後半もう6分で同点に追いついて、これで離れるなって思ったんですけど、まあ3点差ぐらいで一回止まりながら、でも後半はノーマックちゃんと決めてくれたので最終的には6点差ついて、いいゲームができたなっていうのが一つと、失点がめちゃくちゃ少なかったじゃないですか。だからディフェンスあれだけ頑張ったっていうのが大きいです。秋リーグ終わってからディフェンスがすごいうち進化してるんですよ。すごい良くなってので、それがしっかり今日出せたんでね。攻撃面ではあの前半はもうダメダメでしたけど、シュート外すけど、でもその前半のディフェンスも、悪くなかったし、後半はさらにディフェンスが良くなって本当後半点取られてないですよ。そこのディフェンスが勝因かなっていうところと、やっぱり石田龍之介は1年生なのにあれだけ取るっていうのは大きいです。乗ると手がつけられない。今日前半はいまいち乗らなかったんですよ。でも後半はもうノリノリ状態。石田龍之介タイムみたいになっちゃったんで。あれも大きかったですね。一応キーパーは7人目のディフェンスって言われるんで、やっぱり最後キーパー取ってくれると相手の得点が伸びないんで、そこも良かったかなと思います。