11月30日 東京武道館
中大剣道部女子が創部以来初の準優勝に輝いた。選手層の強化を始めて3年目となる今年は、昨年度1年生ながらインカレ団体戦を経験した2年生3名と、強力な1年生4名を加えての出場。初戦から相手チームに1勝も与えない圧倒的な強さで勝ち進み、新人戦では初となる決勝の舞台に立った。
▲表彰式後の選手たち
国士大に破れ惜しくも優勝は逃したが、今年度最後となる公式戦を創部初の快挙で締めくくる。
シードだった中大は、1回戦目を勝ち上がってきた淑徳大と対戦。今大会主将としてチームを引っ張った時田利瑚(経2)が先鋒として二本勝ちで勢いづけると、その後全選手が二本勝ち。危なげなく初戦を突破した。
3回戦目の相手は鎌倉女大。この試合で次鋒として起用された橋本京佳(経1)は引きドウとメンで確実に勝利する。結果はまたしても5ー0と圧勝。ここまでの2試合を全選手が二本勝ちする驚異的な強さを見せつけていた。
▲全試合全勝でチームに貢献した時田
続く4回戦目も勢いそのままに平成国際大に5ー0で勝利し、昨年覇者の明大と準々決勝で当たることになった。
先鋒の佐竹蘭(商1)が引き分けると、次鋒として出場した時田が引きメンで勝利し、大きな1勝をもたらす。その後、中堅の坂口未優(商2)が引き分けで回し、ここで勝負強さを発揮したのが副将の小川燦(経2)だ。ドウで先取した後、相手に技を返され本数が並んだものの、再び技を奪い中大の勝利を確定づけて見せた。
▲長身を生かして上段の構えをとる小川
チームの勝負はついている大将戦ではあったが、大将・諸岡温子(経1)は、今年のインカレで準優勝を果たし、中村女子学園高時代の一つ上の先輩でもある山崎(明大)を相手に、ドウを決めて勝利を収めた。
迎えた準決勝。東洋大と約15分の延長戦の末勝ち上がってきた法大と対戦。試合は、時田、坂口、小川の2年生選手が勝ち星を重ね、またも大将戦を待たずして勝負を決めた。
▲メンに飛び込む坂口
ここまで中大は相手チームに1勝も与えていない。中大剣道部女子にとって創部初となる決勝の舞台に、圧倒的な強さを見せて上がってきた。
決勝は国士大との対戦。先陣を切って中大を勢いづけたのが主将の時田だ。試合開始の合図とともに蹲踞から立ち上がった時田は相手のメンに対し華麗な返しドウを放つ。初太刀で取った一本を最後まで守り切り、一本勝ちで勝利を収めた。
▲初の公式戦で負けなしの活躍をした佐竹
続く次鋒の佐竹が引き分けて依然リードをする展開だったが、中堅・坂口が相手に二本取られてしまう。ここまで全試合で勝利を収めてきた小川も、相手に先に一本を取られ、そのあと返したものの再び相手のコテが決まり、勝者数1-2、本数2-4で大将戦に回った。
大将・諸岡は、相手に一本も取られることなく二本勝ちを収められれば、代表者戦に持ち込める状況。一本一本全力で技を出していった諸岡の戦いぶりに、会場全体の視線が集まる。
▲果敢に攻め続ける諸岡
試合時間も残りわずかとなったところで、相手に攻め続けた諸岡が何とか一本を奪った。その後、この流れで二本目を取りたいところだったが、技の起こりを見抜いた続木(国士大)が出ゴテを放ち、無念にもこの時点で国士大の勝利が決まった。
試合終了の合図が鳴り大将戦は引き分け。惜しくも優勝とはならなかった。
今年の関東インカレでは1回戦目に法大とあたり、代表者戦の末敗れた中大はインカレ出場を逃している。その分、関東インカレ後からは新人戦に焦点を当てて練習を積んできた。
「準優勝という結果でとても悔しいですが、自分たち的には楽しめたし次につながる試合だった」と主将の時田は振り返る。
▲試合後悔しい表情を見せる選手たち。来年は笑顔が見たい
10月のインカレで連覇を果たした男子に注目が集まる中大だが、女子剣士の今後の活躍にも一層期待が高まる結果だったと言える。
大学1年次にインカレ個人で3位に入賞している中野佳央里(商3)や、中野と揃って大学1年次、2年次に個人でインカレ出場を果たした浅野茉莉亜(商3)たちにとって来年は集大成の年だ。
今回証明した選手層の厚さを生かし、来年、男子と共にアベックでインカレを制覇する女子剣士たちの姿に期待したい。
◆コメント◆
時田利瑚(経2=筑紫台高)
ーー今大会のチームの目標は
1年生が大将だったりして、絶対的大将みたいな人がいないので、誰かに回すとか頼るとかではなく、みんなで一本を取りに行こうという感じで挑みました。
ーー時田選手は本日全勝の活躍ですが
後ろが1年生だし、1・2年のチームだから自分が上の立場なので、誰かに頼るではなく自分が取って勝ちにつなげたいなと思っていました。
ーー関東インカレ後からのチームの雰囲気
関カレ後に、次は新人戦に向けてという雰囲気になっていました。
ーー練習は1、2年生が中心で?
先輩たちも5人くらいしかいないので、自分たちのサポートというか、一緒に稽古をしてアドバイスをもらったりしました。
ーー今日の結果と試合を振り返って
結果的に見たら準優勝でとても悔しかったんですけど、自分たち的には楽しめたし次につながる試合だったと思います。
ーー今後の目標は
男子は日本一になって、女子はこれから伝統とか作っていかなければならないと思っているので、日本一目指して頑張ります。
◆試合結果◆
決勝
●中大1ー2国士大◯
時田 ドー 上甲
佐竹 × 川村
坂口 ードコ 瀬川
小川 メーココ 樋口
諸岡 メーコ 続木
準決勝
○中大3ー0法大●
時田 メー 野川
佐竹 × 根来
坂口 メー 榎本
小川 メー 津守
諸岡 × 髙城
準々決勝
○中大3ー0明大●
佐竹 × 矢崎
時田 メー 松田
坂口 × 桜井
小川 ドメード 菊川
諸岡 ド ー 山﨑
4回戦
○中大5ー0平成国際大●
時田 メー 川井
佐竹 メメー 清水
坂口 メメー 宗田
諸岡 コドー 東海林
小川 メー 佐藤
3回戦
○中大5ー0鎌倉女大●
時田 メメー 貝沼
橋本京佳(経1)ドメー家鍋
小川 メメー 黒田
諸岡 メメー 池上
坂口 メメード 飯嶋
2回戦
○中大5ー0淑徳大●
時田利瑚(経2)メドー後藤
佐竹蘭(商1)メメーコ 佐々木
坂口未優(商2)メメー森川
小川燦(経2)メメー 越川
諸岡温子(経1)メメ- 三堀
1回戦
中大シード
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部