2024年11月24日 中大グラウンド
今季のリーグは大混戦。最終戦の結果次第では、上位5校に入れ替え戦進出の可能性があった。暫定1位であった中大も、勝利が入れ替え戦進出への絶対条件。中大は、先制点こそ白鷗大に許したものの、終始主導権を握り、41点差勝利。2部1位通過し、入れ替え戦進出を果たした。
先制点は白鷗大。試合開始6分、ラインアウトから押し込まれ、トライを許してしまう。しかし、失点は想定内。選手たちは落ち着いていた。横へ横へとパスを回し、ディフェンスを引き離す。迫中一斗(文2)はキックでパスを出し、中大はトライのチャンス。惜しくもボールは白鷗大の手に渡り、得点にはつながらなかったが、ここから、中大の怒涛の反撃が始まる。
▲体を張ってチャンスをつくった中島翔(文1)
まず、中島が、白鷗大がキックでボールを蹴り出そうとしたところを、体を張って止める。中島の気合いのこもったプレーによって、中大は敵陣5mでペナルティを獲得。クイックスタート(ボールを軽く蹴ってスタート)すると、野村幹太(法3)のパスを受け取った加藤玄(商4)がねじ込むようにしてトライに成功した。吉田晃己(法1)もキックを成功させ、試合を振り出しに戻す。
▲反撃の狼煙となったトライに成功した加藤
追加点はわずか3分後。千葉央貴(経3)が白鷗大ディフェンスが追いつく前に、山﨑祥希(経4)に素早くパスを回し、山﨑もディフェンスを1枚かわすと、迫中にパス。迫中が持ち前の脚力で大きく前進し、最後はオフロードパス(タックルを受けながら味方にボールをつなぐパス)を受け取った千葉がトライした。
▲ディフェンスを振り切ってトライした千葉
さらに、息の合ったパス回しでペナルティを誘い、敵陣22m付近でスクラムのチャンスを得ると、大竹幹太(文4)からパスを受けた須田龍之介(法2)が縦横無尽にコートを駆け、次々とディフェンスをかわし、トライに成功。
▲トライ後満面の笑みを浮かべる須田
前半終盤、幾度とないアタックで、白鷗大にゴールラインに迫られるも、タックルで応戦。キックでクリアすると、形勢反転する。敵陣22メートル付近で再びペナルティを獲得すると、今度はショットを選択。3本連続コンバージョンゴールを成功させてきた吉田晃が、キックを成功させた。中大は勝利に向けて上々の滑り出しをみせた。
▲正確なショットを繰り出す吉田晃
後半も中大の勢いは止まらない。後半開始2分、敵陣5メートル付近でペナルティを獲得すると、吉田晃がクイックスタート。アタックを継続し、最後は吉田晃が走り切ってトライに成功する。追加点は4分後。白鷗大のパスを奪うと、山﨑、大竹、山﨑と連携プレーで前進。山﨑はディフェンスに足元をつかまれながらも、体をひねってトライ。
▲フィジカルの強さを見せトライに成功した山﨑
さらに4分後、ラインアウトから光安喬平(法4)が持ち出し、俊足の須田がビックゲイン。サポートについていた野村へと繋ぎ、野村は勢いそのままトライに成功した。
▲ゴールエリアに飛び込んだ野村
後半開始14分、白鷗大にトライを許し、白鷗大がボールを保有する時間が長くなっても、中大は「耐えよう」と声をかけ合い、流れは渡さない。再び中大が攻勢に転ずると、後半開始25分、敵陣5メートル付近のスクラムから、野村、須田、水野拓(文4)とつなぎ、最後はタックル受け体勢を崩しながらも島崎聖弥(経2)がトライする。
▲ゴールラインまで走り切った島崎
極めつけには、試合時間残り5分、大竹が相手のパスを奪うと、最後は水野が笑みを浮かべながらダイブ。中大は、41点差と白鴎大を圧倒して見事勝利。2部降格以降、あと一歩で届かなかった、念願の入れ替え戦への進出を決めた。
▲勝利して笑顔を浮かべるメンバーたち
入れ替え戦の相手は昨年2部で対戦した関東学院大。前回大会では敗北したものの、点差は3点。勝機はある。リベンジを果たし、1部昇格という悲願達成となるか。中大の勇姿を見届けたい。
◆試合結果◆
〇中大 55(24-7、31-7)14 白鴎大●
◆コメント◆
選手名 山﨑祥希主将(経4)、加藤玄(商4)
ー入れ替え戦進出を決めた今の心境
加藤
「やっぱり自分たちが1年生の時に1部から2部に降格して以来の入れ替え戦なので、思い入れという部分でも強いですし、絶対に負けられない戦いになると思うので、ここからまた気合出して頑張っていきたいと思います」
ー今日の試合を振り返って
加藤
「自分たちの陣地でプレーする時間が長くて、苦しい時間帯もあったんですけど、 チームメイト、山﨑キャプテンはじめ団結してそこを乗り越えてボーナスポイントを取って勝てたのは非常に喜ばしいことだと思います」
山﨑主将
「絶対きつい場面というのは来るなと思っていたので、そこは用意してたオプションじゃないですけど、想定だったので。そこからチャンスであれば攻められる時に攻めて点数を取るというプランで考えていたので、本当にゲームプラン通りになったなというのはあります」
ー先制点を許した後の立て直しについて
加藤
「やっぱりトライ取られたところでも、祥希が言ってましたけど、想定していた範囲だったので、そこでしっかり自分たちで 持ち直すことができたっていうのは大きいと思います」
ー試合前に取り組んだことや試合前の心境
加藤
「やっぱり試合前、自分たちもいつも通りの準備はしてたんですけど、そこでメンバー外の4年生だったり、メンバーに入れなかった選手たちが精神的にも肉体的にも非常に支えてくれて、そこでいい準備ができたのがこの結果に繋がったかなと思っています」
山﨑主将
「本当に負けるという想定は僕らはしてなかったので、もう自分たちのことをやれば絶対に勝てる、 勝ってボーナス点を取れるという思いもあったので、本当にそれが体現できたなっていうのが今日の試合でした」
ー入れ替え戦に向けてチームとしてさらにレベルアップするために取り組んでいきたいことは
山﨑主将
「まだペナルティーがちょっと多いので、もう1回ペナルティーは無くして、攻める時に攻めて自分たちで点数を取るというのをやれば絶対勝てると思うので、僕らが1年生の時に1部降格したので、 僕らの代で1部上がって、来年度から1部でやってもらいたいなという思いがあるので、絶対1部に上がって帰ってきます」
ー入れ替え戦への意気込み
加藤
「自分たちは1部でプレーすることはできないんですけど、ここで後輩たちのために残せるものって1部昇格だと思うので、気合入れて頑張っていきます」
山﨑主将
「本当に1部っていう最後のお土産を持って引退しようと思っているので、絶対1部上がって帰ってきます」
◆お知らせ◆
次戦は12月15日(日)に熊谷ラグビー場で行われる対関東学院大戦です。
(記事:福田菜緒、写真:井口縁、篠原ひなた)
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