10月6日 ダイドードリンコアイスアリーナ
いよいよ迎えたリーグ1巡目最終戦。対戦相手はここ数年で勝てない試合が増えた東洋大。第1ピリオド序盤に3点連続で失点し、中大は早くも追い込められてしまう。しかし後半にかけるにつれじわじわと追い上げ、ついに試合終了25秒前、植森脩太郎(法4)のシュートしたパックが見事にゴールを突き刺し、4-4の同点に追いつく。勝敗はGWS(ゲームウィニングショット)へと持ち越されたが、ここでも決着がつかずサドンデスへ。なかなか勝負がつかない中、またも植森のショットが決定打となり中大の勝利が決まった。
▲試合後笑顔を浮かべる選手たち
〈第1ピリオド〉
第1ピリオドは5分、早くも試合が動いた。東洋大に左から攻め上がられるとそのまま痛い先制点を決められてしまう。まだ1点。そんな気持ちに付け込まれたか、わずか1分後、交代のタイミングで出遅れたディフェンス陣の隙を突かれて2失点目を喫してしまう。以前から立ち上がりを課題として挙げてきた中大だったが、今試合でも弱点を突かれる形となってしまった。ここから反撃を試みるもかみ合わず、7分、リンク中央付近で相手オフェンスにパックを奪われるとキーパー合田聖(経4)と1対1に。止め切れず、痛恨の3点目を許してしまった。すかさずタイムアウトを取った中大。「浮足立つな、リセットしよう」(八戸監督)と選手たちの冷静さを取り戻そうとした。試合再開後も中大の劣勢は変わらず守備に徹する展開となったが、合田のナイスセーブやディフェンス陣の堅い守りによって追加点は免れた。攻撃では13分、アタッキングゾーンまでパックを運ぶとパス回しから最後は植森がシュート。パックは相手キーパーの間をすり抜け、うれしい1点目が決まった。その後は両者の攻防戦が続くも点は決まらず、1-3で第1ピリオドを終えた。
〈第2ピリオド〉
第2ピリオド開始間もなく、東洋大のペナルティが重なり5人対3人と数的有利な状況に。じっくりと試合を組み立て確実に点を取りに行こうとするも、チャンスを掴めず得点にはつなげられなかった。しかし徐々にペースを掴み始めた中大。冷静なボディチェックや各々の役割を果たすなど本来の強い中大を取り戻し、13分にはようやく2点目が決まった。豪快なゴールに逆転の兆しも見え始め、客席も盛り上がりを見せる。しかし第2ピリオドではこれ以上相手のゴールを割ることができず、勝負を最終ピリオドへつなげた。
▲得点に喜び抱き合う選手たち
〈第3ピリオド〉
3-2の1点ビハインドで迎えた最終ピリオド。ここから20分間で逆転を狙っていきたいところ。走り出しから積極的に攻撃を仕掛け、チャンスも多く作っていた。しかし3分に中大がペナルティを取られ一人少ない状況になると、東洋大のオフェンス陣が動いた。全力でピンチを乗り切り、ようやく反撃を開始しようとするもなかなか波に乗れない。合田の好セーブによりなんとか抑えていたが、ついに12分、最悪の事態が起きる。ディフェンスゾーンでパックを回す東洋大に最後はゴール正面からシュートを打たれ、まさかの失点。東洋大の応援席は沸き、中大の応援席には重々しい空気が流れた。しかし選手たちは諦めていなかった。ベンチでは「同点じゃなくて、逆転しよう」(阿部翼主将・総4)と話していたという。そして試合時間残り2分、切江蓮(総4)がゴール前でシュートモーションに入りゴールを狙うかと思われたが、左にいた中村宗史(総2)にパス。意表を突かれた相手キーパーは反応できず、中村の打ったパックはゴールを突き刺した。1点取り返し、あと1点で同点に追い付くという状況の中、時間は刻々と進んだ。そして残り25秒。パックをキープしていた矢島翔吾(総2)が植森にパスを出し、植森がシュート。パックはゴールへと吸い込まれ、ゴールネットを揺らした。植森の見事な同点ゴールに大歓声が沸き上がり、応援席は大熱気に包まれた。
▲合田の好セーブに何度も客席が沸いた
〈GWS〉
60分間で決着がつかなかったため、試合はGWSの措置が取られた。中大からは矢島、植森、齊藤大知(法4)の3人が選ばれた。先攻は中大。矢島、植森がショットを成功させると東洋大も二人がショットを成功させ、ここでも決着がつかず勝負はサドンデスへと持ち込まれる。サドンデスでは東洋大が先攻となり、東洋大が決めると中大も決め、中大が外すと東洋大も外す、というシーソーゲームが続いた。そしてついには11人目にまで達する大混戦に。中大11人目となったのは植森。東洋大の11人目のショットを合田が止めたため、ここで決めれば勝利が確定するという状況の中ホイッスルが鳴り、植森が走り出す。ゴール間際までパックを運び、キーパーの隙を縫う形で見事にショットが決まる。長い長い戦いにようやく終止符が打たれ、選手たちは安どの表情を浮かべた。
▲今試合3得点を挙げた植森のGWS
中大の底力を見せつける一戦となった。「今日は無理だと思っていたので、よく勝てた。最後だから、ホッケーを楽しんでやっていた。」(植森)。試合後にヒーローはこう振り返る。そして最後にゴールを守り切った影のヒーローは、「チームのみんなにありがとうと言いたい。3失点してからはこれ以上は失点できないと思ってた。自分の仕事はできたのかなと思う」(合田)と自信のセーブに対してこう語った。4年生の活躍が光り、今後のリーグ2巡目に向けても期待が高まる。目指すのはもちろん優勝。ここからは文字通りの「負けられない戦い」が始まる。一戦も落としてはならないがっけっぷちから、自力で這い上がり栄光を掴み取ることができるか。ますます中大から目が離せない。
▼試合結果
○中大5(1-3,1-0,2-1,1-0)4東洋大●
次戦は10月13日(土)ダイドードリンコアイスアリーナにて法大との戦いです。ぜひ会場に足をお運びください!
写真・記事:「中大スポーツ」新聞部