2021年11月18~23日 神奈川県・相模湾
学生のみならず、プロのセーラーも出場する全日本470級ヨット選手権が相模湾で行われた。先日インカレを終えたばかりの中大からは、小西健治(経4・芦屋)・有田功樹(商1・山口県立光)ペアが出場した。小西・有田ペアは85艇中総合8位、学生では1位という結果を収め、来年の8月にハンガリーにて開催される24歳未満の世界選手権「470 Junior World Championship」への出場権を獲得した。
今回はペア歴3か月にして世界選手権への切符をつかみ取った二人のインタビューをお届けします!
▲有田(写真左)・小西(写真右)ペア。小西は社会人として働きながら世界選手権に出場する
ーどのような気持ちでレースに臨みましたか
(有田)自分は小西さんと9月ぐらいから一緒に乗り始めて、まだ2~3ヶ月程度しか乗っていなかったんですけど、一番濃い時間を一緒に乗れた先輩でもあったので、最後はいろんな意味でいい結果で楽しく終われたらいいなという気持ちで臨みました。メダルレースという憧れの舞台に出たいっていう思いはあったんですけど、正直世界選手権に出るということはあまり考えていませんでした。
(小西)この大会を迎える前に、全日本学生選手権ヨット個人選手権と団体戦(通称:インカレ)があったので、団体戦のところでピークを持って行きたいなと思っていてんですけど、結局団体総合5位という結果に終わってしまいました。目標の優勝に届かず、すごく悔しい思いをしていたので、こ全日本選手権では学生でトップを取って、プロの人たちにも絡んで爪痕を残したいなと思っていました。
ーレースを振り返ってみて
(有田)今回は自分たちが得意な風向やコンディションでレース展開が進めたのがまず一つですね。あとは、ずっと練習してきた葉山でレースができたということは、その他の場所から来てたチームに比べて少しアドバンテージがあったのかなっていうのがまずあります。その中でレースをしながら少しずつ成長して、課題を克服できたのが良かったのだと思います。
(小西)今回良かったところとしては、先ほど有田も言ってたことで、風の傾向が僕らのいつも練習していたところということで、練習通りにレースを組み立てたのかなと思います。特に初日の第1レース目は風が弱い不安定の中でのレースだったんですけど、その中でも最初に4位で終えたことで、その後落ち着いてレース展開ができたのだと思います。ただ、プロの人たちと走っていく中でオートスピードや追っての風に差を感じたのでそこが課題ですね。だから、ここを少しでも詰めて世界選手権に挑めればと思います。
ー自分たちのストロングポイントはどういったところでしょうか。
(有田)小西さんはすごく頼れる人なので、自分はしっかりすべき事に集中できてます。逆に順位が悪かったり、小西さんが少し調子が悪かったりしたときはそこを自分が補っていきたいと思ってます。常に自分が今意識すべきことが明確にできているところと、仲の良さがいいいところですね。
(小西)ペアを組んで浅いっていうのもありますし、周りの選手に比べてヨット歴も浅い2人が乗るってことなので、吸収力はどこよりもあるのかなと思います。なので1レース1レースしっかり分析して反省して、同じミスをしない、むしろいいレースを少しずつミスを減らして、いい順位をとっていけるような展開ができるというのが強みなんじゃないかなと思います。
ー仲が良いとありましたが、お互いはどのような存在ですか
(有田)ヨット歴も年齢も小西さんが先輩なので、頼れる存在であるというのは 間違いないなと思います。それは陸でも海でも同じですね。特に海は情報がものすごく多くあるけど、その情報を的確に頭に入れるのは案外難しくて、多いから混乱するし、必要な情報だけをキャッチするのが難しいんですけど、必要なところだけを頭に入れているのがすごいと思います。あとは陸でも同じなんですけど、無駄なことが少なくて、しっかり必要なことに集中してできる環境を作ってくれるというのが小西さんの良いところだと思っています。
(小西)一番は気持ちが強い思いが強いというところですね。僕の方がヨット歴が長いので指摘したりすることもすごく多かったと思うんですけど、その中でもしっかり食らいついてきてくれて、なおかつ雰囲気もしっかり盛り上げてくれるので、年齢や競技歴の差を埋めてくれたんだと思います。それは気持ちの強さと明るい性格があったからこそなんだと思いますね。
ー競技歴のお話がありましたが、お二人がヨットを始めた時期やきっかけを教えてください
(有田)自分は高校からヨットを始めましたので、競技歴は4年弱ぐらいになります。中学校まで野球をやってたんですけど怪我をしてしまい、ほかのスポーツをしようというふうになって、たまたまヨット部があって珍しいなと思って入ったら結果的にのめりこむ形になりました。
(小西)僕も高校からヨットを始めたので今年で7年目ということになります。 最初からヨットに興味があったというわけではなくて、入った高校でマリンスポーツがあるのが珍しいなぐらいのノリで仮入部体験に行ってみたらすごく面白かったので始めました。特に身体だけでなく頭を使って乗らないといけないところに惹かれました。あとは、部活動の雰囲気がすごく良かった点ですね。和気あいあいとしつつもメリハリがあり、インターハイを目指している環境だったので入部しました。
ー最後に今回の世界選手権に向けての意気込みをお願いします!
(有田)自分は技術とかも含めてすべてが100点だなとは一つも思ってないので少しでも近づいて、プロや海外の選手に少しでも食らいついていく思いで、これから半年間やって行きたいです。なので、この半年の間でステップアップした形で本番に臨みたいと思います。
(小西)世界選手権出るからにはメダルを狙いたいなとは思っております。僕にとっては最後のチャレンジになるので、結果を求めて行きたいんですけど、それまでのプロセスもこれまで以上に妥協なくしっかりと全力を出し切って、大会に挑むっていうことが一番大事だなと思っています。それで結果的にメダルが取れれば一番いいなというふうに思っていますので、有田と大会までの8カ月間ぐらいを全力で走り切っていきたいと思います!
▲大会は当初香川県で開催される予定だったが、コロナウィルス感染拡大の影響で急遽葉山港で行われることになった。普段の練習場所で大会ができたのも結果に大きく繋がったと小西は振り返る。
◆お知らせ◆
世界ジュニア選手権は来年の8月にハンガリーで行われる予定です。
(記事:鈴木佐和、写真提供:ヨット部・小西健治選手)
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