9月28日 早大所沢野球場
先週から中大の試合がスタートした秋リーグ。初戦は白星を飾ったが、苦しい試合運びとなった。それから一週間、選手たちは課題を見つめ、練習に励んできた。そうして迎えたこの日は学習院大、国士大とのダブルヘッダー。体力的にも厳しい日程となったが、1勝1敗と踏ん張った。
学習院大戦
9時から行われた第1試合では学習院大と対戦。学習院大は先週、強豪・早大を相手に健闘し接戦へと持ち込んだ難敵だ。「気を抜けない相手」(増田尚弥主将・文3)と最大の警戒し臨んだ一戦となったが、6-0のスコアで快勝した。
今回の先発はエース・歳川幹大(経3)。歳川は先週まで全日本男子選抜チームに選出され、インドネシアに渡っていたが早くも実戦に復帰した。歳川は初回を無失点で切り抜ける順調な立ち上がりを見せると、中大は2回表に好機を作る。5番・増田主将が左前安打を放つと、続く西村健佑(理工2)も同じく左前安打でチャンスを広げる。しかし、7番の金森聖(文3)が三振に打ち取られ、1死一、二塁となる中、8番の大原悠斗(文3)が粘った末に死球を与えられ出塁。1死満塁で9番・高橋智己(商2)の内野ゴロで1点を先制した。
▲「大きなミスなく良かった」と松永監督もその好投を称えた歳川
3回表には道祖土拓真(商3)と歳川の中軸が四球を選ぶ。そして、2死一、二塁で西村が打席に立った。西村が放った打球は二塁手の正面と思われたが、捕球に相手がもたつき、その間に道祖土拓が生還。さらに1点を追加した。
しかし、その後すぐにピンチが訪れる。内野ゴロの送球ミスと足を使った攻撃、そして四球が絡み無死満塁に。そんな中、歳川が二者連続三振を奪いチームを鼓舞する。最後は二塁手が捕球してこの回を0点で切り抜けた。
4回は両チーム無得点で迎えた5回の攻撃。1死一塁で増田主将が3球目を捉え、適時三塁打を放ち3点目を奪った。その後、二死満塁とチャンスを広げた中大はさらに押し出しで得点を重ねた。
▲拳を掲げて仲間の声援に応える増田主将
歳川が5、6回を三者凡退に抑える快投を見せると、それに応えるように打線が7回にも奮起。西村の痛烈な二塁打と、代打の道祖土直人(文1)も安打で出塁。道祖土直は盗塁も決めるなど、代打の役割をしっかりと果たす活躍を見せた。無死二、三塁で大原が高々とした犠打を放つと、高橋も同様に犠打で走者を帰し2点を追加した中大。投げては歳川の完封勝ちで秋リーグ2勝目を飾った。「コツコツと点を取れたのが良かった」(松永監督)。試合を変える大きな一撃はなかったものの、緻密な野球で白星を勝ち取った。
国士大戦
13時からは国士大との試合がスタート。第一試合の疲労が残る中で勝利を目指したが、3-1で敗戦。1点の重みを痛感した試合となった。
2回までは打線がつながらず、両チームともに無得点。そんな中、試合が動いたのは3回裏だった。学習院大戦から連投していた歳川が先頭打者に二遊間を抜かれると、その後四球と左前二塁打を浴び1死満塁に。内野ゴロの間に1点を奪われ、先制点を許した。
4回表には中大が道祖土拓と歳川、増田主将の3年生トリオで無死満塁の好機を作る。ここで打順が回ってきた西村はなんとか1点をもぎ取りたいところだったが、打球は二塁手の正面へ。なおも1死満塁で登場したのは先週の学芸大戦で本塁打を放った金森。しかし、金森と続く大原が邪飛と中飛に倒れ無念の攻撃終了。「ノーアウト満塁で点が入らなかったのが全て」と増田主将は悔しさをにじませた。
5回には強烈な中越適時二塁打、6回に本塁打を浴びそれぞれ1点を許した中大。6回裏終了時に0-3と3点のビハインドで7回の攻撃へと臨んだ。このままでは終われない中大は大原が安打で出塁すると、高橋が中越安打を放ち無死1、2塁とチャンスを拡大する。しかし、その後の打者が続けず2死一、二塁で迎えた打者は道祖土拓。道祖土は5球目を振り抜き、セカンドベースの上を越える適時打で1点を返した。「最後に長打が打てれば良かった」(道祖土拓)。終盤に見せ場を作るも2点の差を埋めることはできなかった。
▲7回表に1点を返す適時打を放った道祖土拓
「上位でチャンスは作れたが、下位で点が取れないと厳しい」(松永監督)。下位打線の厚みを増すことが今後の課題だと指揮官はいう。インカレを終え、3年生以下の選手たちで戦わなければならない中大にとって、その課題の改善は急務だ。若いチームのさらなる成長を期待する中、次戦の相手はインカレ準優勝を果たした早大。「どういう試合になるかわからないけど楽しみ。どう戦えば勝てるのかを考えてやりたい」と増田主将は語る。計り知れない伸びしろを秘めているこのチームの今後に夢を膨らませたいところだ。
▲エースとキャプテンとしてチームをけん引する歳川(左)と増田(右)
◆試合結果◆
第1試合
チーム 123 456 7=計
中大 011 020 2=6
学習院大 000 000 0=0
第3試合
チーム 123 456 7=計
中大 000 000 1=1
国士大 001 011 ☓=3
◆お知らせ◆
次戦は29日、同会場にて9時から行われる早大戦に臨みます
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部