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ペナルティーシュートアウトに及んだ接戦勝ち切れず連敗。上位リーグ進出崖っぷちに。―2024年度関東学生水球リーグ戦 対慶大

2024年5月19日 神奈川県・慶応義塾大学日吉キャンパス

連敗は避けたい中大の2戦目の相手は、4月に行われた6大学対抗戦で敗北を喫している慶大。「自分たちの水球が全くできてない結果の負けでしたので、いかに自分たちのペースに持ち込むかが大切だった」(藤林佳聖・文2)とこの試合に挑んだが、ペナルティーシュートアウトの末惜しくも敗北した。

第1ピリオド(以下P)、中大が主導権を握り、慶大を圧倒する。「六大学の練習試合で、ダブルスコアで負けてしまったので、勝ち切る気持ち、また今の自分がどこまでできるのかを試すつもりで挑みました」と語った藤林が先制点を挙げる。このプレーについて「とにかく自分たちのペースを作れる流れを持ってこれたと感じました」と振り返った。その後、期待のオールラウンダー鈴木海斗(文1)が立て続けに得点しチームを勢いづける。さらに、吉村光貴(文3)が慶大のディフェンスに阻まれながらもループシュートを決め点差を広げる。足の負傷後初の公式戦となったこの試合に「絶対に負けるもんかという気持ち」で挑んだ安田康太郎(文2)は、「(本来の力の)60-70%は出せていた」と語ったように、慶大に得点を許さず、4ー0で第2Pを迎えた。

▲先制点を挙げた藤林

このまま中大のペースで試合が運ばれると思われた第2P。自身のプレーを「80点」と評価した好調の安田が連続で慶大のシュートをセーブするも、相手のペナルティーシュートによってとうとう失点してしまう。流れを渡したくない中大であったが、藤林、鈴木、久保田啓友(文1)らが積極的に攻めるも得点にはつながらず、反対に慶大に追加点を許してしまう。第2P終盤、対早大戦で5得点を挙げた佐賀慶(経1)がなんとか得点し、5-3で折り返した。

▲好セーブを連発した安田

第3Pは慶大の勢いに押される展開となった。慶大が得点し1点差に迫られる中、中大は鈴木、久保田の神奈川工コンビ、佐賀、飯島颯大(文1)の1年生コンビがシュートを狙うもパスがつながらず決定機を作り出せない。一方で、慶大はタイムアウト後のプレーで決め切り、同点に追いついた。会場に慶大を応援する声が響き渡る中、慶大はさらに調子を上げて得点し、中大は逆転されてしまう。第3P終盤、慶大選手の退水で数的有利な状況になるも、チャンスを掴めず、1点を追うかたちで最終第4Pを迎えた。

第4P、慶大が連続で得点し差を広げられるも、吉村が本日2点目となるシュートを決め、食らいついていく。これ以上の失点は避けたい中大は、慶大のペナルティースローという大ピンチに、安田が見事なセーブでしのぎ、チームを鼓舞する。その安田の活躍に呼応するように藤林が得点し1点差に。中大は最後のチャンスに、タイムアウトを取り、「追いつける流れだったのととにかく落ち着く事」(藤林)を話し合い、勝負に出る。西森郁未(文4)を投入して攻撃の体制を整え、6人全員で攻撃を仕掛けた。「佐賀を信頼してるので決めてくれると思っていました」(藤林)チームメイトから頼られている佐賀が見事にシュートを決め同点に追いつく。慶大も6人全員で攻撃を仕掛けてきたが、「止めないと負けが確定してしまう場面だったので、何としても止めるという気持ちでした」と語った安田が守り切り、ペナルティーシュートアウトで決着をつけることとなった。

運命のペナルティーシュートアウト。中大は佐賀、飯島、鈴木、森田晃輝(文3)、藤林が挑んだ。佐賀、飯島は落ち着いてシュートを決めるが慶大も譲らない。続く鈴木はキーパーに阻まれてしまう。一方でキーパーの活躍によって流れを引き寄せた慶大はシュートを決める。追い込まれた中大。なんとしても得点したい4番手の森田はゴールの右下を狙ったものの、枠を捉えることはできなかった。慶大がシュートを決めれば敗北が決定してしまう危機的な状況で魅せたのは西森。シュートを止め望みをつないだ。託された5番手の藤林であったが、集中力を増した慶大キーパーの守りを破ることはできず、中大は惜しくも敗北した。

対早大戦と同様、第3Pで逆転を許し敗北している中大。試合後、藤林は「自分たちのペースが守れなかったのが全てだと思います。中心選手の森田選手が、2つ退水が付いている状況で試合に出れなかったのでそれも痛手だったと思います。次回からは、(第3Pは)重要なピリオドなので、慎重に最悪同点までに抑えたいと思います」と反省点を口にし、「声かけ、どの選手を入れるかをしっかり考えてもっと丁寧に攻めたいと思います」語った。次戦の対日大戦に向けて藤林は「日中戦ということもあるので、絶対に負けたくありません。今までの改善を活かして、自分たちの流れを大切に、周りから楽しまれるプレーをしたいと思います」と、安田は「(西森と安田の)どちらがスタメンで、自分は出ないかもしれませんが、勝つしかないので、全員でチームを盛り上げ勝ち切ります」と意気込んだ。

何とか1勝し、流れに乗りたい中大。前回大会3位の意地を見せられるか期待したい。

◆試合結果◆

●中大10(4ー0、1ー3、0ー3、3ー2、2ー3)11慶大〇

 

(記事:福田菜緒、写真:琴寄由佳梨)

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