2025年7月19日 東京・駒沢オリンピック公園補助球技場
7月上旬より開催されている関東学生ラクロスリーグ戦は19日、日大との第2試合が行われた。第1試合の早大戦は一時リードをする展開も後半に逆転を許し敗北を喫する。3年連続のファイナル4に向けて一敗も許されない状況の中、前半こそ5点ビハインドの苦しい展開であったが、長峰和奏主将(総4)を筆頭に中大らしいオフェンスが復活。同点まで追いつき次戦以降に望みをつないだ。
松平紗弥(商2)の先制点から始まった試合は1クオーター(以下、Q)、序盤から流れを手繰り寄せようと笠原光莉(法4)が相手にプレッシャーをかける積極的なディフェンスを見せるも、ボール保持ができない厳しい状況に。中盤に2得点を連取されると、すかさず河瀨柚花(商3)もファールで得た好機から得点を奪取。2対2で2Qへ。
▲得点力が光った松平
中大ボールから始まった2Qであったが、ここから日大に試合を支配される時間が続くこととなる。コートを広く使う巧みなパスワークやフリーシュートを落とさない相手の猛攻を前に、2点3点と徐々に差が開き始める。それに対して長峰らの得点で必死に食い下がるも、3Q終了時には5点ビハインド。「最初は本当にやばいなと思って、本当に一瞬諦めかけていた」。守りの軸としてとしてチームを支えてきた笠原をもそう口にするほど、チームのムードは落ちていたことは明白であった。
▲笠原は貪欲にグラウンドボールを拾い、攻撃につなげた
しかしながら、4Q開始直後から中大は息を吹き返す。長峰が右から左サイドへ鋭く切り込んでゴールを決めると、松平もそれに続こうと中央突破を試みる。徐々に観客席の声にも活気が戻り、それに呼応するかのように流れが中大に傾くと、ファールでつかんだチャンスから松平が開始2分、6分で連続で得点を挙げる。「自分のところでボールを奪えるチャンスがあれば積極的に狙うようにはしていた」。豊島花梨副主将(経4)が述べた通り、佐上楓(経2)や笠原らとの献身的なディフェンスを起点として、急激に勢いが増してきた中大陣地は攻撃の手を緩めず、開始10分には青木優希(総4)が絶妙なポジショニングから得点。ついに1点差にまで追いつくこととなる。そして極めつけは残り90秒、長峰が冷静にコートを見渡したかと思うと、左サイドから風のようなスピードでゴールの正面まで迫り、値千金のゴールを決めた。その後は両軍無得点で同点におわったものの、ファイナル4へ望みをつなぐ奮闘を見せた。
▲佐上㊧と豊島㊨のダブルチームで流れを手繰り寄せた
▲長峰迫真のシュート
試合を終えて率直な感想を笠原に問うと、「最終的には勝ちきれなかったんですけど、引退とまではいかずに首の皮一枚つながったので、最後4Qの初めから追いついたのは自分たちの力が発揮できたのかなと思います」と安どの様子を見せた。しかしながら、依然として負けは一つも許されない状況。次戦に向けては、「夏合宿を経て何倍も成長して帰ってきて、1Qから点差をつけて安心して見られるような試合にしたい」と表情を引き締めた。
引退がかかった今試合は序盤、中大らしい勢いを発揮することができなかったが、終盤では最上級生らを中心に困難に打ち「克」ち、乗り「超」える気持ちを体現する様子を垣間見ることができた。夏合宿を経て彼女らはどのような進化を遂げるのだろうか。期待せずにはいられない。
◆試合結果◆
中大9-9日大(2-2・2-5・4-9・9-9)
◆コメント◆
笠原光莉(法4)
──今試合前半リードされていた中で後半追い上げて引き分けという形となりましたが、率直な感想をお願いします
そうですね、最初本当はやばいなって思って、一瞬諦めかけたんですけど、自分たちが守ってつないだボールを後半からオフェンスが決めてくれたから、そこでどんどん気持ちも上げていって、こっちもディフェンスも奪いに行くことができたので、最終的には勝ちきれなかったんですけど、引退とまではいかずに首の皮一枚つながったので、最後4Qの初めから追いついたのは自分たちの力が発揮できたのかなと思います
──結構グラウンドボール取りに行ったりとか、ダブルチーム仕掛けたりとか積極的な姿勢を感じたのですが、そこはチームとしても意識していたところなのでしょうか
そうですね、チームとしても負けていたというのもあるので、そこは奪わないといけないので、チームとしても声をかけていたというのと、個人としてもグラウンドボールの取り合いで負けないように、自分が取りに行くって気持ちでやっていました
──その中でご自身の役割はどのように振り返られますか
全体としては100点ではないんですけど、自分の中では最後のドローでコーチから頼むよと言われて、そこで取ることができたので良かったと思います
──次戦に向けて一言お願いします
次は明治学院大学さんとの試合だと思うので、夏合宿を経て自分たちも何倍も成長して帰ってきて、1Qから点差をつけて安心して見られるような試合にしたいと思います
豊島花梨(経4)
──中々今日の試合苦しい状況が続いたと思いますが、副キャプテンとして意識されたことはありますか
試合中の前向きな声掛けであったり、諦めないで前を向こうっていう声掛けは試合のQ間であったりとか、試合中もみんなが下を向きがちだったところを次もう一本いこうとか、意識してやるようにはしていました
──一プレイヤーとしてのご自身の活躍はどのように振り返られますか
今日はクリアに関して、ボールを消極的にならずに前へ運べたというところは自分にとって良いところだったのかなっていうところと、ワンに関してもしっかり守り切ることができたのは自分のよいところだったかなと思います
──結構プレスを掛けに行っていたように見えたが、ご自身の中では得意とされていたのか
そうですね、ミディーが強い相手だったので、なるべくアタックのところでプレッシャーをかけて、自分のところでボールを奪えるチャンスがあれば積極的に狙うようにはしていました
──次戦に向けて反省点、生かしていきたい点がありましたらお願いします
今回4Qからは前向きにプレッシャーかけることはできたんですけど、1Qからできなかったので、もうちょっとダブルで行く、ディフェンスを上げて守るっていうところを次の夏合宿でみんなでできるようにして、ハイプレッシャーなディフェンスっていうところを次戦できたらというふうに思います
◆お知らせ◆
次戦は8月16日(土)に中央大学多摩キャンパスラグビー場で行われる対明学大戦です。
(記事:日向野芯、写真:大日方惠和)
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