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21年ぶり全カレ総合入賞を振り返る!ーヨット部特集2021 Vol.1

今年の全日本インカレで21年ぶりに総合入賞を果たした中大ヨット部。しかし、他の部活動とは違い練習拠点がキャンパスから離れていることもあり、日々の活動について多くは知られていないだろう。そこで今回は5名の選手に、インカレの総括からヨットの魅力、日ごろの練習まで語っていただいたインタビューを3回にわたってお届けします。
第1回の今回は先月行われた「第86回 全日本学生ヨット選手権大会」について振り返っていただきました!

※この取材は12月11日にZOOMにて行われたものです

◇参加者◇

(左上)佐々木謙(主将・SNIPEスキッパー・法4・逗子開成)

(右上)阿部智也(SNIPEクルー・総4・東洋)

(左下)梅野真紗⼦(470スキッパー・商2・山口県立光)

(中央下)井上洋輔(SNIPEクルー・理4・福岡大大濠)

(右下)岡⽥⼤治(新主将・470スキッパー・文3・藤沢総合)

 

—インカレを迎えるにあたってどのような気持ちで臨んできましたか。また、インカレまでに取り組んできたことを教えてください

(佐々木)2年連続で全国7位という結果に終わっていることを踏まえ、この1年間インカレに標準を合わせてやってきたので、いつも通りのセーリングをすることを心がけていました。コロナ禍で全日本個人選手権も延期になったため、今回が全員で戦う最後の大会だったので当然予想通りにはいかないと想定していました。できることはあまり多くはなかったですが、これまでやってきて来たことに責任をもってやろうということを意識してました。

 

(阿部)僕は最後の年だったので、絶対目標は達成してやりたいなと思って、この一年間活動してきました。意識してきたこととしては、今年のヨット部では情報を積極的に共有して開示して行きたいと思っていました。昨年までは技術的なことも個々が心の中に収めて、共有をしないことが多く、それが結果が出ない要因の一つなのかなというのを感じていました。でも今年は後輩たちから積極的に情報を発信してくれたので、結果もそれなりについてきたのかなと考えています。

 

(井上)自分も個人としては最後のインカレだったということもあり、主将の佐々木が「全日本優勝」という言葉を常に一年間言い続けたので、自分もそれについていこう、何としても達成してやろうという気持ちで挑みました。チームとしては、阿部が言ってた通り、今までは技術や行動の面は個人に任せるという場面が多かったんですけど、今年は一人ひとりが明確な役割を持って、レースで何も問題が起こらないようにして、優勝をしっかり自分たちの実力を出し切って達成できるようにというレースへの準備ができたかなと思います。

 

(岡田)4年生との最後の大会というのもあって、自分が1学年下として何ができるかというのを考えたときに、大きな大会や団体戦では、メンタル的にやられたり、焦ったりして普段通りの実力が出せないというのが課題としてありました。そのため、3年生がしっかり後輩のサポートやメンタルケアというのをして、4年生や下級生がのびのびと出来ればと考えていました。そのためにも今年一年間、自分がどんどんチーム作りに関わっていくということを意識してやってきました。

 

(梅野)チーム目標が「全日本優勝」ということで優勝を目指して取り組んできました。インカレではサポートメンバーとして初めて裏方に徹しましたが、選手への情報共有などを積極的にすることができたのかなと思います。

 

 

—インカレを終えた今の率直な感想

(佐々木)感想としては悔しさと嬉しさが半々といった感じですね。悔しさの方に関しては、もちろん優勝という目標が達成できなかったこともそうなんですけど、レースで納得できる走りがあまりできなかったことですね。秋頃から走れないことが多く、その原因を発見するのに苦労しました。結局原因が完全には分からないまま全日本を迎えたんですけど、全日本は団体戦なので、チームとして目標を達成できればいいかなと思っていました。ですが終わってみれば、21年ぶりに全日本総合入賞ができたという嬉しさがありました。個人として納得のいくように走れなかったとしても、自分の走った分が全体のポイントに反映されるし、そういった面でチームに貢献するという達成感を得られることができたと思っています。

 

(阿部)僕は悔しさもありつつ、安心したところもあるなという感じですかね。悔しさっていう面で言えば、関東の秋インカレから全日本になるまで、470級に助けられた部分があって。470級が結構走ってくれたから、その分スナイプの成績があまりよくなくても、総合的にはある程度の位置で終わることができたのかなと思ってて。自分はスナイプを乗っていたんですけど、あまりいいタイムを出せなかったっていうのは結構悔しかったところですね。安堵というところで言うと、今まで21年間ぐらい過去の先輩方が達成できなかった総合入賞をまずはクリアできたというのが、個人的には嬉しいところです。もちろん優勝を達成できなかった悔しさはあるんですけど、先輩たちが成し遂げられなかったものを自分たちの代で成し遂げることができたのですごく良かったなって振り返ってみて思います。

 

(井上)自分もほっとした気持ちが一番強いです。それ以外の感情はどうしても湧きにくいってところがあって。まず優勝はできなかったのでその悔しさもあるはずなんですけど、それよりも入賞できてよかったなっていう気持ちがあって。悔しさと嬉しさがぶつかってあんまり湧いてこないんですけど、とりあえず21年ぶりの総合入賞ができたし、その一員に自分もなれたし、チームとしても「総合優勝」に向けて新しい一歩を進めるなと思ったので、その点でよかったなという安心した気持ちもあるという感じですね。

 

(岡田)皆さんが言ってるような感じなんですけど、優勝を狙って目指していてこの結果に終わってしまったということは越えられない大きな壁だったんだなと思うんですけど、(入賞をして)一歩進めたっていうことは本当に大きなことで、来年の自分たちの代に繋がるので安心もしますし、喜ばしいことではあります。けれど、やっぱり個人としてチームの足を引っ張ってしまったという気持ちがあって。そう考えると、結構プラスマイナスのマイナスに行くような気持ちにはなってしまうかなと思ってます。ただ、嬉しかった気持ちもあるのでちょっと複雑です。

 

(梅野)21年ぶりに総合入賞ができて嬉しい気持ちです。あとは他大学の女子プレーヤーが走っている姿を見て、もっと自分も頑張ろうっていう気持ちになりました。

 

—(佐々木・阿部・井上)四年間の競技生活を振り返って学んだこと、大変だったことは何でしょうか
(佐々木)大変だったことはいっぱいあるんですけど、この一年をまとめると主将をやったこともあり、大変なことも学びも多かったです。情報の共有やチーム力の強化は、自分が下級生のころにはなかった。個人戦では結果を残せるけど団体戦では結果を残せないという壁を作ってしまっていたというチーム事情がありました。僕の代になってからは、「チームのために」という組織力を植え付けていきました。そう言った組織力を作っていくことを達成できたと思っているので、その面で学びが多かったと思います。

 

(阿部)僕も大変なことだらけだったんですけど(笑)僕は大学から始めたので周りに置いていかれないようにというのは4年間常に意識していました。チームで言うと、入学したばかりの中大は個人主義であったし、みんなが同じ方向を向いていなかったというのは1年生ながら感じていました。組織の中でどうやって人を動かしていくかということをすごい学べましたし、基本的なことではありますが、諦めないことの大切さも学べたので、この4年間は良い期間だと思っています。

 

(井上)僕は大学に入るまで部活動に所属したことがなかったので団体で行動することの難しさを感じましたね。周りの様子を見つつ自分の仕事も進めることや、意見がぶつかったときにどう相手を説得するかというのはとても苦労しました。4年間で学んだことは、コミュニケーションの大切さです。思ったことを口にしないで自分で処理することが多かたのですが、口でにした方が意外と解決しやすかったり、1の感覚で聞いたことが100になって返ってきたことがあったりしたのでコミュニケーションは大事なんだと思いました。

▲一番右から阿部、井上、佐々木。4年間をともに戦い抜いた。

 

第2回目はヨットの魅力について語っていただきます。次回もお楽しみに!

(記事・構成:鈴木佐和、写真提供:中央大学ヨット部)

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