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ヨットの魅力を伝えたい!!ーヨット部特集2021 Vol.2

今年の全日本インカレで21年ぶりに総合入賞を果たした中大ヨット部。しかし、他の部活動とは違い活動拠点がキャンパスから離れていることなどもあり、日々の活動についてあまり多くは知られていないだろう。そこで今回は5名の選手に、インカレの総括からヨットの魅力や日ごろの活動まで語っていただいたインタビューを3回にわたってお届けします。第2回の今回は選手のみなさんがヨットを始めたきっかけ、学業との両立についてお話していただきました。

※この取材は12月11日にZOOMにて行われたものです

 

▲佐々木謙主将(法4・逗子開成)※写真左

ーいつから、なぜヨットを始めたのか、中大ヨット部を選んだ理由を教えてください。

(佐々木)自分は大学からヨットを始めました。高校までは全国大会を目指して本気でサッカーをやっていました。でもそれを達成することはできなかったので、大学でもサッカーを続けようと思い、中大のサッカー部やサークル、社会人のサッカーチームなど色々な練習会にも行きました。今までは全国っていう目標がサッカーを熱中させていたんですけど、サッカーじゃなくてもこの熱はあるなっていうふうに思ったのと、サッカーで培ってきたコミュニケーション力や継続力が他のスポーツでも活かせるのだとしたら、それは自分が成長できるんじゃないかなって思ったのがきっかけです。
ヨットというスポーツ自体は、自分の高校にヨット部があったので知っていました。そこで、たまたま誘われた試乗会に行ってみると楽しかったし、全国という舞台で戦えるなと。サッカーとはかけ離れているし、個人競技の面が強いのでそういった競技でいかに団体として勝つかというのにも興味があって始めた感じですかね。

 

▲阿部智也(総4・東洋)

(阿部)僕も中学は陸上、高校はテニスをやっていて、大学からヨットを始めました。理由は3つぐらいあって。もともと体育会に入ろうと思ってコミュニティ探しをていました。その中でもヨット部は先輩が優しくてアットホームな感じで、「人」に惹かれたのが1つ目です。2つ目はヨットという競技自体にすごく惹かれたことですね。そもそも海で活動すること自体、普通に生きていたら経験できないですし、自然を相手にするので予測不可能なことが起きたりするんですけど、それもすごい楽しいなって思ったことですね。最後は、未経験からでも全国の舞台で戦えることですね。自分はすごい平凡な人間で平凡な人生を送ってきて全国という大舞台で何かしらの活動をしたことがなかったので、そこにすごく惹かれたというのが理由ですかね。

 

▲梅野真紗子(商2・光)※写真右

(梅野)私は高校からヨット始めました。始めた理由は、試乗体験会に参加した時にまず最初の楽しいなって感じたからです。あとは部活の雰囲気だったりとか、人柄の良さですね。中学まではテニス部だったんですけど、珍しいスポーツをしたいなと思ってヨットを選びました。

 

▲井上洋輔(理4・福岡大大濠)※写真左

(井上)自分はこの中で一番最初にヨットを始めたと思うんですけど、小学3年生から始めました。もともと父親がヨットを大学からやってまして、当時僕は何もスポーツやってなかったので連れられて、そのままヨットクラブに入る流れになりました。
ヨットが好きだったので、ちゃんとした実力のある大学に入りたいなと思って、一般受験をしました。受かった中でも強くて、勉強も一番あってるかなと思ったので中大に入ったという感じです。

 

▲岡田大治(文3・藤沢総合)

(岡田)自分は小学4年生からヨット始めました。理由としては両親が海関係の学校を卒業していたので、その関係で海のスポーツをやってみないかっていうので出会ったのがヨットでした。初めて体験に行った時にハマってしまって、それからもう12年ぐらいやっていますね。大学まで続けようっていうのは、正直その頃は考えてなかったんですけど、いつも大会であと少しのところで逃してしまうみたいのが多くて、もう一回、もう一回というふうに続けていたら、大学まで進んできた感じですね。大学を入るにあたっても、中大に進んだ中学のヨットクラブの先輩に「お前も来いよ」と声をかけていただいたので、中学を卒業する頃には、中央大学に入りたいというふうには思っていました。

 

ーヨットの魅力、ヨット部に入って良かったことはありますか

(佐々木)まず一つ目は全国に仲間ができることです。海という1つのフィールドを繰り返しているということで、ほかの競技と比べたら、そんなに大学が多いわけではなくて。関東の大学だと、練習でほとんど毎日顔合わせますし、全国でも毎年のように交流があるので、そういうのは他のスポーツではあまりないのかと思います。二つ目は、先程阿部も言ってましたけど、初心者でも全国の舞台で戦えるっていうところですね。これは賛否両論があるかもしれないけど、自分が中大ヨット部に入った時にスポーツ推薦の多さにすごくビビったというか。当時は9割ぐらいがスポーツ推薦で、一般生は5人ぐらいしかいない感じで。ヨットは経験がものを言うスポーツなので、ここで本当に初心者が始められるのって当時は思ったんですけど、逆にスポーツ推薦という高い壁が常に近くにいるってことがむしろ嬉しかったというか。
もし大学から初めた自分が一番活躍したらめちゃくちゃかっこいいじゃんと思いましたね。
三つ目は海運会社に就職するんですけど、もしヨット部に入ってなかったらその後の人生がかなり変わってたと思うし、海とも出会っていなかったので、僕の人生に大きな影響を与えてくれたっていうことですね。

 

(阿部)ヨットの魅力は二つあると思っています。一つ目は大学から入部した人でも活躍できるというところですね。先ほども少し話しているんですけど、未経験者でも全国の舞台で戦えるっていうのもすごく魅力的ですし。私大だとスポーツ推薦の割合が高いんですけど、国立大だと全員大学から始めた人で構成されているところもあって。大学から始めた人でも、その人の努力次第で、経験者よりも上手くなれる可能性があるスポーツですね。例えば、 京都大学は全員大学から始めていて、僕たちよりもいい成績を収めていますし、そういったところで、未経験からでも活躍できるっていうのが魅力的なところだと思います。二つ目は、競技面のところで言うと、自然を相手にするってところが一番楽しいのかなと思っています。海で活動するんで、風を浴びながらヨットを走らせるのはすごく楽しいですし、毎日同じような風が同じ方角から同じ強さから吹くわけじゃないんで、そういったこと色々考えながら競い合うのが楽しいのが魅力ですね。
ヨット部に入って良かったことは、貴重な経験や出会いができたことですね。貴重な経験でいえば、ヨットというスポーツ自体はとても貴重なのでとても面白いですし、貴重な出会いでいうと、4年間同じ目標に向かっての切磋琢磨してきた仲間に出会えたことはとても貴重な財産になったので、本当に入ってよかったなって思います。

 

(梅野)ヨットの魅力は2つあって、一つ目が男子の中でも女子が活躍できるスポーツだということです。もう一つは自然を相手にするスポーツであるため、誰にでも1位がとれるチャンスがあるのが魅力だなって思いました。入って良かったことは、他県や他大学の友達が増えたことだと思います。

 

(井上)ヨットの魅力はよく聞かれるんですけど、自分としては海の感じとか、風の吹いている感じがちょうど心地よくてずっと続けられるのかなと思います。中大ヨット部の魅力としては、未知のトップレベルの選手と一緒に活動ができるっていうところですね。大学のスポーツになるとスポーツ推薦の人がほとんどで、例えばサッカー部や野球部とかはセレクションが多く、一般生が入りにくいというのが現状だと思うんですけど、ヨット部は一般生も、インターハイで入賞や優勝をしているような選手もいて、そういう人たちと一緒に努力次第で戦えるっていうのはすごくいいところかなと思います。どの道でもトップの人と一緒に何かをやったりとか、トップを目指すというのはなかなか出来ないので、そこがいいかなと思います。
あともう1つはすごく環境が揃ってるなと思います。合宿所もおそらく関東圏で一番綺麗で大きいし、合宿所生活も苦なく生活できます。また、OBの方々の協力ですごく綺麗な船や備品が揃っていて、道具の面でアドバンテージになっているのでとても感謝しています。

 

(岡田)ヨットの魅力なんですけど、井上先輩と同じで12年間ヨットしかやってこなかったので、他のスポーツと比べてっていうのは難しいんですけど(笑)やっぱり思うのは、この言い方はほかのスポーツに対してちょっと失礼かもしれないけど、例えば野球やサッカーだと体格がなきゃいけないっていうのがあると思うんです。でもヨットはフィジカル面、テクニック面、頭脳面の3つの中でどれかが人より劣っていても、どれか1つがあれば、あとは努力次第でいくらでもカバーできるし、トップに行ける っていうのが一番の魅力かなと思います。自分も身長が低いので、中学時代ヨットと並行してバスケットボールを少しやっていた時期があったのですが、身長が高い人に勝てなかったっていうのがあったんですね。でも、ヨットは自由度が高いですし、一般生が勝てるっていうのはそこなんじゃないかなと思いますね。
例えば風を読む力は経験も大事だと思うんですけど、頭で考えられる方が強いと思います。だからそういった面で、どんどん自分の長所を活かせるスポーツではあるかなと思います。
あとは友達が増えますね。結構いろんな場所に行くので、いろんな県に友達ができて。いざ遊ぶってなった時とか、どっか旅行に行くってなったときとかに「泊めてよ」みたいのができるのは、やっぱ全国幅でいつも練習しているならではと思います(笑)
中大ヨット部の一番いいところは、いい意味で意見が言えることですね。まあ、悪い意味でちょっと緩いのかな?(笑)先輩方が優しいので、ある程度は意見が通るというか、部活を変えていけるというのは魅力かなと思います。井上さんも言っていましたけど、合宿所は結構自由で、部屋を改造したりもできるので、自由度は中大ヨット部の魅力かなと思います。

 

ー部活がある日の一日の流れ、学業との両立について教えてください。

(佐々木)部活は基本的に授業がある期間は土日だけで、金曜の夜に合宿所に集合して、日曜の夜に解散するという感じですね。一部の人は土曜日に授業があったりするので、その人は学業を優先する感じです。授業のない期間は1ヶ月半~2ヶ月くらい合宿所で活動をします。普段できない練習ができる分、長期休みの間は かなりハードな合宿になると思います。今年は週6日で3ヶ月間合宿をするということをしていて、火曜日がオフで水曜日から月曜日まで合宿をしました。 これだけ聞くと結構ハードなんですけど、途中でオフを入れたりするなど色々工夫しながらストレスフリーになるよう心掛けてきました。練習拠点は葉山ですが、自分は実家から合宿所に行って、授業があるときは大学に行ってという感じですね。
授業との両立はできると思います。平日は活動がないし、テスト期間も休みなのでちゃんと勉強すればできるかなと思います。

 

(阿部)大学がある期間は部活は土日だけなので、学業とめちゃくちゃ両立しやすいし、普通にやっていれば問題なく卒業できると思います。平日は基本フリーなので、遊んだりアルバイトしたりすることもできるのでプライベートの時間も確保できる部活なのかなって思います。

 

(梅野)自分は葉山の合宿所からキャンパスに通っています。ただ、コロナウイルスの流行もありまして 今は週一回しかいってないのでそこは何とかなってるって感じです。学業との両立については平日は部活がないので、勉強したり、あとは友達をできるだけ多く作ったりしているという感じですね。

 

(井上)部活の流れについてはだいたい先に言ってくれたので、自分は省略するんですけど。自分がひとつ大変だなと思ったのが、合宿所までは片道2時間半ぐらいまでかかって、交通費も往復で2000円くらいかかるんで、そこの負担ですかね。他にももっと遠いところから片道2000円ぐらいかけて来る部員もいます。ただ、週に一回というのが救いなのかなと思います。
自分は理工学部なのでその立場から考えると、理系は体育会部員が少ないし、単純に勉強が忙しいですね。あとキャンパスが別っていうことも大きいかなと思います。ほとんどの部活は多摩キャンパスで練習をするので、授業が終わった後に(後楽園キャンパスから)多摩キャンパスに毎日通わなきゃいけないんですが、ヨット部はそういうことがないので理系の人も入りやすいのかなと思います。
両立は確かにできると思うんですけど、プラスアルファをやりたいとか資格を取りたいとか明確な目標がないと、部活はどうしても時間が取られるので厳しいかなと思います。自分も一年生のうちからビジョンをもってしっかり勉強してればよかったなっていうのはあります。理系はどうしてもやることが多く、合宿所に勉強を持ち込んでいました。 周りが遊んでいても、それに流されずに我慢して勉強してましたね。

 

(岡田)自分は教職を取っていて、来年には教育実習にも行きます。結局はその人の性格次第なのかなと思います。自分は夏休みの宿題とかを後にやるタイプなので(笑)溜まってる時はすごく忙しいときもありますが、両立ができないということではないかと思いますね。

 

第2回もお楽しみいただけましたでしょうか?最終回では、部員による他己紹介新一年生に向けたメッセージをいただきました!個性が強いヨット部の一面が垣間見えます!次回もお楽しみに!

 

 

(記事・構成:鈴木佐和、写真提供:中央大学ヨット部)

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