9月3日に開幕を迎える東都大学野球秋季リーグ戦。中大の春季リーグ戦は最下位で入れ替え戦に進むなど苦汁をなめるシーズンとなった。この秋のリーグ戦での中大優勝の鍵とは? 今春の成績を基に分析する。
【硬式野球部担当=為谷楓太】
<破壊力抜群の打線>
春はチーム打率が.279でリーグトップ。チーム長打率も.362で青学大に次いで2位であり、リーグ屈指の打線であることは間違いない。打線の軸は何といっても森下翔太(商4=東海大相模)北村恵吾(商4=近江)の4年生コンビ。打点は森下と北村でチーム全体の打点の約半分を占めており、森下はこの春3本塁打を記録するなど相手チームにとっても脅威である。また、森下は侍ジャパン日本代表合宿での骨折による離脱が不安視されたが、驚異的な回復で実戦復帰しており、開幕へ問題なさそうだ。
▲勝負のラストシーズンに挑む北村(左)と森下(右)
1年次から出場を重ねる中前祐也(法3=浦和学院)、石井巧(文3=作新学院)もここぞという場面での勝負強さを発揮するなど秋も打線のキーマンとなる。怪我で春こそ出場機会がなかったもののしぶといバッティングの光る櫻井亨佑(商2=習志野)、バッティングセンスの高い佐藤豪(経1=藤代)らが打線に加われば相手にとって更なる恐怖となるだろう。
▲繁永、皆川も1年生ながら十分の成績を叩き出した
<苦戦した投手陣>
この春は何といっても西舘勇陽(法3=花巻東)の好投が光ったシーズンだった。防御率はリーグ2位の1.91をマークするなどポテンシャルを存分に発揮。入れ替え戦では過去のリーグ戦ではなかった先発での登板も経験し、オープン戦でも先発の起用が増えたことを踏まえると秋のリーグ戦も先発での登板は考えられる。
▲勝利を喜ぶ西舘(中央)と石田裕(右)
一方で昨秋最優秀防御率を獲得した石田裕太郎(経3=静清)はなかなか調子が上がらず、昨秋まであまり登板機会のなかった岩本大地(法3=石岡第一)も自身の力を発揮できたとは言えない結果になった。左ピッチャーに関しては山口謙作(商1=上田西)が2/3回投げただけであり、昨年に続き左腕不足に悩まされることに。この秋は昨春ベンチ入りの経験がある岩城颯空(商1=富山商業)が登録メンバー入りしており、左腕不足のチームの救世主となるか。岩城に注目していきたい。
チーム防御率は3.92でリーグワーストであったが、この春怪我で登板機会のなかった大栄陽斗(商3=仙台育英)が戦線に復帰。本人も「100%に近いところまで回復している」と語っており、頼もしい右腕が投手陣の巻き返しへ大きく貢献してくれるだろう。
▲三奈木も1年生ながら7試合に登板。秋も好投に期待だ
<優勝への鍵とは>
他大と比較しても中大は打率、長打率ともにリーグトップクラスである。やはり目に付くのは防御率の低さであり、防御率の向上、すなわち投手陣の頑張りとそれを支える守備がこの秋重要になってくることは間違いない。清水監督も「春は記録に現れない、目に見えないエラーからの失点が多かった」と語っており、ディフェンス面でのミスをいかに減らせるかがこの秋の戦いでの優勝の鍵となるだろう。
▲歓喜の輪を広げるナイン
春季リーグこそ最下位に沈んだが、苦しい戦いをくぐり抜け、タフな精神力も身につけた中大ナイン。3年ぶりのリーグ制覇へ期待が高まる。