• Twitter
  • facebook
  • instagram

今季も優勝の夢消滅 6投手でつなぐも猛攻しのげず連敗―東都大学野球秋季リーグ戦 対国学大3回戦

2024年10月11日 明治神宮球場

チーム   123456789=RHE

国学大   000300012=6100

中 大   000010000=160

[国]當山、榊原-神里

[中]山口、子安、今村、三奈木、岩城、高橋蒼-綱川、野呂田

[本]〈国〉柳舘(4回3点)

◆スタメン◆

1[指]佐々木 琉生 (商2=健大高崎)

2[遊]佐藤 壱聖(経2=東日本国際大昌平)

3[左]櫻井 亨佑(商4=習志野)

4[二]繁永  晟(商3=大阪桐蔭)

5[右]皆川 岳飛(経3=前橋育英)

6[三]伊藤 櫂人(文2=大阪桐蔭)

7[一]坪井 洸之介(文3=創志学園)

8[捕]綱川 真之佑(経3=健大高崎)

9[中]橋本 航河(文1=仙台育英)

P   山口 謙作(商3=上田西)

前日まさかの逆転負けで、第3戦までもつれた国学大との戦い。悪い流れを断ち切るべく、先発マウンドには第1戦で圧巻の投球を見せた山口が上がる。上々の立ち上がりを見せるも4回、柳舘(国学大)に痛恨の3ランを浴び、追い掛ける展開に。今季ブルペンを支えてきた6人を投入する細かい継投で流れを作り、勝機を見出したい中大打線だったが、思うようにランナーを進められない。代打新妻恭介(文1=浜松開誠館)のタイムリーで何とか1点を取るも反撃ここまで。後半は追加点も奪われ6-1で国学大に完敗。勝ち点を獲得することはできなかった。この敗北でリーグ優勝の可能性が完全消滅となってしまった。

中1日での登板となった先発の山口は、ランナーを許すも要所を締め、3回まで無失点ピッチングを続ける。


▲130㌔台後半のボールで上々の立ち上がりを見せた山口

ゲームが動いたのは4回表・国学大の攻撃。四球とヒットで2死一、三塁のピンチとなり今季打率が1割を下回る不振に陥っていたドラフト候補・柳舘(国学大)との勝負となる。山口の投じた初球、インコース高め、137㌔のボールをライトスタンドに運ばれた。先制3点本塁打を許し、追いかける苦しい展開となる。


▲唖然とした表情で打球を見つめる山口

清水監督は細かい継投策に打って出る。ピンチを背負うと失点をする前に次の投手へとスイッチをしていく。これが功を奏し、子安秀弥(経1=東海大相模)と今村拓哉(文4=関東第一)が見事な火消し。中大に流れを持ってくる。


▲前日6回1/3を投げぬいた今村が連投となるも好リリーフ

援護したい打線は5回、2死から伊藤櫂が左二塁打を放ってチャンスメイク。続いて代打が送られ、打席には新妻。初球を左中間へ運び、ランナーが生還して1点を返した。代打的中、大学初打点となった新妻は両手を高く上げ、喜びをあらわにした。


▲大学初打点を記録し、両手を高く上げる新妻

6回表、中大は守備でもチームを盛り立てる。指名打者・石野(国学大)の放った三遊間への鋭い打球に三塁手伊藤櫂が横っ飛びで追いつき、すぐさま一塁へ正確な送球してアウトにした。流れを手繰り寄せるべく、選手は全力を尽くす。

8回表、今村が1死三塁のピンチを背負い、三奈木亜星(商3=浦和学院)が登板。しかし、4番仲村(国学大)にタイムリーを浴び、1点を追加される。続いてマウンドを託されたのは今季9試合目の登板となる岩城。140㌔前後のボールで相手を押し込み、ここは火消しに成功する。


▲今季9試合目の登板となった岩城

しかし、9回に岩城がタイムリーで1点、高橋蒼人(文1=帝京)が押し出し四球で1点を失い、5点を追いかける展開に中大応援席からは時折、ため息が漏れていた。

この重苦しい雰囲気を変えたのは、中央大学応援団第78代団長・小林良輔(法4)だ。「ため息を出すのではなく、グラウンドで全力を出す選手を応援するのだ!」と大声で中大応援席に一喝。団長の言葉に感化され、9回裏の攻撃応援は一味違った。応援のギアが何段階も上がり、爆音でグラウンド上の選手を鼓舞する。

選手も応援に応えようと最後の力を振り絞る。代打・武井仙太郎(商1=鎌倉学園)は大学初安打となる中安打を放ち、クリーンナップへと回す。


▲大学初安打を放った武井

続く主将・櫻井は遊ゴロとなるも、気迫のヘッドスライディングでチームを鼓舞する。1死二塁の場面で4番繁永。高めのボールに手が出て空三振となってしまう。望みは5番皆川に託された。初球を振りぬくも、打球は外野の頭を超えることができず中飛でゲームセット。勝ち点で首位に立つことができなくなり、「結勝(ゆうしょう)」の夢を叶えることができなくなってしまった。

清水監督は「今年の最初のスタートが、日大さんとやって点が取れなかったんで。そこから急に打席の方がちょっと消極的というか。ランナーが出た時に逆にチャンスがピンチになっちゃっているような状態が続いてしまったのをなかなか切り替えできなかった」と振り返った。

残りの1カードについて「優勝はなくなったということはありますけど、いろいろな選手、まだ力がある子もいますので。この1週間でしっかり練習して調子がいい子を使っていこうと思います」と新顔の起用も示唆した。今日の試合も新妻は大学初打点、武井は大学初安打、那賀球道(商1=臼杵)は大学初出場とニューフェイスの活躍も光った。

リーグ前取材で、櫻井世代に対して「優勝経験がない代になっちゃっているのでね。4年間大学卒業する中で1回くらい、優勝というのを味わせて卒業してほしいなと思います」と柔和な表情で語っていた清水監督。優勝の可能性が消滅してしまい、試合後の監督、選手の表情からは共に悔しさがにじみ出ていた。

猛暑の中で始まった秋季リーグも残すは現在首位を走る青学大とのカードのみとなった。1週間のお休みを経て最終節、「中大らしい野球」を見届けたい。

●中大 1-6国学大〇

◆お知らせ◆

次戦は10月22日(火曜日)に明治神宮球場で行われる対青学大1回戦です。

(記事:松岡明希 写真:髙梨晃世、中島遥、橋本唯花、小林陽登)

公式X(@chudaisports

Instagram(@chuspo_report