10月10日 AGFフィールド
▼スタメン
GK 1石川碧人(経3)
DF 2荒木遼太(経2)、3深澤大輝(経4)、4松本大輔(経4)、6今掛航貴(経4)
MF 阿久津諒(法4)、13曾根大和(経3)→後半24分、20三木結斗(経3)、7髙岸憲伸(文3)
FW 本間椋(経4)、42小島偉央(商3)→後半34分、26田邉光平(法1)、25山崎希一(経1)→後半43分、29矢尾板岳人(商1)
▼試合結果
中大1−1法大
雨が降りしきる中行われた後期リーグ初戦となる第12節は、今季初の有観客試合。攻撃の要である大久保を怪我で欠いての試合となったが、ボールを支配して中大ペースで試合が進む。終始押し込む場面が見られたものの、得点は奪えずにドロー。勝利を収めて効率的に勝点を積み上げたい中大にとっては、決定機を迎えただけに痛い引き分けとなってしまった。
▲スタンドに駆けつけた家族やOB・OGの前で円陣を組む中大イレブン
スタート時のシステムは4−3−3。直近のアミノ杯1回戦からスタメン4人を変更し、前期0−3で敗戦を喫している慶大に挑んだ。GKは1年生の猪越から石川に、アンカーには今季リーグ戦初スタメンの阿久津が抜擢。トップの位置には小島が、右のウイングには怪我の大久保に変わって4節以来のスタメンとなる本間が入り、「得点力不足」が課題となる前線は2枚を入れ替えてのスタートとなった。
試合は雨の影響もあってか両チームともにセーフティな入りを見せたため、序盤こそボールが収まらずに落ち着かない展開となるが、その後は中大が主導権を握って立て続けに攻撃を仕掛ける。
前半11分、深澤が自陣から右サイドの敵陣深くに精度の高いロングボールを送ると、ディフェンスラインの裏へ抜け出した本間が右足で鋭いクロスを上げる。最後はペナルティエリア中央へ走り込んだ小島がヘディングで合わせるも、ジャストミートせずに枠の左へ外れてしまう。
直後の同12分にもチャンスを迎える。ボールを受けた今掛が左サイドの敵陣深くから中盤の高岸に縦パスを入れると、一気にスピードアップ。高岸のリターンパスを受け、相手の寄せを振り切って強引にペナルティエリア左へ持ち込み、左足を振り抜く。グラウンダーの鋭いシュートが飛ぶが、精度を欠いて枠をとらえられない。
終盤にかけてやや押し込まれる場面が見られるも、J内定のセンターバックコンビ、深澤(東京V内定)と松本(鳥栖内定)を中心に安定した守備を見せ、得点を許さない。
同43分、左サイドバックの今掛が敵陣深くからグラウンダーのクロスを供給。これは相手にクリアされてしまうが、こぼれ球を拾った高岸が左サイドの敵陣中央から性格なクロスを上げる。最後は、ファーサイドでフリーの荒木が右足で合わせるも、枠の上にそれてしまう。相手が自陣に引いたことにより生まれたスペースに両サイドバックがポジショニングし、高い位置で攻撃の起点となった。
前半は決定機を作りながらも、決め切れず。スコアレスで試合を折り返す。
▲高い位置でボールを受けて縦へ運ぶ荒木
後半に入ってからもブロックを敷いてカウンターに備える慶大に対し、中大がボールを握って攻略を図る構図は変わらない。アンカーの阿久津も加わりながらディフェンスラインでボールを動かし、相手のスライドにズレが生じたところにパスを入れ、バイタルエリアへの侵入をうかがう。
後半22分には高岸がペナルティエリア手前の中央へ浮き玉のパスを供給。本間が収めて体勢を崩しながら左足でシュートを放つが、これも枠をとらえられず。ゴールの上へわずかに外れてしまう。
前がかりになってディフェンスラインと中盤の間に空いたスペースにボールが入った際には、中盤の選手が素早くプレスバック。攻撃の芽を摘み、相手のカウンターを許さない。
キックオフ時から降り続いている雨が激しさを増す中試合が進み、迎えた同47分には最後のチャンスとなる右CKを獲得。キッカーの高岸は右足のアウトスイングでクロスを上げると、中央でマークを外した松本がドンピシャのヘディングで合わせる。しかし、枠の左へ外れてしまい、会場にはどよめきの声が響く。試合はそのままスコアレスで終了。堅い守備で得点を許さなかったものの、チャンスで決め切れず。慶大と勝点1を分け合う結果となった。
▲持ち味のスピードを生かして積極的にドリブルで仕掛ける本間
中大は今節も勝点3を獲得できず、リーグ戦では2節の駒大戦以来勝利がない苦しい状態が続いている。しかし、「ピッチコンディションが悪くて自分たちの強みが出しづらい中、無失点で終えられたのは収穫だと思います」(深澤主将)と守備面では一定の手応えを感じる部分があり、この試合を含む直近3試合での複数失点はない。
ただ、敵陣に引き切った相手を崩し切れずに得点を奪えない、同じような試合展開が続いてしまっていることは否めず、佐藤監督は「我々は(決定機で)決め切れなくてこういう試合になるという現状の再確認でした。気持ちの面で闘う気持ちをもって全員がひとつになって前を向いて走り回ることしかないと思う」と試合を振り返った。攻撃の最適解を見出せるかとともに、フィニッシュの精度や気持ちを前面に押し出したプレーが今後順位を上げていくカギになりそうだ。
次節は前期リーグで1−4と大敗を喫している国士大と対戦予定。現在下位に沈む中大にとって負けられない試合であることは間違いない。中大らしいサッカーで3ポイントを奪取し、上位浮上を狙う。
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部