全国の実力者たちが集う年に1回の祭典、インカレが今年もやってくる。己の最高を目指した戦いが幕を開けようとしている中、鍛錬を積む選手たちは何を目標に、どんな思いを持って臨むのか。6部会の選手たちの声と展望を全8回の連載としてお届けする。
第3回、第4回は10年ぶりに総理大杯出場切符をつかんだサッカー部を前編、後編の2回に分けて取り上げる。今回は4年生としてチームを引っ張る猪越優惟主将(商4)、加納直樹(総4)にチームの現状と総理大臣杯への意気込みを語ってもらった。
-リーグ戦とアミノバイタル杯を振り返って
加納:リーグ戦は前期と後期の2戦を終えて順位的には1番下という現状です。それでも、トーナメントのアミノバイタル杯で総理大臣杯の切符をとれたということはポジティブに捉えていますし、今はリーグ戦中断でチーム全体としては総理大臣杯で日本一をとりにいくという気持ちで練習をしているので、日本一を目指して、その後のリーグ戦につなげていければいいかなと思います。
猪越:今までのところを終えて勝ち点7というところが自分たちの実力ですし、1部リーグの中で見たら能力も低いしチーム力も低いというのが現状だと思うので、ここでもう一回足元を見つめ直してもっと突き詰めなければいけないし、個々のレベルアップも必要だと思います。やっぱり、アミノバイタル杯はいい形で勝って総理大臣杯に出場できますけど、そこを勘違いしてはいけないというか、自分たちが弱いというところをしっかり認識した上で総理大臣杯にチャレンジャーとして向かっていくということが必要だと思うし、それが今季の残り8試合につながると思うので、もう一回謙虚にやっていきたいと思います。
-総理大臣杯に向けて個人として継続していること、課題に対して意識的に取り組んでいること
加納:個人的に取り組んでいるところはストロングのところで、前への強さであったりそういうところは試合を通して11人それぞれの役割があると思うので、自分の役割というところを継続して出していくということがチームの勝利につながっていくと思います。課題に対して取り組んでいることはヘディングのところで、中大の練習でヘディングというのはなかなか無い中で、個人練習でまた一からフォームから改善していくというところは日頃から取り組んでいるところではあります。
猪越:ビルドアップのところは強みだと思っているので、そこは継続してやっていきたいというところです。課題に対しては、失点が多いのでそこを減らすためにシュートストップやクロスボールに出るというところは個人のところの課題で、ディフェンダーと連携して守るというところも課題だと思うので、練習の中でコミュニケーションをとってやっていって、残り一週間で詰めていきたいなと思います。
-キャプテンとしてチームを引っ張ってきて、今のチーム状況や雰囲気をどのように見ているか
猪越:チーム状況は悪いと思います。最下位ですし結果が出ていないというところで、全然よくはないと思っています。その今の状況をどれだけ個人個人が分かっているのかというのが重要だと思っていて、まだいけるだろうとか危機感の薄い選手が多いなと個人的には思っているので、もっと危機感をもっていかなければならないと思います。雰囲気に関しては、普段から(加納)直樹とか(大野)篤生とかが雰囲気をつくってくれているのでそこのところは悪くないかなと、合宿も重ねてそこはより一層強くなったのかなと思います。中大の強みでもあると思うので、そこはそのままやっていきたいなと思います。
-リーグ戦第11節・筑波大戦後の「チームの状態としては悪くなく、決めきるところを突き詰めていけば結果はついてくる」という猪越選手の話で現在意識していること
猪越:今練習でゴール前のところを多くやっているので、そういう練習を多く入れているというところは宮さん(宮沢監督)からの「そこが課題だよ」というメッセージだと思いますし、そういう風に言われています。攻撃面では最後のラストパスのところだったり、シュートの精度のところであったり、ゴール前だったら一歩寄せるところであったり、クロスを上げさせないことであったり、そういうところをもっともっとやっていかなければいけないと思います。筑波大戦の時から成長はしていると思うんですけど、まだ足りないと思うのであと一週間どれだけやれるかだと思います。
-総理大臣杯に向けてセットプレーの守備に関して意識していること
加納:セットプレーから失点が多いという話で、やり方はゾーンディフェンスからマンツーマンに変えたり対策は変えてきているんですけど、最後のところは一人ひとりの責任感だと思います。中大はその責任感がセットプレーの失点のところで足りなかったと、前期と後期2戦を振り返って思うので、そこは自分たち自身のチーム戦術というよりも個人戦術の一人ひとりの責任感を強めて、セットプレーの失点というのは気持ち次第でよくなってくるところだと思っているので、少なくしていきたいですね。
-チームのムードメーカーだという加納選手からみた現在のチームの雰囲気
加納:チームの雰囲気が悪いといわれる時期があるとしたらそれは自分の責任であるくらいに思っているので、そのチームの雰囲気というところは常にどんな状況でもポジティブに考えて、雰囲気というところは維持しています。チームの雰囲気がいいというのにも色々な種類があると思うんですけど、勝つ雰囲気を全員ではつくれていなかったので、去年の7連勝をした時期とかは練習から勝つ雰囲気があったと思うので、そういったところの雰囲気づくりは意識していきたいと思います。
-1年生も多く試合に絡んでいるが、4年生の立場として新戦力をどのように見ているか
猪越:1年生ですけど、僕らと一緒にということはそれだけの責任をもってやってもらわなきゃいけないので、僕らとしても頼りにしているところはあります。結構いい選手が揃っているので、もっともっと伸びて将来の中大を背負ってほしいという意味でも、僕らはのびのびやらせてあげたいなという風には思っています。
加納:1年生は自分たちには出せないフレッシュさがあると思うので、そのフレッシュさを自分たち上級生はのびのびやらせてあげたいし、でも大学に入れば1年も4年も年の差関係なく全員がライバルだし、そういったところの上下関係はないと思うのであまりそういった新戦力という意識はないです。
-総理大臣杯で注目してほしいところ(プレー・選手)
猪越:プレーは、中大らしくしっかりボールを大事にしながらゴールを奪うところ、個人としてはセービング、シュートストップのところに注目してほしいです。注目してほしい選手は4年生ですかね。(加納)直樹とか(有田)恵人とかも復帰すると思うし、4年生が懸けているものは大きいと思うので注目してほしいです。
加納:アグレッシブなプレーと気持ちのこもった熱いプレーを見てもらえればいいなと思いますし、あとはセットプレーでの得点というのは最近つかんできているところではあるので、公式戦で点は決めていきたいなというのはあります。選手は4年生で、懸けている部分もありますし僕とかはまだプロも内定できていない状態なので、そういったところでは全力でアピールしにいきたいし、今大会は4年生の底力を見せていければいいかなと思います。
-目標と意気込み
猪越:目標は日本一です。この状況では結果で示すしかないと思うので、結果で他のチームを見返せるように頑張っていきたいと思います。
加納:リーグ戦は最下位で世間の期待値としてはそんなに高くない状態で、期待値が高くない分、一番のチャレンジャーだと思うので、何としても日本一をとって結果で黙らせて、リーグ戦につなげていければいいかなと思います。
▼担当者から
猪越選手と加納選手の言葉からは、4年生という立場でチーム全体を引っ張る責任と覚悟を感じました。今大会が総理大臣杯に出場するラストチャンスである4年生の選手・スタッフの活躍には、要注目です。チームとしては、後ろからボールをつないでゴールを目指す中大のサッカーを見せられるか、そして、普段のリーグ戦でもチームを盛り上げている応援にも注目です。10年ぶりの出場となる総理大臣杯、総力戦での日本一獲得に期待がかかります!
▼大会情報
9月1日から岩手県、宮城県の複数会場にて「2023年度 第47回総理大臣杯全日本サッカートーナメント」が行われます。中大の初戦は大会初日14時キックオフ、岩手県営運動公園第1グラウンドにて高松大学との一戦です!
(聞き手、構成:山口周起、琴寄永里加)
次回はサッカー部(後編)をお届けします!