2025年10月30日 中央大学多摩キャンパス
ドラフト会議で読売ジャイアンツ(以下、巨人)より4位指名を受けた皆川岳飛(経4=前橋育英)への指名あいさつが行われた。

▲カメラに向かってポーズをとる、左から樫山部長、皆川、清水監督
以下、記者会見コメント
~出席者あいさつ~
樫山部長
「ただいまご紹介いただきました、中大硬式野球部部長をしております樫山和男です。先ほど東京読売ジャイアンツ様に皆川くんが指名をいただいたところでございますが、ご指名いただきまして本当にありがとうございました。今日は多くの報道関係者の皆様にお集まりいただきまして、ありがとうございます。皆川くんは高校野球を経て大いなる期待を持って中大に来ていただきました。1年生の時からレギュラーで、その結果4年間で100安打。東都96年の歴史の中で25人目ということで、(過去に東都で)100安打を達成した中大卒の選手で言いますと、最近では現在読売ジャイアンツでコーチをしております亀井(善行=平17卒)コーチ以来ということで非常にうれしいなと思っております。皆川くんも走攻守そろっておりまして、けがも本当に少ない選手ですので、プロに行ってもぜひ活躍してほしいです。高校時代からさかのぼってお世話になった方がたくさんいると思うんですけど、感謝の気持ちを持って大いに活躍していただき、阿部(慎之介=平13卒)監督も中央大学出身ですので、ぜひ優勝を目指してもらいたいなと思います」
清水監督
「中央大学硬式野球部監督の清水です。本日はご指名のあいさつに来ていただき、また、お忙しい中このような会を開いていただき、報道関係者の皆様もたくさん足を運んでくださいましてありがとうございます。皆川に関しましては、先ほど部長も触れられましたように1年生の頃から試合に出まして、4年生になった今年は特にすごく成長したんじゃないかなと。特にメンタルの部分でしっかりしました。また、先ほどの話がありましたように100安打を達成しまして、ジャイアンツさんから指名され、うれしく思います。プロに行っても阿部監督や亀井コーチ、会田(有志=平18卒)コーチや西舘(勇陽=令6卒)くんだったり、たくさんの中大OBがいますので、早い段階からレギュラーになってもらえるように応援してますので頑張ってください」
皆川
「こんにちは、硬式野球部の皆川岳飛です。この度はご多忙の中、足を運んでくださりありがとうございます。読売ジャイアンツよりご指名をいただきました。誠にありがとうございます。中大では素晴らしい指導者の下、後輩だったり同級生の中で野球ができたことや、今年キャリアハイである打率だったり100安打だったりという功績を残せたことはこれからの野球人生につながる第一歩だと思います。まだまだ指名をいただいてゴールではないのでこれから先の野球人生につながるような、ここで培ってきたものを存分に出してプロ野球の世界でも頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
〜質疑応答〜
──ドラフトから1週間、指名あいさつを終えての気持ちは
「まず指名されてからほっとしているっていう気持ちが第一で。日にちが経つにつれて地元の友達であったりとか、小、中、高と野球に携わってくれた指導者の方々からの連絡であったりとか、そういう方々からのエールを聞くと、プロ野球選手になったんだなという実感が日に日に湧いてきて。そこで満足することなく次のステップへと頑張りたいなって思うので、ほっとしているっていう気持ちと『やってやるぞ』という強い気持ちの2つですね」
──周囲からの反響、メッセージは何件くらい
「そうですね。Instagramだったりも含めるとだいたい100件近くは来てるかなと思います」
──返すのも大変だと思うがそれも注目されている証拠。どのように感じましたか
「一旦は全員返しました。『応援に行くからね』とか(も送られてきて)、これから先もステップアップして頑張らなきゃいけないと思うので、そういう気持ちも込めて返しました。親の方にも連絡が行っていて、自分が直接関係してない、面と向かって指導は受けていない方々からもエールをもらったので、その人たちに対してもしっかりと、プレーであったりそういうところで恩返しできたらなと思います」
──ご家族の中には「絶対に選ばれるから」というメッセージををくれたというお兄様もいらっしゃいましたが
「兄は2人いるんですけど、2人とも『絶対指名されるから大丈夫』と。次男(の兄)は、(兄)自身もプロ野球の世界に挑戦するっていう立場で今も社会人で頑張っているので、そういう人の励ましのメッセージっていうのはやっぱりうれしいですし、これから先頑張らないといけないなという風に感じますね」
──中大の先輩たちがプロ野球で活躍しているが、何か連絡は
「石田裕太郎(令6卒・現横浜DeNAベイスターズ)さんは、選ばれた直後に『これから先一緒に頑張ろう』って言ってくださいました。(自分が)大学入学直後にキャプテンだった北村(令5卒・現東京ヤクルトスワローズ、以下ヤクルト)選手からも言葉をいただいたりとか。あとは今年一緒に(プロ野球への)入団が決まった石井巧(令6卒・現NTT東日本)選手も、大学時代から仲良くさせていただいてた先輩だったので、『一緒にご飯行こう』と言ってくださったりとか。石田さんはプロ野球の世界で対戦する機会があるので、『(その時は)打たないでね』って言われましたけど(笑い)。違うチームなので絶対打ってやろうという気持ちでメッセージを送りました」
──会見では対戦してみたい選手に石田選手を挙げていたが、これから勝負の世界でどんなプロ野球選手になっていきたいか
「石田選手はピッチャーなので、対戦して打ちたいっていう気持ちが山々あるんですけど。球界を代表するような三拍子そろったプロ野球選手になりたいなというのが理想としてあるので、1年目からレギュラーで出られるようにアピールして、シーズンを通して通して怪我なくプレーできるような体づくりと、日本代表としてWBCでプレーできるように、日の丸を背負って戦いたいなという風に思っています」

▲目標を語る皆川
──東都通算100安打は達成が難しい記録、清水監督は皆川選手の試合に出続ける強さを感じましたか
「そうですね、1年生から大きなけがっていうのはほとんどなかったんですけれども、それにプラスで安定したバッティングっていうのがありましたので、やっぱり使い続けるだけの価値のある選手でしたね。特に今年、4年生になってからは、気持ちの部分でもすごく強くなってくれまして、今年の成長っていうのは私自身すごく感じています」
──清水監督が皆川選手の気持ちの成長をより強く感じた場面は
「最後の秋のシーズンだったんですけど、ツーベースですね、駒大戦のすごくプレッシャーがかかったところで、もちろん100安打とか、駒大戦のところは負けたらチームも最下位争いになりそうな試合だったんですけど。やっぱりそれまでの1、2年生の時は野球の力はあったんですけど、チャンスになった時にバットが出なかったりとかしたことがあったので、あそこでヒットが出たのが私はちょっと目頭が熱くなるぐらいの思いで。成長したなというのを感じました」
──ご自身のセールスポイントは
「一番はバッティングの部分でアピールしたいなと思います。広角に打ち分けられるバッティングだったりとか、センターとか逆方向に持っていける長打力、あとは2ストライクからの粘り強さっていうのは、一番の売りにしているところです。三拍子そろったプレイヤーになるっていうのが一番ですけど、バッティングを売りにして頑張っていきたいなと思います」
──プレーする中で目標としてきた選手、あるいは目標とする選手像
「大学に入ってからずっと、監督には亀井選手にタイプ的にも似ているってずっと言われていたので、縁のある読売さんに指名していただきましたし大学の先輩である亀井選手のような球界を代表するようなプレーヤー、チャンスに強いバッティングっていうのを目標として頑張っていきたいなと思います」

▲巨人のタオルを持ち撮影に応じる皆川
──監督から見て亀井氏と皆川選手の似ているところは
「高校時代、亀井もそうだったんですけどピッチャーで甲子園で活躍してましたし、彼(皆川)も高校時代ピッチャーやってて、亀井は145㌔投げてて彼(皆川)も141㌔投げてました。肩が強いし足もあって。バッティングは、4年生の時の亀井よりもパワーの面では(皆川の方が)あると思います。ただ亀井の方はバランスも良かったですし、走攻守そろってましたけども、肩、足、力っていうところでは彼(皆川)の方が卒業する時点では上なんじゃないかなって思いますね」
──目標に日本代表としてプレーすることを挙げていたが、大学日本代表に選ばれなかった悔しさは
「大学時代に日本代表としてプレーできなかった部分もそうなんですけど、自分のチームに繁永(晟=商4・大阪桐蔭)が3年、4年と大学JAPANに選ばれて、その活躍をテレビだったりとかで見ると悔しさがにじみ出てきて。それが自分の闘志につながったかなと思うので、やっぱり(繁永に)感謝したいなと思います」
──皆川選手、清水監督それぞれにとって100安打の中で記憶に残る1打は(清水監督)「そうですね。先ほども言った駒大戦の時の1本というのは、あの時はチームも苦しかったですし、(皆川が)成長してチームを助けてくれたのであの1本かなと。あとは試合じゃないんですけども、今年のキャンプで特打をやってて、すごくいい打ち方をしてライトにホームランが出た打撃だったんですけれども。あれはすごく僕も『これだ!』と言った記憶があるので、試合ではないですけど彼が成長するためのきっかけになった1本だったんじゃないかなと思います」
(皆川)「自分もキャンプでの1本は今まで以上に感覚が良くて、今でも忘れないような1球だったなと思います。それ以外であれば、100安打目っていうのは、『あと1本、あと1本』っていうプレッシャーの中でチームメイトが1打席1打席待っていた打席だったので、1本出たっていうのもものすごくうれしい気持ちだったし、打った後も監督から『おめでとう』と声をかけていただいたので、思い入れのある打席だったかなと思います」
──巨人の西舘選手から「皆川選手の入団を心からうれしく思います。大学時代から走攻守すべてにおいて高い能力を持った選手であり、同じチームで再びプレーできることを楽しみにしています。持ち前の明るさを積極的なプレーで、これから一緒に日本一を目指して頑張っていきましょう!」というコメントを預かりましたが、お気持ちはいかがですが
「直接は(メッセージが)あんま来てなかったんで(一同笑い)。自分からも時間があればごあいさつさせてもらいたいなと思います」

▲先輩の西舘が載ったドラフト号を手に取材を受ける皆川
◇皆川岳飛(みなかわ・がくと)◇
学部学科:経済学部・経済学科
身長・体重:181㌢・81㌔
出身高校:前橋育英高校
(記事:比留間柚香、写真:中島遥)
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