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期待の新星デビュー戦!各々が青写真を描く大舞台へ─第313回日本体育大学長距離競技会

2024年4月27日 日本体育大学横浜・健志台キャンパス陸上競技場

4月27日から28日にかけて第313回日本体育大学長距離競技会が開催され、中大からは中距離から長距離ブロックにかけて計9名の選手が出走した。

中距離ブロックは男子800㍍に村上龍一朗(商3)と吉田力(商4)の2人が出走。

8組目を走った村上は500㍍以降のペースダウンが目立ち、1分59秒32という結果だった。冬季練習が順調に詰めていただけに直近のレースのタイムには難色を示した上で、「5月末か6月頭ぐらいに記録を狙っていきたい」と次戦でのリベンジに燃える。

10組目の吉田は今季3戦目の出走を1分53秒37という結果にまとめた。自身の状態に関しては「今上がってきているのかなって感じですが、このままではインカレでは戦えないのであと2週間でもっと仕上げていきたい」と語り、苦しいながらもここからの奮起を誓った。

▲最後の関東インカレへ闘志を燃やす吉田

女子陸上競技部には高校時代から全国の大舞台で名を轟かせた期待の新星3人が加入。デビュー戦となった今回は現状を確認する機会となった。

女子1500㍍の3組目に出走した鈴木瑠夏(文1)は終始集団の後方で落ち着いてレースを進める。終盤のペースアップこそできなかったものの、大きくラップを乱すことなく4分35秒29でフィニッシュ。6月に出場するU20日本選手権の5000㍍へ向けて、スピードを磨くという目的で出走した鈴木は「最低限の走り」と振り返り、同大会への意気込みを聞かれると「順位にこだわって走ろうと思う」、「16分切るぐらいの力をつけて臨めたらと思う」と力強く語った。

続く4組目の澤村里桜菜(商1)は集団前方でペースを刻み続け、ラスト400㍍を69秒でカバーするクレバーな走りを見せた。自己ベストまで1秒まで迫る4分24秒41をマークした澤村は今回の走りを「初戦にしては高校までの例年よりも動きは良かったです」と振り返り、U20日本選手権では3位入賞を目標に掲げた。

女子3000㍍の3組目では武田胡春(文1)が出場。序盤こそ集団の前方に位置する走りだったものの、ラスト700㍍からは集団から遅れを取り始める。ラスト1周は78秒ほど要し、後続に付けていた2人にも後れを取る9分38秒37で走り切った。レース後、「練習の時もなんですけど、キツイ時に粘るっていう感覚が高校時代よりかは取り戻せていない」と冷静に自己分析し、今後の練習を通して改善を目指す。関東インカレでは5000㍍に出場する武田は「8位入賞して中央大学に1点でも貢献したい」と前を向く。

▲自己ベストに迫る走りを見せた澤村

長距離ブロックのトップバッターは男子1500㍍7組目の小田切幹太(文2)。関東インカレで同種目に出場する小田切は予選と決勝の連戦になることを見据え、2日目の5000㍍とのダブルエントリーで挑んだ。4月13日の日体大記録会では3分45秒03を記録し自己ベストを更新しているだけあって、調子は上々。この日も3分48秒56の好記録でまとめ、順調な仕上がりをアピールした。

▲スパートのキレが出てきた小田切

10000㍍の5組目には東海林宏一(経4)が出走。序盤から先頭集団前方でレースを進めた東海林は、ラスト1周は63〜64秒で駆け抜ける復調ぶりを見せ、組2着の29分49秒28。苦手なトラックということもあり「練習通りの力を出すのは難しい」と振り返った一方で、「復帰の流れから強化に入っていい練習が詰めてきている中だったので、収穫はあったのかなと思います」と前向きに捉えた。今後の目標を問われると「6月の日体で目標のタイムを狙えるように取り組んで、夏以降は主力と同じ流れでやっていけたら」と語った。ロードで高い安定感を発揮する東海林の完全復活が待ち遠しい。

続く6組目では山口大輔(文4)が29分43秒63、山﨑草太(文2)が29分59秒30をマーク。

山口は前回の焼津ハーフ同様、後半勝負を目論んでいたものの前半の流れそのままに粘ることができなかった。今後の大きな目標は箱根駅伝予選会を掲げ、夏合宿では課題解決に向け取り組んでいく。

一方の山﨑は序盤から集団の中でリズムを作ることができず、中盤以降の余力が持たせられなかったために終盤に大きく崩れてしまったレースとなった。今後のトラックシーズンは6月初旬の日体大記録会を予定しており、そこでの再起を誓った。

▲復調の一途を辿る東海林

2週間後に控える関東インカレや2カ月後のU20日本選手権、駅伝シーズンと見据える目標はそれぞれ違うものではあるが、各選手がこれからのビジョンを立てる、実りある機会となった。

 

鈴木瑠夏(すずき・るか)

学部学科:文学部・人文社会学科

出身高校:仙台育英高校

主な実績:U20日本選手権5000m 16分18秒41 5位(高校生トップ)

 

澤村里桜菜(さわむら・りおな)

学部学科:商学部・会計学科

出身高校:花巻東高校

主な実績:インターハイ800m 2分10秒40 7位

 

武田胡春(たけだ・こはる)

学部学科:文学部・人文社会学科

出身高校:小倉高校

主な実績:インターハイ3000m 9分09秒56(日本人2位)

 

◆大会結果◆

男子800㍍

8組 村上龍一朗(商3) 1分59秒32

10組 吉田力(商4) 1分53秒37

女子1500㍍

3組 鈴木瑠夏(文1) 4分35秒29

4組 澤村里桜菜(商1) 4分24秒41

男子1500㍍

7組 小田切幹太(文2) 3分48秒56

女子3000㍍

3組 武田胡春(文1) 9分38秒37

男子10000㍍

5組 東海林宏一(経4) 29分49秒28

6組 山口大輔(文4) 29分43秒63

山﨑草太(文2) 29分59秒30

 

(記事:日向野芯、写真:日原優、要明里沙、日向野芯)

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