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【第171号掲載記事・硬式野球部】崖っぷちで踏ん張った!劇的東都1部残留!ー東都大学野球春季リーグ1部・2部入替戦

東都大学野球春季リーグ1部2部入れ替え戦が行われ、2部1位の東洋大に2勝1敗とし、2008年秋から続く東都1部の座を死守した。1部残留のためのあと1勝を何度も落としてきたが、土壇場で1部校の底力を見せた。

※「中大スポーツ」第171号4面の本文を掲載しております。

◇  ◇  ◇

▲サヨナラ打を放ち喜びを表す近藤尚矢(商3)と石井(右)

劇的サヨナラ

長い長い春季リーグに終止符を打つ見事なサヨナラ劇だった。1―0と1点ビハインドで迎えた9回裏。この回先頭の中前祐也(法3)、続く森下翔太(商4)の連続四球で無死一、二塁と絶好のチャンスを作ると「森下が出れば自分は送るつもりで心の準備はしていた」(北村恵吾・商4)と主将自らバントの構え。北村は見事1球で相手のミスをも誘うバントを決めて同点とし、なおも無死一、三塁とした場面。「ベンチのメンバー、スタンドで応援してくれたみんなの気持ちがそういう結果にしてくれた」と続く石井巧(文3)は1部残留を決める執念のサヨナラ打を中前へ運んだ。その瞬間、歓喜の中大ナインは三塁ベンチから飛び出し、石井は一塁を回ったところで突っ伏して喜びを爆発させた。

課題は守備

投手力も含めた守備力がシーズンを通じて見えた課題だった。「最終節の日大戦からの6試合は毎試合四球、パスボール、失策。取れるアウトを取れなくてランナーを返されることが多かった」と北村は振り返る。その課題をつぶすために入れ替え戦前はチーム全体で数多くノックを受け、守備力を徹底的に鍛え直した。2部を制覇した東洋大は155キロ左腕の細野や2部防御率2位の松澤などを擁し、圧倒的な投手力を武器に戦い抜いてきた。そんな投手陣が相手でも「自分たちの打力があれば簡単には抑えられない」(森下)と自慢の強力打線に自信をのぞかせていた。迎えた入れ替え戦。初戦こそ落としたものの北村は「今日の敗戦を引きずる必要はない。切り替えます」と次戦を見据えていた。「最後できることは言葉じゃなくてチームメイトに行動で見せること」と北村が自ら丸刈りにして臨んだ負けられない2戦目。自慢の強力打線が火を噴き大勝。勝負を決める3戦目は西舘勇陽(法3)の好投、最終回の見事なサヨナラで決着をつけた。失策は3試合で1と地道に入れ替え戦までに取り組んできたことが功を奏した。19試合という長い春季リーグを終え、清水監督は「本来こんな場に選手を立たせてはいけない。でもこうやって選手たちが成長して勝ったのが本当にうれしい」と涙ながらに語った。

再び日本一へ

残留を決め、中大野球部の目標である日本一への道が途絶えることはなくなった。秋こそは入れ替え戦での成長を糧に1部残留ではなく日本一のうれし涙を神宮で流す。

(記事:為谷楓太、写真:鈴木佐和)

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2022年7月11日(月)付で「中大スポーツ」第171号を発行いたしました。詳細はこちら