春は東洋大相手に入れ替え戦で見事残留し、この秋も長く続いている1部の舞台でプレーした中大野球部。この秋は春の最下位から見事躍進を遂げ、リーグ優勝の夢は叶わなかったものの2位でシーズンを終えた。成長を遂げた秋を終えた監督、選手たちは何を語るのか。17日間に渡り彼らの思いをお届けする。
連続インタビュー12日目は石田裕太郎選手(経3=静清)。春は思うようなピッチングができず苦しんだが、秋は本来のピッチングを取り戻し持ち前のコントロールの良さを生かし先発、中継ぎともに兼任し安定したピッチングを見せた。大学野球最後の年となる来年、さらなるレベルアップを目指す。(取材、構成=髙梨晃世)
——今取り組んでいることは
冬のオフシーズンなので今はブルペンで投げたりはしてないんですけど、ウエイトトレーニングだったりとかランニングで体を作り直しているっていう段階です
——秋季リーグを振り返って
春は入れ替え戦にも行って、自分の成績も納得がいく結果ではなくて、そこで秋は何とか結果残したいなという気持ちが強かったので、その中で自分の中では回数としてはそんなにですけど、ある程度投げれたかなと思ってます
——福島での開幕について、緊張は
季節の変わり目とか、場所が変わったりすると体調崩しやすいので、福島で体調崩してしまってあまりいい思い出はないですね。緊張とかはあまりしないタイプなので緊張はなかったですけど、でも独特な雰囲気はあったなと思います
▲地方開催となる駒大2回戦に登板した
——ZOZOマリンスタジアムはどうだったか
投げるのは初めてだったんですけど、すごい投げやすかったです。他のピッチャーは風があって投げずらいって言っていたけど逆に自分は風を利用して投げることができて、マウンドもあっていたのでまた投げたいと思います
▲初めてZOZOマリンスタジアムのマウンドに登った
——先発や中継ぎに回ることもあったが違いは
自分の中ではあまり違いを作らないつもりではあったけど、先発をやるってなると配球の組み立てだったり球種も増えるので、リリーフの方が力ずくで行けるので気持ち的にはリリーフの方が楽かなと思いますね。下級生のときはリリーフをやっていて秋に久しぶりにやってみて、おのずとスピードも出ますし、あまり後ろのことを考えなくていいのですごく投げやすかったです
——亜大2回戦での得点圏にランナーを背負っての登板で意識したこと
力みすぎるとかえって打たれたりするので、気持ちはリラックスして投げるようにしました
——春は日大に苦しめられたが秋で2連勝できたわけ、意識したこと
春は日大と4試合やって一回でも勝てばよかったというなかで一度も勝てなかったので、チームとしても「日大には絶対負けない」という強い気持ちがあったと思いますし、個人としてもやられてばかりだったので1戦目で西舘(勇陽=法3・花巻東)がいい流れを作ってくれたので、すごい楽な気持ちで、絶対に負けないっていう気持ちで投げました
——秋やって印象に残った相手バッター
日大の花崎選手ですかね。あまり嫌だなって感じはしないんですけど手足が長いのでバット当ててきそうだなっていう感じはありましたね
——秋でのベストピッチング
亜細亜大との3戦目2-1で勝った試合で、西舘と自分と大栄(陽斗=商3・仙台育英)で投げ勝った試合なんですけど、すごいあの試合は相手もこっちのピッチャーも踏ん張っていて、投手戦に競り勝てた試合で、自分たち3人仲も良いので、達成感があってベストピッチングだったかなと思います
▲6回途中から登板しピンチを切り抜けた
——秋リーグの自身の活躍に点をつけるなら
60点です。やっぱり目標は高く持っていて、先発したら全試合勝ちたいですし、リリーフで行ったら点は獲られたくないですし、その中で初戦の駒大戦を落としたりだとか、最後の方は修正して抑えることができたけど自分のなかでもっとこうすればよかったなと後悔する試合もあったので
——自分のピッチングの強みは
中大のピッチャーのなかだったらコントロールはいい方だと思っていて。西舘とか大栄みたいに球が速いピッチャーだったらアバウトでも抑えられるけど、自分みたいなピッチャーは球動かしたりだとかバッターに近いところに投げて詰まらせたりしないと打ちとれないので。あとは強気なピッチングですかね
▲西舘(左)とともに中大のピッチャー陣を支える
——一番自信のある球種
調子いいときは全部自信あるけど、安定して投げれるのはやっぱり真っすぐかなと思います
——春に向けての気持ち
春季リーグを2シーズン経験してあまりよくないので、来年ドラフトの年で自分もプロに行きたいという気持ちがあるのでそこは勝負かなと思います
——これから取り組んでいくこと
今自分に足りていないことはボールの力強さ、スピードだと思うので力をつけるためにウエイトトレーニングをやってはいるので春でもう2、3㌔上がった真っすぐをお見せできればいいかなと思います
——石田選手から見てチームが2位に上昇した理由は
投手陣の安定感だと思います。春はピッチャーがダメで逆に秋はピッチャーが良くてバッターがあまり打てなくて。でもある程度ピッチャーが抑えられればおのずと順位が上がっていくのかなと思っています
▲試合の中でも終始リラックスした表情を見せる石田
——負けたら優勝はないという中での緊張感
あまり自分のなかで気負ったり、緊張したりっていうのはなくてむしろその状況を楽しむというか、それくらい心は安定していたのかなと思います
——最上級生になるうえでの役割は
チーム全体のことはキャプテン、副キャプテンに任せて自分はピッチャー陣をまとめていくのを頑張っていきつつ、投げるときは周りを見ながら投げれればいいかなと思います
▲秋季リーグではコントロールが冴え、安定したピッチングを見せた
——残り1年の大学野球生活のビジョンは
プロになるという目標を掲げて大学に入学して、あっという間に4年生になったので、最後やり残しの無いようにして、個人としてはプロに行きたいって気持ちが誰よりも強いと思うので、そこは個人の目標として置いておいて、まずチームがリーグ優勝全国制覇できるように、任されたところで投げれるようにこの冬から頑張っていきたいと思います
◇石田裕太郎(いしだ・ゆうたろう)◇
学部学科:経済学部・環境経済学科
身長・体重:180㌢・74㌔
出身高校:静清高校