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【2023秋季リーグ開幕直前インタビュー】第6回・4年生投手編

中前祐也(法4)主将のもと、「反撃」をスローガンに掲げて始動した今年の中大野球部。春季リーグは5位に終わり、苦しみながらも1部の座を守った。集大成の秋へ、開幕を目前に控えた選手たちの声を全9回に渡ってお届けする。

第6回は4年生投手トリオの石田裕太郎(経4=静清)投手、岩本大地(法4=石岡第一)投手、西舘勇陽(法4=花巻東)投手。ともに戦国東都を戦い抜いてきた3投手に最後の秋に懸ける思いを伺った。

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<石田裕太郎>(聞き手、構成:志水恒太)
▲先発、リリーフと様々な起用に応えた石田

──春季リーグを振り返って

「ラストシーズンで、とにかく4年間あっという間で最後の春秋楽しみにしていて、チームもなかなか勝てず、ただ自分の仕事を全うしようという事だけを考えて投げて、最後調子も上がってきたので春は自分としては収穫がありましたけど、チームとしては5位だったのでそこをなんとか夏のオープン戦でかみ合わせているので、秋は優勝に向けて少しでも貢献できればなと今は考えています」

──終盤の対日大2回戦(7回1/3を無安打9奪三振)、あのロングリリーフを境に調子も一段上がったように見えました

「そうですね、調子ももちろん上がったんですけどあの時期にしっかりとフォームも修正したのと変化球をリーグ戦の途中だったんですけど増やして、それが上手くハマったかなっていうのはあります」

──フォームの修正についてはどの程度変えられたのですか

「いやもう結構大きくですね。自分の中で微調整っていうのはあんまり気にしてなくて、リリースポイントの位置が動画を見たらいつもより少し高くて、球が上ずってた。そこを修正して、肘を下げたっていう言い方とはちょっと違う気がするんですけど、全体を使えるような、自分に合った投球フォームが見つけられたというか。そこからはずっと今も継続してやっています」

──変化球で増やした球種というのは

「増やしたっていうよりは元々いっぱい投げてるんですけど、シンカーを投げ始めて。元々ツーシームが得意でフォークは自分の中では不安定だったので、そこをチェンジアップのような、シンカーのような握りで試して、紅白戦で投げたら結構反応も良くて手応えを感じたので使えるかなって思ったら上手くハマってきました」

──終盤は負けられない試合が続いたと思いますが、投手陣の雰囲気はいかがでしたか

「いやー、もう投手陣は雰囲気良くて、点取れない試合が多くて野手が落ちてる分ピッチャーの気分が下がらないようにっていうのは自分と西舘 (勇陽・法4=花巻東) を中心に意識して。西舘は先発が多くて自分は中継ぎとか翌日の先発になることが多かったので明るい雰囲気でやるっていうのは自分の中で常に心掛けていました」

──雨や六大学の関係で日程や起用法が変わることも多かったですがその部分については

「そうですね、元々自分が先発予定だったのが雨でずれて中継ぎになって、でも逆を言えば『使い勝手が良い』というか監督からしたら前も後ろもできて雨で流れてもどんな立場でも投げれてっていうのは自分が監督だとしたら貴重な存在ですし、自分はそこを目指しているので。まぁできれば先発だったりちゃんとした日程で進めばもっといっぱい投げれたとは思うんですけど、そこは目をつぶって与えられたところでしっかりやろうと考えてました」

──上尾での最後の駒大戦。負けられない試合を勝ち切ったことについてはどう捉えていますか

「もう本当にやっと終わったっていう感じで (笑い) 。最初の方から西舘が点を取られていたので自分もしっかり作ってたんですけど、もし同じ立場だったらもっと緊張するんだろうなっていうのは思って、すごい西舘に負担をかけちゃってたので、秋は自分もそこを任せられるように頑張っていきます」

──この春は実際に入れ替えが起こりました。改めて入替戦の怖さは感じましたか

「去年自分も入替戦の先発を経験させていただいて、もう二度と投げたくないなって (笑い) 。もうあそこの舞台では二度と投げたくないなって気持ちが強くて、ただ本当に貴重な経験はさせて頂いて、普段のリーグ戦の入りだったりも変わってきたりしたので、自分としてはプラスでしたし、結果的には落ちなかったので、今回はその東洋大が上がってきましたけど、一瞬も気が抜けない、それが東都の醍醐味かなって思います」

──去年戦われていますが東洋大の印象は

「全体的にはレベルの高い選手が集まってて、もちろん細野選手だったりとかもドラフト候補に上げられてるくらいなので、まぁ警戒はしますけど、自分結構相性良いんで、1年生の時から投げさせていただいて東洋とやる時はあんまり嫌なイメージは無いので、そこはあんまり気にしてないですね」


▲ベンチでは守備陣を一番に迎える姿も印象的だった

──オープン戦も終盤ですが現在の状態は

「もうここに入ってきて一番いいかなっていうくらい状態は良くて、先発メインで回ってるんですけどほとんど勝ち試合で来れているのでこのままの調子でいければ、本当に他の大学の主戦投手はみんなドラフト候補とかですごいレベル高いんですけどそこに投げ勝てるように今は調整してます」

──春季リーグが終わって特に取り組んできたことは

「この夏でウエイトと瞬発系のトレーニングを組み入れて、球速アップを課題にやってきて、そこも大分上がってきて自分としても神宮で投げるのが楽しみだなっていうのはあるのでそこを見ていただけたらいいかなって思います」

──個人としてはラストシーズン。特別な思いは

「1年生からやってきて、本当に大事な場面だったり緊迫する場面でたくさん投げさせてもらっていろんな思いを持った4年間だったので、ラストシーズンはもちろん自分もプロに行きたいっていう目標があるので、そこに行けるように良い成績を残すっていうのと、自分野球人生で一度も優勝したことがないので、せっかくレベルの高い選手が集まってるこの中大で、レベルの高い東都リーグで優勝して日本一取りたいなと思います」

──対戦が楽しみな選手は

「誰だろうな…1年生の時から亜大の天井選手だったり日大の林拓馬選手はずっと対戦してきて良いライバルでもあり、打たれたり抑えたり結構してるんですけど、最後の年になるのでそれも楽しみながらやっていけたらなと思います」

──昨年から中大の「18番」を背負われていて、何か感じる部分はございますか

「正直初めて18番をもらった時にやってやるぞって気持ちが強くて、でもその年全然ダメで『やっぱり18番もらうなんて言わなければ良かったな』なんて思ったりもしたんですけど、ただレベルの高いリーグで、しかも中央大学の18番をつけさせていただいてることに今は誇りに思いますし最後の年はそれにふさわしい活躍をしたいなって思います」

──優勝を経験していない代というお話がありました。今年にかける優勝への思いを聞かせていただけますか

「もうそれはめちゃくちゃ強いですし、こんなに4年生が少ない代とかチームってあんまりいないんですよね。なので4年生みんな仲良いですしやっぱり特別な思いもありますし優勝して良い思いで終わりたいっていうのは本当に思いますし、あとはこのピッチャー陣で。(4年生の) 4人本当に仲良くて、プライベートでも遊びに行くような関係なのでこの4人で優勝に貢献できればいいかなと思います」

──ラストシーズン、自分のここを見てくれ

「野球を楽しそうにやる姿ですかね。野球人生の中で楽しむ、笑顔っていうのが自分の中で大事にしてて初心に帰るじゃないですけど楽しいから野球を始めた訳で、これから先どこで野球やるかは分からないですけどどのレベルでやるとしても楽しさを忘れないというか、どんな苦しい場面でも楽しめるくらいのメンタリティでいようとするのが自分の持ち味なので『笑顔』ですかね」

──最後に秋季リーグの意気込みをお願いします

「個人では最優秀防御率をもう一回取るっていうのと、あとは負けない!勝ちが付くのは運もあると思うので、投げた試合は負けないっていうのと防御率を意識してやりたいなと思います。あとはプロ野球に進みたい。そのために頑張る、あとはリーグ優勝、日本一を絶対達成して、良い思いで卒業できればなと思います」

◇石田裕太郎(いしだ・ゆうたろう)◇
学部学科:経済学部・公共環境経済学科
身長・体重:180㌢・74㌔
出身高校:静清高校

<岩本大地>(聞き手、構成:為谷楓太)


▲青学大2回戦で好投した岩本

──春のリーグ戦を振り返って

「春は最初の方は投げてなかったんですけど、青学戦で急に先発したりとかその後も大事な場面でリリーフとかやらしてもらって、結構いいところで使ってもらえたのでそこで抑えられたのは自信になりましたし、打たれた試合もあったのでそこはちゃんとやっていかないとなってなりました」

──青学大2回戦で急に先発になった理由はありますか

「どうなんですかね。自分はあまりよくわかってないですけど、ブルペンは調子良かったのでいつでも投げられる準備はしていたので前日に先発って言われてという感じですね」

──青学大2回戦の好投の要因は

「青学大の打線の印象が振ってくるというところだったので、そこで振ってくるというのは怖さもあるんですけど、逆に言えば少ない球数で打ち取れるということでもあるので初球から変化球多めに使ったりして少ない球数で打ち取れたのが良かったと思います」

──青学大2回戦は変化球が効いたとのことですが、どの変化球が好投を呼んだのでしょうか

「あの試合はフォークが良くて、左バッターによく使ったんですけど、あの日はフォークが良かったので左バッターが抑えられたのかなた思います」

──フォークに関しては昨夏から投げ始めたとのことですが、試合で場数を踏むにあたって自信がつきましたか

「そうですね。試合でバッターに投げていくうちに自分でも自信がついてきて、今ではフォークがないとピッチングが組み立てられないくらいのところまで来ているので自分の中では大事な球種かなと思います」

──リリーフでの連投に疲れはありませんでしたか

「連投は3戦目行ったら試合で投げなくてもピッチングしたりするので疲労は溜まって行くんですけど、リーグ戦じゃない時期も1週間で決めた数しっかり投げているので身体的にはしんどい時もありますけど、問題ない範囲かなと思います」

──春は先発、リリーフと起用されていましたが試合の入り方の難しさはどう違いますか

「リリーフならランナー得点圏にいる場面も多くありますし、そういうときは『プレイかかった初球から』という気持ちがありますし、先発は大事な役割だと思うので先頭からというのはもちろんありますけど、トータルして試合を作っていくというところですかね」

──「押していける真っ直ぐ」についてはこの春いかがでしたか

「リーグ戦前は調子が良くなかったかなと思うんですけど、リーグ戦入って、登板自体は青学2回戦が初めてだったんですけど、そこまでのピッチング練習とかでも調子は良くなっていたので青学の時とかそれ以降も真っ直ぐは良かったかなと思います」

──今の調子はいかがですか

「最近悪くはなかったんですけど、リーグ戦近くなるにつれて上がってきているのかなと思います」

──重点的にこの夏取り組んできたことはどんなことがありますか

「自分の良くないところは四球から崩れてしまったり、四球で出したランナーをワンヒットで返されるということが課題でそれが今まで多かったので、それを減らせるように先発もリリーフもそういう意識でやっていました」

──開幕戦から青学大とですが、振ってくるという点以外で青学大に抱いている印象はどんなものがありますか

「やっぱり先発ピッチャーがドラフト候補でしっかりしていますし、打線も振ってくるということに加えて対応も上手くて、みんなに1発というか長打力があるなっていう印象です」

──青学大の打線は対応が上手いからこそ投げづらさを感じたりしますか

「青学と試合するときは相手のうまさだったり、打線のいいところはあるんですけど、自分はビビらないでしっかり勝負してピッチングしていくっていうのが大事だと思っているので、春もそういう気持ちで投げましたし、秋も投げる機会があったらそういう気持ちで投げたいと思います」

──青学大のドラフト候補のピッチャーには対抗意識を感じますか

「すごいピッチャーだというのは自分も思っていますし、いいピッチャーなんですけど試合で投げ合ったらドラフト候補とか関係なく投げ勝ちたいというのはありますね」

──この秋の個人的な目標は

「最後のリーグ戦になるので自分の結果もありますけど、4年間東都リーグでやってきて優勝がまだないので、自分はどちらかというとチームで優勝して、投げるときはチームの勝利に貢献できることが1番自分の中で嬉しいのかなと思います」

──4年生の方は口を揃えて「自分たちの代は優勝がない」と言われていますが、やはり優勝にかける思いは強いものがありますか

「4年間優勝目指して練習してきましたし、自分たちの代はより一層強い思いがありますね」

──ラストシーズンの意気込みをお願いします

「先発で投げるかも、リリーフで投げるかもわからないですが与えられた時に後悔ないようにバッターに向かっていく気持ちを持って全力で腕を振りたいと思います」

◇岩本大地(いわもと・だいち)◇
学部学科:法学部・政治学科
身長・体重:174㌢・75㌔
出身高校:石岡第一高校

<西舘勇陽>(聞き手、構成:中島遥)


▲春を第1先発として投げ抜いた西舘

――オープン戦を振り返って

「調整としてはちょっと遅れているんですけどその中でも今日は先発として最低限の5イニング投げれたんで、まあぼちぼちです。一番下の第一段階としてはクリアできたんで、あとはピッチングで調整しながらやっていければなと思います」

――春季リーグを振り返って

「春は個人としては第一先発で責任がある中で、相手に先制点を取られてしまって味方が点を取りづらい状況を作ってしまったので一番の反省としてあります。実際序盤はもう1戦目も3戦目もどっちもそういう形にしてカードとしても落としてしまったので粘り強くっていうのは頑張っていきたいです」

――最終戦の駒大戦を振り返って

「ホームランで先制されて、そこで点取りづらい空気を作ってしまったというのはあったんですけど、負けたら終わりだったのでもうあまり考えずに。仲間が逆転してくれるのを信じていました」

――冬に変化球の投げ込みを行った成果は出たか

「形としては出たと思っています。自分がカウント的にも苦しい時に変化球でカウント取れたりとかして、四死球率も明らかに今までのリーグ戦よりは春はよかったので。三振を多くとるとかではないですけど、安定感というかそういう意味ではよかったかなと思います」

――春で見つかった一番の課題は

「課題としてはやっぱり決め球の部分で、ツーストライクまでは結構簡単に追い込むことができたんですけど、そこからファールで粘られたりとかして結果的に球数も多くなるっていうのが多かったので、そこが一番の課題ですかね」

――春で見つかった課題を踏まえ夏取り組んだこと

「代表合宿の時に、青学大の常廣(羽也斗)にフォークを教えてもらったんですけど、それを今ちょっとずつ自分なりに変えながらやっているところです」


▲代表合宿では西舘(写真右)は青学大・常廣(写真左)からフォークを教わった

――秋警戒するチームは

「国学院大学さん。一番勝てない確率が高いというか。バッターとしても柳舘(憲吾)が東都の中で一番いいバッターだと思っているので警戒です」

――国学大というチームをどのように見ているのか

「すごい言い方悪いですけど華がある感じではないですけど、基本的なところは絶対確実にやってくるので、負けないチームの特徴的な感じだと思います」

――チームのここを見てほしいという部分は
「春5位で終わっているのでチームとしてもどっちかというと挑戦者というか、向かっていけると思うのでそこはチーム全体として一体になって、勝っていければいいなと思います」

――秋の目標は
「チームとしてはやっぱり優勝したい。もうそこですね。そこを目指して。個人としては、チームが勝てればそれでいいです」

◇西舘勇陽(にしだて・ゆうひ)◇
学部学科:法学部・法律学科
身長・体重:183㌢・79㌔
出身高校:花巻東高校