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【2024春季リーグ戦終了後インタビュー】第2回 今村拓哉・岩城颯空・山口謙作編

昨年までチームの中心として活躍を続けてきた選手たちが卒業し、「結勝」をスローガンに始動した今季の中大野球部。苦戦が予想される声もあった中、4月8日に開幕した春季リーグでは序盤から勢いに乗り、最終的には勝ち点4を獲得。シーズン終盤には4連勝を記録し、全日本王者となった青学大との優勝決定戦に持ち込んだ。惜しくもリーグ2位で終わった春。大きな収穫と課題を得た選手たちの声を全8回に渡ってお届けする。

第2回はリーグ戦を通して投手陣の中核を担い、中大の春の躍進に貢献したサウスポー、今村拓哉(文4・関東第一)、岩城颯空(経3・富山商業)、山口謙作(商3・上田西)の3選手です。リーグ戦活躍の秘話、優勝決定戦を終えての悔しさを語っていただきました。

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<今村拓哉>(聞き手、構成:志水恒太)

▲自身初出場となったリーグ戦でフル回転した今村

──春季リーグを振り返って
「もう全部が初めての経験だったのでプレッシャーとかもそんなに無かったのでとても楽しく充実したかなと思います」

──駒大戦での初登板はやはり緊張しましたか
「そうですね、もちろん緊張はしたんですけどやるしかなかったので、どちらかというと楽しみの方が大きかったかもしれないですね」

──試合が進むにつれて徐々に調子を上げていったように見えましたがご自身ではいかがですか
「最初の方も内容自体は悪くなかったのでそんなに自分の中でも落胆することも無く、冷静に何が悪かったのかを分析できたので、そこが後半上がっていった理由なのかなと思いますね」

──具体的にどういった部分が上手くいったと考えていますか
「國學院戦終わった後にピッチングコーチの方にある本を貸して頂いて、ヤクルトの石川投手の変化球の握りが書いてある本があって、それで一つの球種を真似してみようと思ったらそれがハマって、リーグ戦に覚えた球種だったんですけどそれが本当に良かったなぁって思っています」

──どんな球種ですか
「何だろう、一応シンカーの握りで本には書いてたんですけど実際にはツーシームっぽいってみんなには言われるのでツーシームとは言ってるんですけど、本当にそれが投げれてから打たれることも無くなったのでそれが本当に好調の要因だったかなって思います」

──落ち球って形ですか
「落ち球だと思うんですけど、自分でもよく分からないんですよね。こっちに曲がったり逆に落ちたり、自分でも投げ分けているのでは無くて。多分それまでは真っ直ぐとスライダーしか無かった分どっちかに張ればって相手もあったと思うんですけど情報にも無いものだったので、でも逆に秋は対策してくると思うので、また球種作ったりしながら秋に向けてやろうかなって思ってます」

──大学で1シーズン完走するのも初めてだったと思いますが疲れなどはいかがでしたか
「最初の方はワンポイントとかだったんですけど先発任されたり複数イニング投げると流石に疲労もあったので色々と自分で考えながら、いかに試合にベストのコンディションに持っていけるかは自分で試行錯誤しながらやってました」

──変則的な日程で調整など難しさもあったと思いますが何か意識していた事は
「そうですね、これは1個上の石田裕太郎(令6卒・横浜DeNAベイスターズ)さんのアドバイスなんですけど「大会期間中はこれで良いのかなってくらいの練習量で良い」って言われていて、自分は練習やらないと気が済まないタイプでやり過ぎる部分もあるので、気持ち抑えめで、「やらな過ぎじゃない?」って言われるくらいの気持ちで取り組んでました」

──リーグ戦で一番の投球を選ぶとしたら
「もちろん亜細亜も大事だったんですけど、相手っていうのを含めると日大戦は。先発も市川(関東第一高の1学年後輩)だったのでそこは一番印象に残ってるかなと思います」

──結果的に投げ勝ったとも言えますよね
「まぁ〜そうですね(笑い)。でもその後ちょうどご飯行ったんですけどその時に市川の方から「今回勝ち負け付いてないから同点だね」って言われたので次こそは負けをつけさせて自分に勝ちがつくように頑張りたいなって思います」

──市川選手悔しそうでしたか
「いや、あいつそういうの結構気にしないタイプなので、結局ベストナインとかも取ってますしそこは流石だなと思いつつ、また負けられないなって気持ちはありますね」

──清水監督も「よく投手陣を引っ張っていた」と話されていました。最上級生としてどういった意識で練習や試合に臨んでいましたか
「本当に今の3年生以下は良い意味で仲が良いので、あまり口で言っても流されたり、笑い半分で終わってしまう事もあると思うので、普段は話しますけど練習中は『あれやれこれやれ』とは言わずに、自分が率先して例えばキャッチボールだったら自分が一番最初に出たりだとか、そういうところで気付けば、そういう気付きも大事だと思うので、あえて口で言わずに行動で、見放してる訳では無いですしお互い切磋琢磨できれば良いかなとは思ってます。なので行動面では自分が率先して動くっていうのはテーマとしてやっていました」

──印象に残った打者はいらっしゃいましたか
「何だかんだ言って青学は初球からどんどん振ってくるので、それこそ一球一球気張って投げないといけなかったのでそういう面では疲れましたし、でも逆に駒澤もランナーが出たらすぐ動いてくるチームなので、そういう面ではどこがというよりは全体的にレベルが高いなっていうのは痛感しました」

──序盤は1年生の頑張りが目立ちました。4年生としてどのように見ていましたか
「元々あの2人(東恩納・子安)は活躍するだろうなとは思ってましたし、もちろん悔しさはありますけど逆に頼もしいなって気持ちでずっと見てて、逆にあの2人が苦しんだ時は自分たちが助けたいと思っていたので、結果的に後半戦は上級生で投手陣引っ張っていけたので良かったかなと思いますね。本当に今回は誰かがダメな時は誰かが良いって形で補い合えたので、秋もこんな感じでいけたらなとは思います」

──春は出番の無かった1年生投手で秋に向けて注目の選手はいらっしゃいますか
「高橋史佳(文1・日本文理)。さっきもキャッチボールしたんですけど、真っ直ぐもすごく良いもの持ってますし、ちょっと今コントロールがあまり定まって無いのでそこを課題にしてはやってるんですけど、よく一緒に練習とかご飯とか行く仲なので、何か聞かれたら答えてあげたいですし、秋一緒にベンチに入って戦えたらなとは思っています。投手コーチも『今まで見てきた中で一番良い素質を持ってる』っていうくらい太鼓判を押しているので、自分はあと半年くらいしか一緒にいれないですけど、引退しても特に頑張って欲しいなって思ってます」

──2年の夏にトミージョン手術を経験されて、リハビリの過程について教えて頂けますか
「一番は初動負荷トレーニングっていうイチローさんとか有名な方がやってるトレーニングをやって、自分のお父さんが陸上をやってて、現役の頃にお世話になってたっていうのもあるんですけど手術した後にそこに通い始めて、本当にそのおかげでリハビリの期間も短くなりましたし、今も通ってるんですけどそれが一番大きな過程なのかなって思います」

──実戦復帰された当時はやはり怖さもございましたか
「怖さは大分あったので、中々投げたいって気持ちはあるんですけど身体がストップかけちゃってて、そこは徐々に徐々に焦らずにって感じでやってました」

──高校時代以来の神宮のマウンド、特別な気持ちはやはりございましたか
「そうですね、やっぱり最初に駒澤戦立った時は長く時間かかってしまいましたけどやっとここに立てたなって、投げながら1人で感じながらやってましたね」

──高校時代のご自身と比べて今一番違うところは
「投げ方とかっていうより、やっぱ野球を考えてやるようになったというか、目に見えないところですけど、そこが一番変わったところかなって思います。高校野球の時はとりあえずバッターに対して投げてって単純なことでしたけど、大学入ったらレベルも高いですし、『このバッターはこういう構えするからここには投げちゃいけない』とか、1人1人に対する野球の考え方は変わったかなって思います」

──惜しくも2位。秋に向けてこの結果はどう受け止めていますか
「6位は入替戦がありますけどもう厳しく言っちゃえば2位も5位も結局は変わらないと思うので、あそこで負けちゃったということは青学にはあって自分たちには無いものが、何かがあると思うのでその何かがまだ分からないから勝てなかったと思うので、秋に向けてここから3ヵ月ちょっとありますけど自分たち4年生中心にそこを追求して秋にはその何かをつかめるようにやっていきたいなと思っています」

──春見つかった個人的な課題は
「沢山あるんですけど一番の課題は投げるバランスが、やっぱり疲れてくると力任せになってしまうので、駄目な球が行く時はバランスが駄目だなと感じる時があるので常に自分の理想のフォームで投げられるようにやっていきたいなと思います」

──秋に向けてここからどういった練習をしていこうと考えていますか
「リーグ戦終わった後には考えていたんですけど、自分はある程度体幹の強さとか身体の強さは補えていると思っているので、ちょっと瞬発的な力強さが欲しいなと思っていたので、トレーナーさんとも相談して瞬発系のウエイトを、ウエイト本当に今年一切やってなかったのでこの3ヵ月間重点的にやって、瞬発系を上げてあとは体重も今87㌔前後なんですけどちょっと落として、体重調整と瞬発系のウエイトに取り組もうかなと思ってます」

──今日(6/9取材時)石田さんがプロ初先発ですが、思い出のエピソードなど頂けますか
「本当に仲良くさせて頂いて、それこそ今年の駒澤戦の初戦、自分ベンチ入らなかったですけど裕太郎さん神宮に見に来てくださって、一緒に見たり、自分が投げるたびに毎回LINEしてきてくれて、今年は結局勝利一回もつかなかったのでそこはちょっとバカにされるところもあったんですけど(笑い)、でも本当にあの人は後輩が大好きなので、本当に頻繁にLINEくれますし、逆に今日先発って事で昨日LINEして『頑張るわ』って来たので、練習終わらなければちょっと裏で見たり応援は絶対しようかなって思ってますね。常に自分にアドバイスくれますし、本当に尊敬してますしちょっと上からになるんですけど頑張って欲しいなと常に思ってますね」

◇今村拓哉(いまむら・たくや)◇
学部学科:文学部・人文社会学科
身長・体重:180.0㌢・87㌔
出身高校:関東第一高校

 

<岩城颯空>(聞き手、構成:高橋美帆)


▲対日大3回戦では無死満塁のピンチを無失点で抑えるなどチームを救った岩城

──リーグ戦では初めての先発が開幕での登板になりましたが、感想は
「自分の中でも初めて先発っていうのがあって。しかも開幕戦っていうのがあって。今までないくらい緊張したっていうのが結構印象的です」

──とても丁寧に慎重に投げてる印象がありましたが、どんなことに注意して投げていましたか
「そうですね。やっぱり先発なので、ゲーム壊しちゃいけないなっていうのを思いながら投げてたんですけど。でも緊張しすぎて自分の力をうまく出せなかった日ではあるかなとは自分の中で思って。結構、嫌な日っていうか、自分の中で悔しいです」

──対駒大戦以降、先発は務められていませんでしたが、先発を取られた悔しさはありましたか
「そうですね。ちょっと駒澤戦の後の国学戦が日の空きがないから国学戦はリリーフ回ってくれって言われたんです。そこからリリーフに定着してしまって。自分の中でずっと全試合っていうか、全カードを先発していくっていう気持ちではあったので、ちょっと悔しさはないことはなくて。でもまあリリーフに行ってくれと言われたからには自分のやることをやるしかないなと、自分の中で気持ちを整理しながら臨めました」

──東恩納(蒼=商1・沖縄尚学)選手や子安(秀弥=経1・東海大相模)選手などの1年生が活躍をされていましたが、意識はしましたか
「そうですね。リーグ戦前半は子安だったり東恩納だったり、1年生が頑張って投げてくれて、試合に勝つことができてたので。まあ助けられたっていうか。でも自分が投げて勝ちたいという思いはありながら試合は見てました」

──初勝利を対亜大2回戦でされましたが、それまでは辛い時期でしたか
「そうですね。これもまた前半戦の話になっちゃうんですけど、まあ東恩納だったり子安だったり山口(謙作=商3・上田西)だったり、今村さんがゲーム作ってくれたっていうのはあって。初勝利っていうか勝ち星をあげるっていう点では、自分個人のことだったんで、チームが勝てればいいかなっていうのはあったんですけど。まずそこで1勝できたのは個人的にはほっとしたっていうのはありますけど、でもそれよりチームが勝つことしか考えてなかったので、そこは何も思わなかったです」

──日大戦から青いグローブに変えられましたが、何か意図はあったりしましたか
「ちょっとまあグローブで気分転換なればいいかなと思って変えましたね(笑い)」

──対亜大3回戦で5回無安打1四球という素晴らしいピッチングがありましたが、ご自身で振り返ってみてどうですか
「亜細亜戦のカードは、チームで初めて3連戦のあったカードで、しかも1回戦目からピッチャーも全員投げてるっていう状態で全員投げて投げて投げてっていう状態。体は全身疲労があったんですけど、自分が行くぞと言われて投げてた時はとりあえず目の前のバッター1人1人抑えていくことしか考えてなかったんで、それで気づいたら 9回までいう感じでした。1人1人抑えるっていう考えの結果がそういう5回とか、ノーヒットとかで抑えられたんじゃないかなと思います」

──リーグ戦全体で個人では3勝挙げられましたが、振り返ってみてどうですか
「個人的な話になるんですけど、自分はやっぱり先発して7回とか ロングイニング投げてチームに貢献したいっていう気持ちは強くあったんで、それがまあ思うようにできなくて。でもまあリリーフでチームに貢献することができたので、自分としてはそういう思いはありましたけど、チームとしてはもうそれがいい方向に行ってくれたので、よかったんじゃないかなと思ってます」

──じゃあ秋は先発をしたいという感じですか
「そうですね。まあどうなるかわかんないですけど自分の中ではやっぱり先発で行きたいっていう気持ちはあるんですけど、どうなるかわかんないんで。やっぱ自分の与えられた役割をその時に全うできるようにしていきたいなと思います」

──今回のリーグ戦は先発経験のある投手がいないというチーム状況の中で継投が多く、まさに総力戦でしたが、投手陣の雰囲気はどうでしたか
「そうですね。まあ継投になるっていうのは監督からも言われてましたし、みんなわかってたんで。まぁだいたいみんなでベンチにいて誰々いくぞってなった時には行ってこいとか明るい感じで送り出すことだったりができていたので、雰囲気としてはとても良かったんじゃないかなと思いますね」

──対日大3回戦では無死満塁のタイブレークの場面でマウンドに上がりましたが、送り出された時はどんな気持ちでしたか
「シンプルにこの場面かっていうのはありましたけど。(笑い)まあ、でもやっぱりマウンド上がったからには自分のやれること精一杯やるだけだったので。その結果がたまたま無失点という結果になったんですけど。あの試合は自分のやることをしっかり出し切れたっていう日ではあったので、それが無失点につながってよかったと思います」

──何に注意して投げられましたか
「そうですね。やっぱりボール先行だとバッター有利、ピッチャー不利になっちゃうんで、それは避けたいなと思いながら投げてました。あとはもうやっぱり気持ちですね。打たせてやらんぞっていう。そういう気持ちしか考えてないですね」

──あの場面はチームの想定として、1点はOKとかそういう状況だったんですか?それとも0点でっていう?
「そうですね。やっぱりノーアウト満塁はピンチっていうか点入りやすいっていうか、まあ入るだろうと想定はみんなしてたと思うんですけど。自分も逆に開き直れたというか。1点取られてもまあいいかなとか思っちゃったりもしたんですけど。でもやっぱり目の前のバッター1人1人っていう思いで投げることができました」

──タイブレークの時にピッチャーへのゴロをホームへグラブトスするなど好フィールディングも光りましたが、ご自身で振り返ってみてどうですか
「そうですね。あれはまあ自分も投げてああいうぼてぼてのあたりでやばいと思ったんです。でもその時は気づいたらホームでアウトにしてたんです。気づいたらアウトだったみたいな感じでしたね」

──フィールディングの練習とか結構されていたりするんですか
「自分はフィールディング下手くそで結構自信ないんで。サイドノックしてる時とかにやっぱりランナー想定したりとか。で、バント処理の練習とかもする時もあるんで。そういうのをめちゃくちゃ大事に自分の中ではやってますね」

──見事ゼロに抑えた時どんな気持ちでしたか
「ノーアウト満塁の場面で0に抑えれて。で、ベンチ振り返って見たときに、ものすごい盛り上がりというか、そういうのがあって。あとは頼んだみたいなことを野手陣に言われて、自分も盛り上がりの流れのままサヨナラで。とてもいい流れで行ったかなと」

──その試合で抑えた時にチームメイトや監督さんから何か声をかけられたりはしましたか
「監督にはもしかしたらもう1回あるかもしれないから気持ち切らすなよという声かけがありました。チームメイトはよく抑えたみたいな感じでみんな言ってくれました」

──この試合を経験したことで何か変わったりしましたか
「自分で変わったとか全然わかんないですけど。まあでもやっぱり改めてその試合終わってから思ったのはこれもさっきと同じような話なんですけど、バッターに向かっていく気持ちっていうか、そういうのはやっぱり改めて大事だなと思いましたし、その思いがボールに伝わればボールが強くなったりするかもしれないので、気持ちで負けちゃいけないっていうのはあるかなと思いました」

──ちなみに今までタイブレークの登板経験はありましたか
「ないです」

──リーグの後半戦にかけて尻上がりに調子が上がりましたが、チームが優勝に近づくにつれて意識の違いや気持ち的に乗っていく部分はありましたか
「そうですね。後半戦はもう下の戦いがないっていうのがあって。上を見て試合する状況だったんで、それはまあチーム的にもまあ個人的にもやっぱ下がないってだけであとは思いっきりやるだけという気持ちの楽って言っていいかわかんないですけど、その下と上の気持ちの違いはあります」

──チームがピンチの場面で登板することも多かったですが、ご自身がチームに果たす役割をどうお考えになっていましたか
「そうですね。役割っていうか途中から自分はリリーフっていうか。しかも後ろの方のリリーフで 。自分が投げるって事はチームが勝ってるか接戦で来ているかっていう場面なので、やっぱりそこを任されるっていうのは自分の中では変なことはできないなっていうのはありましたね」

──春のベストピッチングは
「これって言えないですけど。亜細亜の5イニング行った日とか、日大のノーアウト満塁で行った日とか、あとは青学戦の9回裏のツーアウト2塁からあと1人っていう場面とかは春のベスト3に入るかなと思います」

──対青学大3回戦ではあと1人抑えれば勝利という場面での登板でしたが、どんなお気持ちでマウンドに上がられましたか
「まあ勝ってる状態ではあったんで。あの場面2ー1 でしたし、抑えれば勝ちっていう状況だったんで。自分の中でそのまま三奈木(亜星=商3・浦和学院)が行くと思ってたんですけど、一応作ってて監督が出てきたんで自分だというか。そこからもうスイッチ入れて、もう一人抑えるだけだったんでもう思いっきり全力で行くしかないなっていう気持ちで行きました」

──春の成長と課題は
「まず課題は後ろが多かったんですけど、前でロングイニング投げれるようになりたいなっていうのを感じました。成長はやっぱり自分は結構ピンチの場面で行くことが多かったんですけど、そういうのをたくさん経験させてもらえて、気持ちの面だったり、ちょっとは余裕を持てるようになったのかなと。焦らず、自分のピッチングをするっていうことは、今回のリーグ戦のリリーフになった時にできたんじゃないかなっていうのはとても自分の中であったので、そういうところだったりがまあ去年とかに比べて成長したんじゃないかなっていうのは思いました」

──自分がチームを引っ張っていく存在だという意識や任されているっていう意識は強くなったりはしましたか
「そうですね。去年の秋の終わった状態で言うと4年生がいなくなってリーグ戦を経験してたのが自分と三奈木と山口で。1個上の4年生も結構練習とか引っ張ってくれてる人とかいて、今村さんとかそうだったんですけど。でもまあやっぱりリーグ戦の経験がないっていうのがあって。新チームになってそこはやっぱり経験してる人たちがやっぱり引っ張っていかないとっていうのは思ってました。それはまあ今も変わらないことで、自覚はできてきてはいるのではないかなと思います」

──秋に向けてどのような練習をしていきたいですか
「自分の中でやっぱり先発行きたいっていう気持ちはあるので、先発でロングイニング行けるような体力作りだったり、ピッチングスタイルというかを練習して。リリーフでもやることは変わりないと思うんで。ロングイニングでもショートイニングでもいろんな場面で投げるように準備はしていきたいなと思います」

──春リーグ戦2位という結果を受けて、どういう感想をお持ちですか
「そうですね。自分はもう結構下の方の心配はしてたので、最下位とか。最悪の場合の心配してたんで。それが2位っていう上位に来れたっていうのはとてもよかったはよかったですけど。まあでもやっぱり優勝しないと2位も5位6位も変わんないんで。やっぱりあと1勝というとこで負けちゃったので、そこの1勝で1位なのか2位なのかというそこの差はでかいと思う。2位でしたけど、悔しさは大きいというか、目の前で青学が優勝したっていうとこを見て嬉しさより悔しさが大きいっていうのはありますね」

──最後に秋の個人の目標とチームの目標をお願いします
「チームの目標としてはスローガンの優勝。まあ繋いで勝つというところだったり、それで日本一になるってとこだと思うんでそこは春も秋も変わらず目指してやって行ければいいなと思います。個人としては春よりもたくさん投げて、チームに貢献できたらいいなと思いますね」

◇岩城颯空(いわき・はくあ)◇
学部学科:経済学部・国際経済学科
身長・体重:182.2㌢・92.9㌔
出身高校:富山商業高校

 

<山口謙作>(聞き手、構成:髙梨晃世)

▲対国学大2戦目で初先発初勝利、今季3勝を上げた山口

──今日から練習始まりですか
「はい、リフレッシュできました。1週間ぐらい」

──中大の春の2位という結果はどう受け止めてますか
「優勝が目標だったので、 結果的に最後負けちゃったんですけど、自分もチーム的にもいいシーズンだったんですけど、悔しい気持ちの方がいっぱいあるんで、それはその悔しい気持ちを秋晴らしたいなと思います」

──記憶に残る対戦は
「1番良かった試合は日大の2戦目の 7回途中までノーヒットだったっていうのが1番自分の春の中では、いい投球ができたのかなと」

──キャッチャーの野呂田(漸=文3・秋田中央)選手と日大にどういう配球をしていこうと話し合ったのか
「1戦目、東恩納が投げて、自分は上から見てたんですけど、 そういうのでバッターの狙い、初球どういうふうに振ってるとかをその夜に話し合って、高めに浮いたらヒットが出てしまうんで低めに集めて、ゴロとか凡打が続くから、ボール先行じゃなくてストライク先行で頑張っていこうって言われました」

──優勝決定戦の青学戦で先発を投げるというのはいつ伝えられたのか
「2戦目が終わった夜に言われました」

──伝えられたときはどんな心境でしたか
「2試合とも投げていたので、手の内というか、わかってたんですけど、まあ任されたところは頑張ろうと、最後の優勝決定戦で先発として使ってもらえる、任されたのが自分的には嬉しかったです」

──リーグ戦を戦う中で先発を任されるというのは、リーグに入る前からわかっていたのか
「いや、初先発だったのは国学戦だったので、 そこでいい結果出たんで、そのまま継続というか、次の週もいいピッチングした結果が、最後まで先発っていう起用法になったのかなって思います」

──3勝という成績を残しましたが、先発をやる上で体力なども必要かと思いますが冬、リーグ前にどんな練習を
「冬は投げるよりかは体を作ろうっていうテーマでやって、そこが春のリーグ戦に繋がったかなと。最後の方はちょっと疲れてしまったんですけど、冬でやってきたことが春できて。オープン戦とかあったんですけど、そこで徐々にイニングも去年よりか投げさせてもらって、そういう部分ではイニングっていうのはリーグ戦前に少し経験できたので、そこはすごく大きかったです」

──国学戦で先発投手として投げると伝えられたときは、抵抗はなかったですか
「いや、すごく緊張しました。その夜に言われたんですけどその日は寝れなかったです」

──緊張はそもそもするタイプですか
「あんましないんすけど。初めて先発っていうので、言われた時は自分でいいのかなとか思っちゃったり、すごい緊張してたんですけど、徐々に先発が多くなっていったんでそんなに緊張しなくなりましたけど」

──山口選手は高校時代に選抜大会で160球以上投げてますが、それに比べたら全然?
「いや、もうそん時のスタミナはなくなっちゃいました(笑い)」

──今みたいな打たせて取るピッチングっていうのはいつから確立していったのか
「高校の時からずっと。選抜もですけど、元々変化球が得意だったので、低めに集めて内野ゴロとって楽に進める、打たせて取るっていうのがずっと高校の時からですね」

──スライダーは高校時代から投げられてたが、いつ取得したのか
「高校1年生の時に、春から試合で経験させてもらって、投げる場面になったんですけど、 元々スライダーがあまり曲がらなくて、1年生の冬に本当スライダーを強化すると自分の中で決めて、それをずっとやってきて、2年の春にコロナがあって、夏も試合投げれなくなって。で、2年生の秋の大会で、そのスライダーが初めてその大会で投げる場面があって、 そこでそっからなんか感覚というか掴んで、すごく良くて選抜決まったっていうのが印象で、そこからはずっとスライダーが得意なのかなって」

──同じ左で岩城選手も、存在は大きかったか
「そうですね。自分が先発、岩城も最初先発ですごく信頼されてて。自分もすごいいいピッチャーだと思ってるんで、自分が先発の時は、その後ろに今村さんだったり、岩城だったり、後ろにいるので、後ろを考えるよりかは、もう初回から全力で。もう打たれた時はあとに渡そうっていう気持ちになれたんで。先発が多かったので、岩城が後ろにいたっていうのはすごく自分的には心強かったなと」

──最終戦で4回、4番西川史礁選手(青学大)にフォアボール、攻めた結果か
「そうですね。青学は切れ目のない打線なんで。 本当は4番で勝負して、勝負した結果、その次のバッターで抑えればいいかなと思ってたんで。甘めに行って打たれるよりかは、厳しいとこ行って。その結果がフォアボールだったんで、別にそこは逃げたっていうわけじゃなくて、相手の方が見極めがすごかったのかなって」

──春終わって1番結果に結びついたと思う練習は
「全部です。冬にウエイトトレーニングだったり。それを春先に瞬発系のもやって。それはすごくよくて。冬から春にかけてトレーニングした結果がしっかりリーグ戦で結果に結び付いたんで、 そこはもっとトレーニングして、秋も春よりいい結果が出せるようにこれからやっていきたいなと」

──尊敬する選手でソフトバンク和田毅選手をあげていたが、今日(6月9日)14時から石田裕太郎選手が投げ合うが
「そうですね。いや、和田選手より裕太郎さんの方を応援します。初登板なんで見たいんですけど、練習あるので、 すぐ帰ってみたいなと」

──石田選手からなにか教わったりは
「投球フォームはあんまりなんですけど。トレーニング方法だったりとか、ちょくちょく連絡取ったり、試合終わるたびに『ナイスピッチング!』だったり。すごく気にかけてくれるんで。 そういう人が1軍で登板されるんで、最初から見たいですね」

──石田選手からリーグ戦中に連絡があった?
「そうですね。毎回、投げるたびに連絡くださって」

──他に先輩で連絡がきた方は
「大栄(陽斗=令6卒・トヨタ自動車)さんはきました」

──春見つかった課題は
「春は変化球中心で行って、最初は通用したんですけど。途中からそれをわかってきたバッターが多くて。最後の青学の佐々木泰選手に打たれたボールも、1番自分が自信あるスライダーだったので、それを狙われたっていうのが、スライダーに結局頼ってしまったっていうのが現状なんで。ストレートをもっと投げる選択肢として、ストレートがもっと良かったら違う結果になったのかなって自分で考えてて、そこが春通じてずっとなんですけど、最終戦でもっとストレートを磨かないといけないなって思った1球だったんで、 ストレートっていうのが春のリーグ戦を通じて1番の課題じゃないかなと思います」

──大学野球、折り返し、今後の進路は
「社会人でもプロでも。はい。野球は続けようかなって思ってます」

──最後に秋での目標
「チームとしてはこういう2位で悔しい結果で終わったので。秋は優勝したいなと。個人としては序盤良かったんですけど、後半に連れて失点も多くて、チームに負けっていうのがついてしまったので、自分の目標は最優秀防御率です。それを取れればチームにもいい影響にも及ぼして、個人としてもいい結果に繋がるんで。 自分が点取られなかったらチームが勝つと思うので、それを目標に秋は頑張りたいなって思います」

◇山口謙作(やまぐち・けんさく)◇
学部学科:商学部・国際マーケティング学科
身長・体重:176㌢・77.9㌔
出身高校:上田西高校

 

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