2024シーズンは春リーグ2位、秋リーグ5位と悔しい結果に終わった中大硬式野球部。2025年は四冠を達成すべく、繁永晟(商3=大阪桐蔭)新主将のもとに現在冬練習に励んでいる。今回はそんな選手たちを陰からサポートする学生コーチの方々の声をお届けする。今回は、永井大斗(経3=福岡大大濠)。元プロ野球選手の父を持ち、甲子園に出場した過去を持つ彼が学生コーチになるまでの道のり、父の存在、今年の目標などに迫っていった。(取材・構成=紀藤駿太)
──自己紹介をお願いします。
「永井大斗と申します。高校までは福岡で野球やってて、大濠高校ってとこで野球やらしてもらってて、大学に来て選手として入部したんですけど2年生まではちゃんと選手で野球やってて、そこからは学生コーチという道で大学3年生から学生コーチをやっています」
──学生コーチになられた経緯を教えていただきますか
「毎年伝統があるんですけど、その中で監督に2年生の終わりぐらいですかね、推薦っていう形にはなるんですけど、学生コーチをやってくれないかっていうことで、声かけてもらって、自分としては選手として、小学校くらいから合わせると15年くらい野球やってきて、大学では正直挫折みたいなところもあって、なかなか試合に出れなかったり、そういうところもあってその中でチームとして日本一を目指していく中で選手ではなかったけれど自分のことを必要としてもらった、学生コーチとして日本一に貢献できるっていうところと、自分の中で学生コーチになろうかなっていうところで、最後は自分で決断したっていう感じですね」
──学生コーチの主な仕事内容を教えていただきたいです
「朝行って、その日の練習メニュー決めることが1番、コーチと一緒に練習メニュー決めるんですけど、その中で1日1日の練習を大切にしていく中でチームとして日本一、四冠っていうのが今年の目標になるんですけど、四冠を達成するために1日1日の練習を大切にしていくっていうところを1番にチームとして置いてて学生コーチの仕事としては練習を考えることであったり、その中の練習で今日はどういうこと意識していこうとか、テーマを決めたりとか、その中で選手のサポートしたりとかそういうことが仕事かなって思います」
──学生コーチとしての目標はありますか
「自分の目標としては、チームとしてはまず日本一、四冠っていう目標があって、自分が選手じゃないんで、自分がどれだけ活躍して貢献できるかっていう話じゃなくなってきて、学生コーチって、その中で他の選手だったり、監督コーチと同じ立場までいかないんですけど、そっち側の立場として他の人に結果を出してもらう、そういうところが学生コーチの1番楽しいところであり、難しいところであるかなっていうふうに思うので、選手のモチベーション維持だったり、チーム全体が同じ方向に向けるような取り組みとかをしていきたいなって思っています」
──最上級生の学生コーチが4人いると思うんですけど役割分担とかってされてるんですか
「この人がAチーム見て、Bチーム見てとかはないんですけど、とりあえず4人で協力してっていうのが1つあってその中で出田(龍太郎=経3・東明館)っていう学生コーチの中で1番手っていう感じで、その中で自分たちもそこをサポートしつつ、自分たちの仕事であったり、そんなに人数も多いチームじゃないので全体を通して、チーム全体のサポートを4人でやっていくっていうところ、村山(太一=文3・札幌光星)がピッチャーを見てるんで、役割分担としては自分と佐藤豪(経3=藤代)が野手、出田も野手見てて、村山がピッチャー見てるみたいなぐらいですかね」
▲打席に立つ永井(写真は本人提供)
──今のチームの雰囲気はどんな感じですか?
「まだ冬の時期っていうのもあって、試合前みたいなピリピリムードではないんですけど、そんな中でキャプテンの繁永が元気出してみんな盛り上げてくれるタイプなんで、その中でみんな下級生とかも野球がやりやすい雰囲気でやれてるんじゃないかなって思うし、みんな日本一、四冠っていうところを目指して野球やってるんじゃないかなって思います」
──新スローガン「覚悟」の決まった経緯と意味
「特にまず4年生、新チームなって1番上の代で話し合って、青学大が最近ずっと四冠、優勝してる中で自分たちも四冠獲りにいこうってところでそういうふうに『覚悟』を持って練習だったり、試合だったり、全てのことに覚悟を持って取り組んでいこうってところで話し合って、チーム全体でも話し合って、そういうふうになりました」
──今年のリーグ戦の結果をどのように捉えてますか
「結局、最終戦まで優勝できるかもとか言いながら優勝できなかったっていうところで、あと1つ勝てなかった、そういうところが今のチームの弱みかなっていうところではあるので、かといって何をしたらあと1勝できるっていうところはまだわからないですけど、その中で当たり前のことを当たり前にやるだったり、それこそ先ほど言った覚悟っていうところを持って1つ1つのプレイだったり、1つ1つの試合を大切にすることで、去年できなかったあと1勝っていうところまで辿り着けるんじゃないかなって思ってます」
──注目している選手はいますか
「1個下でいうと、中川(雄斗=文2・遊学館)だったり、頑張ってると思うので、出てきてほしいなっていうふうには思います」
──元プロ野球選手で今はホークスのスカウトやられてるお父様は永井さんにとってどんな存在ですか
「自分ひとりっ子で、親と子供って感じじゃなくて、友達とか兄弟みたいな感じでずっと接してきてもらったんで、自分の中でなんでも話せる存在でもありますし、野球のこともそうですし、自分のこと全部ちゃんと話聞いてくれるし、頼りになる存在かなって思ってます」
──お父様に学生コーチになることについて相談されましたか
「しました。親父がプロ野球選手ってこともあって、ずっと野球15年間くらい選手として野球やってきた中で、自分の中で少しプレッシャーもあったし、結果残さないとか比べられるとか、そういう面で自分でも戦ってきたつもりだったんで、親にはちゃんと話したんですけどその中でずっと野球をやってきた存在だったからこそ、野球をやっていく上での厳しさも分かってくれたし、その中でここまで野球やってこれて、甲子園だったりとか全国大会とかも出場させてもらったりしたんで結構頑張ったんじゃないかっていうふうに言ってもらいました」
──高校時代の1番の思い出は何ですか
「ベタになっちゃうんですけど、甲子園に出たことが1番思い出で、それまで高校野球入ってからずっと甲子園出たいって気持ちはあったので、その中で自分たちの代で出れたっていうことはすごい思い出に残ったし、楽しかったですね」
▲高校時代はレギュラーとして春の甲子園に出場した(写真は本人提供)
──高校の同期で今でも連絡取ったりとかされてますか
「この前の年末もみんなで集まったりしましたし、1番仲良いのはキャッチャーの川上(陸斗=法大)、結構会ったり飲みに行ったりしてます」
──高校時代の八木監督(福大大濠監督)には学生コーチになることを相談しましたか
「学生コーチになった時に連絡して、電話したんですけど、八木先生も、野球お疲れってことと、学生コーチやるって自分で決めたんだったら日本一の学生コーチになれってことで、何事にも一生懸命に取り組んで日本一の学生コーチっていうのを目指してやれっていうふうに言われました」
──中学時代、糸島ボーイズでジャイアンツカップに出られたり、高校時代に福大大濠で甲子園に出られたという経験は学生コーチをすることに対して活きてくると思いますか
「自分の中で、大きな舞台を経験したっていうのは1つ経験としてすごい大事なってくると思うんですけど、選手の時は自分が試合に出たいとか、自分が試合で結果出したいとか、自分のこと考えることが正直多かったっていうのもあって、選手って基本それが多いと思うんですけど学生コーチになってから客観的に、自分が結果出すじゃないってさっき言ったんですけど、客観的に人を見てこの人はどう考えてるのかなとかそこを見るようになったんでその経験も活かしつつ、新しい自分の経験にもなっているかなっていうふうに学生コーチやってて思ってます」
──大濠でこいつすごいみたいな選手っていましたか
「キャッチャーの川上はすごかったですね」
──大濠高校から中大って古賀(悠斗=令4卒・埼玉西武ライオンズ)さんだったり、深浦(幹也=福岡大大濠・経4)さんなど、繋がりはあったりするんですか
「どうなんですかね、監督同士は多分知り合いだと思うんですけど、誰でも行けるって感じではない、自分あんまりその辺は理解してないです」
──中大から声がかかったみたいな感じですか
「甲子園出て、関東行ってみたいって思ってたんで、行かしてもらいました」
──中学や高校の先輩や同期、後輩とかが結果残していることについてどう思うか
「めっちゃうれしいっていう気持ちは大きくて、ライバル視ってよりはもう特に大濠の子達は自分も野球を辞めた身で、そんなのは一切ないんで、シンプルにうれしいってところと頑張ってほしいなっていうふうに思ってますね」
──キャプテンに小学生時代ホークスジュニアで一緒だった繁永さんがなったことについて特別な思いとかってありますか
「小学校の時から知ってるっていうのもあって、小学校の時からすごいと思ってたんで、全然不思議とかではないですし、こいつなら大丈夫だろうなって思ってます」
──地元福岡のいいところってありますか
「あたたかい、情に熱いだったりあたたかい人が多いかなって思います」
──中大野球部って福岡の人多いので地元トークとかしたりしますか
「九州とか福岡、特に自分の代多いんで、みんなで集まってこの前も飯食いに行ったり、結構地元の話とかで盛り上がったりすることはありますね」
──年末年始のオフは何して過ごされましたか
「飲み行ったり、遊び行ったりしてましたね。今年は特に今までずっと野球ありきの年末年始だったので練習とかしてたんですけど今年初めて野球が終わったオフだったんでゆっくりして遊び行ったりしてました」
──どんなチームを目指していきたいですか
「さっき言った四冠っていうのはずっとみんな言ってることなのでそこに向かってみんな進んで行けたらいいなって思うのと、やっと自分たちの代、4年目っていうところで、自分たちの代になったので自分たちがチームを引っ張っていくっていうところで4年生中心に全体引っ張って四冠導けたらいいなって思ってます」
──最後に新チームのメンバー全体に向けて一言お願いします
「全員で四冠獲ろう!」
◇永井 大斗(ながい・やまと)◇
学部学科:経済学部・公共環境経済学科
出身高校:福岡大大濠高校
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