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「恩を最後のリーグ戦で返したかった」ーオンライン取材企画・ボクシング部

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、明かりが消えたスポーツ界。大学スポーツも開催予定だった各大会の中止や延期といった影響を受けています。4年間というタイムリミットがある大学スポーツ。このような出口が見えない状況の中、大学生アスリートたちはどのような思いで1日1日を過ごしているのか。中スポを通して、この1年を戦う選手・スタッフの皆さんの声をお届けできればと思います。第18回はボクシング部。主将の湯本匠選手(文4)にお話をお伺いしました。

※この取材は5月14日に書面にて行われたものです

▲新体制での集合写真(写真提供:ボクシング部)

 

――今の部の現状、部員の状況について教えてください
「4月の初めから部活動はしておらず、解散状態です。大半の部員は実家に帰っていますが、寮に残っている部員も数名います」

 

――監督、コーチから自粛期間を迎えるにあたって、指示はありましたか
「自粛期間中に体力が落ちないように、家の中でできるトレーニングや、人との接触を避けられるのであれば、外でランニングトレーニングをするように指示がありました」

 

――制約がある中で各自どのような取り組みをしていますか
「家の中でできるトレーニングをして、体力が落ちないようにしています。また試合の動画を見て研究するなどして時間を無駄にしないように心掛けています」

 

――部員間で連絡は取れていますか
「主にLINEのグループで連絡を取り合っています。最近ではWeb会議システムを使ったオンライン部活も検討しています」

 

――この自粛期間で苦労していることはありますか
「こういった状況ですが、ポジティブに考えてだらだらとしないように規則正しい生活をしています。来年の就職に向けての勉強には苦労しています」

 

――自粛期間の中で、主将として意識すること、チームの皆さんに求めることがあれば教えてください
「新チームになってすぐの解散ということもあり、この自粛期間中に部全体のまとまりがなくなってしまうのではないかという不安がありますが、自分が率先してチームを引っ張っていこうと思います。リーグ戦が中止になり部員一人一人のモチベーションがかなり低下しているので、個人戦もしくは来年のリーグ戦に向けてもう一度目標を設定して気持ちを切り替えて欲しいです」


▲今年度、主将に就任した湯本

 

――湯本さんから見て、今年のチームの手応えはいかがでしたか。
「昨年のリーグ戦に出場していた選手が多く、4年生を中心にチーム全体としてもまとまっていたので今年のリーグ戦には自信がありました」

 

――その中でリーグ戦が中止と決まったときのチームの反応、湯本さん自身の率直な思いを教えてください
「このリーグ戦で勝つことを目的につらい練習も頑張ってきたので、落ち込まなかった部員はいないと思います。私としては、『なぜ自分たちの代なのか』、『なぜこの時期なのか』、誰も悪くないからこそ、このつらい現実を受け入れることができませんでした。リーグ戦に力を入れていた分中止という報告には悲しさだけが残りました。こんなに早くキャプテンとしての務めが終わるとは思わなかったし、最後のリーグ戦にキャプテンとして全勝したかった。また一年のときから同期で『最後のリーグ戦は同期全員で一緒に出られるように頑張ろうな』と話していたのでその夢が叶えられなかったのは本当に悲しいです。コーチやOB、家族、その他大勢の中央大学ボクシング部を支えてくれた人に、その恩を最後のリーグ戦で返したかったです」

 

――4年生はこのまま引退となるのでしょうか。それとも例年11月に行われている全日本に出場するのでしょうか
「引退するか、全日本に出場するかは個人の判断に任されていますが、引退する部員の方が多いです」

 

――最後になりますが、来年リーグ戦を戦う後輩への思いをお聞かせください。
「自分達の代がリーグ戦に出場できなかった分、後輩達には頑張って欲しいですし、これまで練習してきたことに自信を持って誰かが出場するからではなく、自分が毎試合出場で全勝してやるという気持ちで全力を尽くして闘って欲しいです」

 

――ありがとうございました

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部