新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、世界中が前代未聞の事態に陥った2020年春。一大イベントとされた東京オリンピックが延期され、暗雲がスポーツ界を漂いました。しかし、先行きの見えない状況でも、己と向き合い厳しい練習に励むアスリートがいます。己の限界を超え、挑戦するアスリートの輝きは、私たちの心に希望の光をもたらしてくれます。
今回はそんな輝き溢れるアスリートの１人、フェンシング部の江村美咲（法４）選手にオンラインでお話を伺いました。
▲ニコりと微笑む江村選手（左）
身長を活かしたダイナミックな攻撃が持ち味の江村選手。攻守ともにバランスが良く、豊富なバリエーションから繰り出される技は一瞬で相手を仕留めます。蝶のように舞い、蜂のように刺す可憐な動きは、見る者の心も仕留めます。そんな江村選手がフェンシングを始めたきっかけは、ともにフェンシング日本代表だった両親の影響です。江村選手の活躍は華々しく、2018年にアメリカで行われたワールドカップで自身初となる２位を獲得しました。また2019年の全日本選手権では２連覇を果たすなど、進化が著しい江村選手の活躍からは目が離せません。
第１弾の今回は、絶対的エース・江村選手の「練習の日課から五輪への意気込み」まで、全９つの中スポ独占Q＆Aを大公開致します！
▲可憐に舞い剣先を鋭く突き刺す江村選手
――練習前に行うルーティーンは何かありますか？
「練習も試合もルーティーンは特にありません。練習の時の日課としては練習前にノートに課題を記入し、練習後にその課題ができたかどうか振り返りまた課題を書き出すことです。」
――江村選手流の練習メニューを教えてください
「メニューはチームで組まれているのでフェンシングにおいては特に変わったことはしていませんが、個人的に身体のメンテナンスやケアの面で、六本木スタジオがある樫木裕実先生の所に通っています。」
――試合前、集中力を高めるために心掛けていることはありますか？
「準備は入念にします。食事や相手の研究。自分が意識することや戦い方は明確にして臨むようにしています。」
――今年の３月に欧州で転戦中だった江村選手。急遽日本に帰国しなければならなかった時の心境を教えてください。
「状況が状況で試合がいつ中止になるかと皆ソワソワしていたので”遂に中止になってしまったか”と思いました。あと1試合でオリンピックの出場の可否が決まる所だったので戦いたい思いもありつつ、怪我をしていたので治療の面では時間が確保できたという考えもできるかもしれません。」
――３月２４日に東京五輪の延期が発表されましたが、当時は焦りや動揺などありましたか？
「これもやはり予測できていたので驚きはありませんでした。どうしようもないなと思い、気持ちを切り替えるしかありませんでした。」
▲自宅でトレーニングに励む江村選手
――五輪延期発表から現在に至るまで、五輪に向けて取り組み直したことはありますか？また、コロナ禍の練習方法も教えてください
「まずは怪我の治療に専念し、徐々に負荷を上げていきました。練習場(NTC)も閉鎖され、自宅でトレーニングするしかありませんでした。対人競技の為、距離感や感覚を失いたくないと思い自宅でできる範囲のフェンシング動作や動画を見たりしましたが、練習を再開してみると、それでもかなりのブランクを感じました。」
――五輪に関して、今抱いている不安は何かありますか？
「1年後にオリンピックが開催ができるのかという不安が1番大きいです。今は1年後に向けて準備していますが新型コロナウイルスもなかなか収束が難しく、このような状況で開催できるのかどうか疑問に思ってしまいます。」
――五輪で一番のライバルになりそうな人物や国はありますか？
「特定の選手や国はいません。ワールドカップや日々の試合でもそうです。いつも誰が勝ってもおかしくない状況で戦っています。全員ライバルです。」
――東京五輪に向けた意気込みや成し遂げたいことを教えてください
「結果としてはやはり金メダル獲得することですが、まずは自分が納得できる全ての準備をして、試合でも自分のプレーをしてやりきった後に金メダルがついてきたら最高だなと思います。」
――ありがとうございました！
※次週、【中スポ独占Q&A】第２弾！江村選手のプライベートに迫った私生活編をお送り致します。是非、ごチュー目ください！
〈江村美咲選手・プロフィール〉
なまえ：えむら みさき
生年月日：1998年11月20日
出身地：大分県大分市
出身高校：大原学園高等学校
身長：167cm
血液型：Ａ型
記事：「中大スポーツ」新聞部
