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【サッカー部リーグ戦開幕前特集】前編「長期的に何か残せる1年に」 主将、副主将インタビュー

いよいよ今週末、関東大学サッカーリーグは開幕を迎える。昨シーズン1部10位という結果に終わった中大は、山梨学大との入れ替え戦を制し1部残留を果たした。中大らしさを継続しつつ、悔しいシーズンとなった昨年からどうアップデートし、目標に向けどんな戦いを見せるのか。開幕前特集として、選手へのインタビューを前編後編の2本立てでお届けする。

前編は主将と副主将へのインタビュー。主将の大野篤生(経4)と3人の副主将を代表して長澤圭剛(文4)に今季にかける思いを中心に語ってもらった。

(取材、構成:琴寄永里加、大澤晶、山口周起)


 

主将の大野(右)と副将の長澤

 

―主将、副主将に就任した理由

(大野)自分がキャプテンに選ばれたというか立候補に近いような形ですけど、1年の時から学年リーダーという形でやっていましたし高校でも部長をやっていたので、その経験をやっぱり無駄にしたくないというのはありました。せっかくだから大学に来ていろいろ学べた分、高校で学べた分をしっかり還元しようということで、1年の時から自分がキャプテンになる未来を描いていたというのは結構大きくて。去年は試合になかなか出ることはできなかったけど、そこの責任をしっかり果たしたいと思って立候補しました。

(長澤)副将は立候補とは違って、 みんなの推薦という形で投票にしてそこから選ばれたという感じです。自分に関しては昨年試合に出させてもらって、ピッチでの情熱的な部分だったり、ピッチ外でのチームを統括する、分析的、客観的な部分だったりの両面があるというところで、主将を支えていく立場に選ばれたと思うので、今年1年頑張っていきたいです。

 

―これまでの3年間の個人的な振り返り

(大野)自分は大怪我からの入学で1年の11月まではプレーできなくて、そこからやっと11月に復帰して序盤は結構好調だったけど、Aチームに上がっても何もできずに2年の間はBチームで出場機会を重ねてというところでした。途中Aチームに上がったこともあったけど、納得のいかないパフォーマンスが多くて、Bチームに落ち着いてしまって。3年の時はもう初日で怪我して、そこからなかなか2、3か月なかなか復帰できなくて、なかなかポジションも奪えなくてというところでした。ただ、逆にそういうもどかしい経験があったからこそ、Bチームの存在だったり気持ちだったりを知っている分、悔しい思いを抱えてやっている選手の分も戦うというところは、悔しい思いと裏腹に養えた貴重な経験なので、それを最後はピッチで表現するというところを今年はできたらいいなと思っています。

(長澤)僕の場合はスポーツ推薦ではなく一般入部してきて、当然すごい経歴を持つ選手たちもいる中で、1年生はBチームでずっと活動していて試合に出たり出なかったりして、2年目の時にトップチームに上がらせてもらいました。その時まではずっと攻撃的なポジションにいましたが、2年生の時1分も試合に出ることができなくて、ずっとベンチやベンチ外でした。自分的にも悔しい思いを持ったなかで監督と話し合って、ポジションをサイドバックに変えよう、やってみないかと提案してもらって、3年目にサイドバックに変えて、3年目からは多分ほとんど試合には出させてもらいました。自分も2年目の時はトップチームに上がっている同じ学年で唯一1分も試合に出られなかった悔しい思いを持ちながら、でもトップチームにいるプライドとか責任もあって、そこに対して何も果たせていないという自覚があったので、3年目はポジションは変わりましたが、自分が与えられた走る部分であったり、声を出すという部分だったりを全うできたかなと思います。結果的にチームとしてはぎりぎりの戦いでしたけど、全国大会にも出ることができました。今年は去年から出ている身として、よりチームをピッチ内でもピッチ外でも引っ張っていかないといけないと思うので、1部優勝というところを明確に自分たちがやっていきたいと思っています。

 

―新チームの雰囲気について

(大野)去年と比較してみると、結構去年はわあわあがやがやしている感じでしたけど、今年は静けさの中の緊張感や集中力の部分が強みになってくるかなというところはあると思います。いい方向に全員が向いた瞬間、みんなの向きが揃った瞬間は爆発的な力が出るけど、結構癖が強いというか、個性の強い選手がたくさんいるので、その子たちのパワーをうまくコントロールする、その子たちのパワーが変な方向に向かないようにすることが今年の鍵かなとは思っています。今までの中大とは一味違ったような、負けん気の強さだったりとか闘志だったりとかは4年間いた中で一番ある1年にはできると思うので、また違った中大が見せられるのではないかと思います。

(長澤)主将が言った通り、堅実な4年生と個性的な1、2、3年生みたいなチームカラーにはなっていくと思っていて、その中でどちらかというと去年までの中大はその個性的な部分を生かしていこうというところで、楽しくというのがベースにありましたが、そこだけだと関東リーグの上位に食い込めるようなチームにはなれないのではないかということを4年生で話し合いました。楽しさの中にも真剣にぶつかり合える環境をしっかり作っていかないといけないということで、そこは自分たち4年生が今の段階でしっかり努めています。もちろんまだ始まって1カ月くらいなので、それができているかと言われたらまだまだ足りない部分はありますけど、去年と今年は違うという部分は今の段階ではできていると思います。

 

―2人が描く理想のキャプテン像と副キャプテン像

(大野)好感度はもちろんですが、やはり最後はサッカー選手である以上、ピッチでどんな振る舞いをしてどんな結果を残すか、どんなプレーをするかに全てが詰まっていると思うので。あとは、ここまでこつこつと頑張って人間関係とかを築いてきた分、最後はピッチで何より輝ける主将でありたいなと、プレーで引っ張れる主将でありたいなとは思っています。

(長澤)自分に関しては副将という立場で主将も支えていかないといけない、しっかりチームメートのことを見ていかないといけない立場だと思っているので、自分のキャラクター的にもしっかり全員に対して働きかけてサポートしていけるような、自分に対してすごく頼ってくれるような副将であり続けたいという部分がピッチ外の目標です。ピッチ内ではもう役割はあまり気にしていないというか、そこはあまりですかね。でも副将という立場ではあるので、責任や役割を感じながら自分が常に先頭に立って引っ張っていけるような、プレーや態度をしっかりピッチ内でも示していきたいと思っています。

 

―二人でコミュニケーションをどんな感じで取っているのか

(大野)ミーティングとかは去年の夏からで、いわゆる幹部と呼ばれる7、8人ぐらいで去年の夏からは週1、多いときは週2で、1時間から2時間弱くらい時間を取って、来年どうするみたいな話を毎週毎週やってきました。そこではたくさんコミュニケーションを取ったし、助けられたシーンはたくさんありました。

(長澤)ミーティングの回数で言うとほんとに時間をかけていて、今年の目標だったり、チームの理想像だったりを作るために、 去年の夏から何回、何十回も、それくらい時間をかけてやってきました。そのくらいチームを変えたいというか、強い中大を取り戻したいという思いが今年はあるし、以前から今年の4年生はみんな結構仲いいですが、これからもっとコミュニケーションを取っていかないといけないと思っています。

 

―去年のキャプテン猪越優惟選手(令6卒・現清水エスパルス)とはなにか話したのか

(大野)あまり話していなくて、理想としているものの違いは多少あると思うし。自分は自分なりにというか、いろいろ考えていろいろ悩んで、 すごく落ち込んだ時期もあった分明確にこうなりたい、こうありたいという自分があったので、そこに対して迷いがなかったし、他の誰からも助言を求めることはなかったですね。 あくまで今年は自分たちで作り上げていくものだという認識があったので、そこはあまりコミュニケーションは取らなかったです。

 

―キャプテン、副キャプテンに就任して意識や行動など変わったこと

(大野)あまりないですね。昔からというか、そういうキャラというか、それこそキャプテンになる未来を描いてた分、変わらないかな。 立場だったりその役職だったりに左右されて振る舞いが変わるような人間だったら、多分誰もついてこないのであくまで振る舞いは変えずにというところです。でもやっぱり練習の雰囲気がちょっとぬるかったりとか、試合でちょっとうまくいかないとかになると、責任の感じ具合は結構変わったかなとは思います。「俺らがやらないからこうなるんだよな」と思うことは増えました。

(長澤)責任だね。

(大野)責任を感じるようになりました。

 

―早速Aチームに入った新1年生も多いと伺ったが、新入生に対する印象は

(長澤)毎年そうそうたる経歴を持った子たちが入ってきて、今年はその中でも代表を経験している選手も多く入ってきたので、実際今6、7人くらいトップチームに入っていて試合にも絡んでくるかもしれないという状況です。自分もそうでしたけど、大学サッカーに入ってきて慣れなかったり、先輩たちがどうなんだろうという不安があったりする中で、 やりにくい環境を作りたくないと思っているので、1年生が最大限力を発揮できるような環境づくりを4年生がしていかないといけないと思っています。スキル面で言ったらもう全然学年関係なくすごい1年生だと思っています。

(大野)真面目だよ。真面目な学年だと思います。きっと。

(長澤)どちらかというと1年生も俺らみたいな感じかな。2、3年生がすごく個性的なので。

(大野)似たような雰囲気は感じますね。なんか全員のバランスが取れていて、お互いに補完し合えるような学年なのかなと思います。まだ全員入ってきていないから分からない部分もありますが、今のところ見ているとそんな感じがします。

 

―チーム目標は

(大野)チーム目標はもちろん日本一と関東リーグ優勝で、そこは外したくないですね。 去年の最後の方とか見ればわかりますけど、ちょっと戦えば、ちょっと頑張れば、ちょっと踏ん張ればあれだけ戦えるし、技術で言ったら自分たちの方が下手だなと思う試合は年間通して1試合もないので。あとは戦うところをどれだけ突き詰められるかで勝てると思います。だからこそ、夢物語じゃなくて本当に取りに行くという意思を持って今年は臨みたいです。

(長澤)今年のスローガンが「BE ROOTS」で、根っこになろうというテーマを今年掲げていて、強い中大を取り戻すこと、新しい中大の1本目になろうということは自分たちで話しています。だから、今年1年間で自分たちが何かしようというのはもちろんあるけれど、自分たちが卒業した時に来年、再来年でもしっかり強い中大を継続できるようなチーム作りをやったり、雰囲気作りをしたりというところは、今年の目標でやっていかないといけないなと思っています。そこがある意味今までの中大と違うところというか、自分たちの学年で日本一取ろうというような目標設定はしていましたが、その先を超えて中大というチームがもっと良くなるために動き出した学年は自分たちが久しぶりなので、長期的に何か残せるようなチームの1本目になりたいなと思っています。

 

―個人目標は

(長澤)個人としては去年1ゴール5アシストで、数字のところはしっかりこだわっていきたいと考えています。ちょっと大きい目標ですけど5ゴール10アシストで、あとはまず開幕戦から試合に出るということが今の段階での目標ではあります。

(大野)リーグ戦だけ?

(長澤)いや、カップ戦も含めてシーズン通して全部で、合わせて5ゴール10アシストです。結果的にタイトルもチームとして取れるようにやっていきたいと思っています。

(大野)自分が付ける背番号が「篤生の何番だ、じゃあ俺も付けたい」とかになるといいかな。だからもうそれこそ私生活から振る舞いから、その番号が自分の番号であり続ける、歴史に残るようなプレーと行動をしたいです。うまく書いてください(笑)

 

◇大野篤生(おおのあつき)◇
平成14年6月10日生、前橋育英高出身、ポジション-DF

◇長澤圭剛(ながさわけいごう)◇
平成14年10月30日生、桐蔭学園高出身、ポジション-DF

 

4月3日発行の「中大スポーツ」第182号では、3面に今回のインタビューの関連記事を掲載しておりますので、そちらもご覧ください!

開幕前特集後編は期待のルーキーへのインタビューをお届けします!

 

◆開幕戦試合情報
対戦相手 日大
日時 4月7日(土)14時キックオフ
場所 日本大学アスレティックパーク稲城サッカー場

 

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