2月12日 田沢湖スキー場 2月24~27日 花輪スキー場
スキーの大学日本一を決めるインカレが秋田県の田沢湖スキー場、花輪スキー場で行われ、中大スキー部男子勢はアルペン競技、クロスカントリー競技ともに上位入賞者を輩出し、学校別総合順位でも2012年大会以来となる1部3位に入る活躍を見せた。女子は学校別総合順位で2部29位であった。
このインカレは成績上位者にポイントが傾斜配点で与えられ、1番多くポイントを獲得した大学が優勝となる。2月12日のアルペン競技・スーパー大回転では、前日に全日本選手権を現役の中大選手として13年ぶりに制覇した髙橋大成(法4)が2位に入るなど幸先の良いスタート。インカレ再開後も24日のクロスカントリー競技10㌔フリーでは髙橋汰門(経1)が2位、26日のアルペン競技・回転では全日本学生スキー連盟の強化指定選手である富井大賀(法1)が優勝に輝いた。
富井の1本目は1番目のスタート。「いつも1番目のスタートは緊張してしまう(富井)」というが、先輩がコースを試走するフォアランナーの1人として滑走。1番目のスタートではないと自分に言い聞かせ緊張感を和らげた。滑りやすい綺麗なコースを駆け降り、43.29秒をマーク。暫定1位で2本目に臨むことができた。「大きいミスをしなければ勝てる(富井)」。2本目を前に富井は優勝を意識し吐きそうになるぐらい緊張した。そんな彼を支えたのは仲間の応援だった。「応援のおかげで良いスタートが切れた(富井)」。荒れるコースを果敢に攻めフィニッシュ地点へ。電光掲示板の1番上に自身の名前が表示されると、ガッツポーズで優勝の喜びを表現した。「めっちゃうれしいです(富井)」。富井にとってこの日は最高の1日となった。
▲優勝し笑顔の富井(ゼッケン1番)
26日終了時点で中大は明大と並ぶ46.0ポイントで3位タイ。インカレ3位を懸けて最終27日のクロスカントリー競技4×7.5㌔リレーに挑んだ。第1走者は栗林和希(経2)。雪が降るなか第1集団の先頭に立ち、第1集団をけん引。逃げ切りを図るが、日体大に続く2位で第2走者の干川桐摩(経3)につないだ。干川は2周目まで第1集団の中にいたが、3周目の時点で脱落し専大と第2集団を形成。最後の急坂を懸命に登り3位で第3走者の松本良介(経2)へ。松本も順位を5位に落としたものの第2集団からの脱落を許さず。交代地点で最終第4走者・髙橋汰門の背中を右手で押し、全てを髙橋汰に託した。髙橋汰は10㌔フリー2位の実力を遺憾なく発揮し、独走体制に入ろうとする東海大に続く2位に躍り出る。2位を争う日大、東洋大との三つ巴の戦いとなったが、最終的には日大から3.0秒遅れの3位でフィニッシュ。リレー3位以内の目標を達成し、待っていた仲間は髙橋汰に「よくやった!」、「ナイスラン!」と労いの言葉をかけた。
▲1年生にしてアンカーの大役を務めた髙橋汰(ゼッケン30番)
11位の明大よりも順位で上回ったため、学校別総合順位でも2012年大会以来となる3位を確定。アルペン競技に限れば日大に続く2位と好成績でインカレを終えることができた。躍進を遂げることができた要因は何だったのか。「良い意味で自由なチーム」。吉澤脩蔵主将(経4)は今年のチームをこのように表現した。部員一人一人が自分に適した練習メニューで調整し、成績の向上を目指した。「チーム全員で足並みをそろえて前に進むのではなく、自分のペースで調整できたことがいい結果につながったと思います(吉澤主将)」と個人を尊重する方針が結果に現れた。ただ選手は自分のことだけを考えていた訳ではない。「チーム一丸となって闘うということをより一層感じ取れたインカレでした(三上大我アルペンチーフ・経4)」と個人のためだけではなくチームのために全員は奮闘した。選手が着用するゼッケンには他大も含めロゴマークは入っていなかったが、確かに選手の心には赤いCのマークが宿っていた。
令和最初のインカレで素晴らしい滑走を数多く見せてくれた中大。来年以降のインカレ最終日に優勝を祝う凱歌が歌われる―。その瞬間がとても待ち遠しい。
◆大会結果(男子)◆
学校別総合順位
男子1部3位 中大 54.0ポイント
(ポイント内訳:アルペン競技32ポイント→学校別順位2位、クロスカントリー競技22ポイント→学校別順位3位)
個人成績
2月12日 田沢湖スキー場
男子1部アルペン競技・スーパー大回転
2位 髙橋大成 45.08秒
7位 田中駿(経2) 45.63秒
20位 三上大我 46.30秒
43位 小林啓将(経1) 47.14秒
46位 吉田海夢(法2) 47.18秒
51位 小瀨大和(経3) 47.32秒
→13.0ポイント獲得
2月24日 花輪スキー場
男子1部クロスカントリー競技10㌔(フリー)
2位 髙橋汰門 24分10.3秒
12位 松本良介 25分25.7秒
18位 栗林和希 25分36.0秒
30位 干川桐摩 26分5.6秒
31位 松倉源帥(法4) 26分5.9秒
46位 山本涼太(経3) 27分3.0秒
→9.0ポイント獲得
男子1部アルペン競技・大回転
7位 吉田海夢 1分53.68秒(55.65秒+58.03秒)
8位 三上大我 1分53.70秒(54.40秒+59.30秒)
10位 富井大賀 1分53.74秒(55.38秒+58.36秒)
18位 吉澤脩蔵主将 1分54.20秒(55.91秒+58.29秒)
27位 佐鳥一樹(経1) 1分55.13秒(56.40秒+58.73秒)
DNF 田中駿
→8.0ポイント獲得
2月25日 花輪スキー場
男子1部クロスカントリー競技30㌔クラシカル
8位 髙橋汰門 1時間20分58.8秒
9位 干川桐摩 1時間21分6.3秒
12位 栗林和希 1時間22分5.0秒
14位 松倉源帥 1時間22分33.7秒
28位 山本涼太 1時間24分54.9秒
35位 松本良介 1時間27分43.2秒
→5.0ポイント獲得
2月26日 花輪スキー場
男子1部アルペン競技・回転
1位 富井大賀 1分29.33秒(43.29秒+46.04秒)
18位 田中駿 1分33.87秒(46.88秒+46.99秒)
24位 吉田海夢 1分36.04秒(47.91秒+48.13秒)
25位 佐鳥一樹 1分36.36秒(46.27秒+50.09秒)
29位 宮﨑裕(経2) 1分37.94秒(48.66秒+49.28秒)
DNF 三上大我
→11.0ポイント獲得
2月27日 花輪スキー場
男子1部クロスカントリー競技4×7.5㌔リレー
3位 中大 1時間17分29.7秒
第1走者 栗林和希 19分30.6秒
第2走者 干川桐摩 20分16.6秒
第3走者 松本良介 19分20.5秒
第4走者 髙橋汰門 18分22.0秒
→8.0ポイント獲得
◆大会結果(女子)◆
学校別総合順位
2部29位 中大 26.0ポイント
個人成績
2月24日 花輪スキー場
女子2部 アルペン競技大回転
5位 堀田璃苑(商3) 56.47秒
→26.0ポイント獲得
2月26日 花輪スキー場
女子2部アルペン競技回転
DNF 堀田璃苑
→ポイント獲得ならず
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部