10月7日〜10月10日 東京辰巳国際水泳場
インカレ50㍍自由形で川根正大(法4)が三連覇を成し遂げた。主将として臨んだ川根は大会一種目目からチームに勢いを与え、昨年から順位を一つあげ男子総合4位に導く。また届かなかった東京五輪に出場したライバル選手を抑えての優勝は、3年後に控えるパリ五輪へリベンジに向けての門出を印象づける結果となった。
※「中大スポーツ」第167号4面の本文を掲載しております。
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堂々の三連覇
学生最強スイマーを決める今大会。その一種目目であり花形種目の男子50㍍自由形決勝の舞台に三連覇を懸けた川根と「ダイヤモンドの原石」として川根から次期エースの期待を受ける中杉勇斗(総2)が出場した。事前予想の時点で優勝最有力候補とされていた川根。それでも三連覇が懸かるプレッシャーを感じることはなかった。「何としても抜かりなく、確実に優勝してこようと思った」と語る川根は、東京五輪で男子400㍍リレーに出場し、同世代のライバルとして刺激を受けているという関海哉(日大)を中盤30㍍付近で突き放すと、わずか0秒16差で逃げきり優勝。圧巻の三連覇で大学4年間を締めくくった。また川根の背中を追う中杉も自己ベストを上回る泳ぎを見せ、5位入賞を果たした。
水泳を楽しむ
主将として川根は「チームとは何か。我々がそれを体現する」を目標に掲げてチームを率いてきた。厳しいトレーニングや様々な課題に対して悩むことがあっても、根底に「水泳を楽しむ」ことを絶対に忘れてほしくないとチームに伝えてきたという。これは川根自身が中大での4年間で同期と培ってきた経験から学んだことだった。はじめての集団生活に戸惑いもあったが、学年を経るうちに良いチームづくりを同期みんなで工夫し、チーム全体が成長してきた。そんな仲間との集大成である今大会。最後を意識すると感慨ひとしおで、本気度は例年以上だった。しかしチームは男子総合で4位に終わり、目標に掲げた天皇杯奪還に届かず、悔しい結果に終わった。それでもチームとは何かという問いに対して、全員で答えを共有し最高のチームを築くことができたと振り返った。
更なる高みへ
東京五輪への出場がかなわなかった川根。中大のOB・OGやチームメイトである池本凪沙(法1)、ライバル関らのレースを見て、五輪の舞台に対する意欲はさらに強くなった。先に活躍する同世代の選手たちに並び、共にパリ五輪で戦うための準備を進める。川根はインカレから一週間後の日本選手権では50㍍自由形の自己ベストを更新する21秒58を出し、更なる進化を遂げた。今後は世界の大舞台での経験を積むために、まず来年の世界水泳に照準を定めた。3年後のメダルへ向けて、新たなステージの始まりを告げる号砲が鳴り響いた。
(記事:塩ノ谷太樹)
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