2026年6月7日 東京都・アミノバイタルフィールド
雨が降りしきる中行われた春季オープン戦最終節東大戦。雨でフィールドのコンディションが整わず、けが人が発生する中、オフェンスではRB山口典誠(商3)のランプレー、ディフェンスではファンブルリカバーが光った中大。前半に多彩な攻撃でリードすると、後半は守る展開に。独自の攻撃スタイルを持つ東大を相手に第4クオーター(以下、Q)で追い付かれるものの、執念のディフェンスで勝ちは渡さず、17ー17の引き分けでオープン戦最終節を締めくくった。
第1Q、中大のレシーブで試合開始。序盤、中大は主将・RB上村聖哉(商4)を中心としたランプレーでゲームを組み立てていく。しかしQ半ばにタックルを受けた上村が負傷により無念の戦線離脱。主力であり支柱の上村を欠くという危機的状況の中、チームは素晴らしい攻撃を展開していく。オフェンスラインがパスプロテクションをこなしQB小野一真(法3)をサポートすると、WR石川天真(商3)へのパスがつながる。約20ヤードをゲインし、一気に敵陣に攻め入った。勢いに乗ったオフェンス陣は次のプレーでプレイアクションを選択し、ディフェンスを欺くとエンドゾーンに抜けていたWR境那士(経2)へのタッチダウンパスが成功。前節に続き、小野と境のホットラインがビッグプレーを見せた。トライフォーポイントも成功させ7点を先制。ディフェンスに転じると、DB上田将(商2)が相手に痛烈なロスタックルを見舞い、1stダウン更新を阻んだ。
▲山口(左)と恒例のセレブレーションを行う境
第1Q終盤に大きくヤードを進めた中大は、敵陣10ヤード付近から第2Qの攻撃を展開する。エンドゾーンまで10ヤード未満に迫り、4thダウンに移行するとフィールドゴールを選択。早大戦ではWR、Kの両方のポジションで活躍した石川が落ち着いてキックを決め、10ー0でリードを広げた。その後、フレックスボーンフォーメーションからのランプレーを主軸とする東大オフェンスがエースRB大武(東大)の走りで7点を返すと、雨脚とともに試合も激しさを増していく。
▲WR、Kの両方で活躍した石川
再度オフェンスに回ると、山口が65ヤードのキックオフリターンを成功させるビッグプレーを見せ、早くも敵陣30ヤード付近からの攻撃チャンスをつかむ。ここでエンドゾーンの山口を狙ったパスが弾かれ、インターセプトを許してしまう。しかし雨でコンディションが悪い中、東大のファンブルをDB安田七音(理工4)がすかさずリカバーし、攻守交替。
敵陣20ヤード付近から再度攻撃を展開すると、再び山口にボールを集める。最後はOLのサポートを受け、山口がエンドゾーンにボールを押し込みタッチダウン。先ほどインターセプトを許し点を取り切れなかった山口が決めて、喜びを爆発させた。
▲チームメイトに祝福される山口
17ー7で折り返した第3Q序盤、東大の鋭いランプレーに苦しみ、自陣深くへの侵入を許してしまう。フルバックを用いたダイブで着実にヤードを稼ぐ東大オフェンスを止めきれずにタッチダウンが決まると、点差はフィールドゴール1本分にまで縮まった。反撃に出たい中大オフェンスだったが、1stダウンを続けて更新することができず、攻撃の糸口をつかめない。中大にとっては耐え忍ぶ厳しい時間帯が続いた。
最終第4Q、東大のオフェンスから開始すると、ディフェンス陣が奮闘し、1stダウンを更新させない。東大オフェンスが4thダウンでパントを蹴る選択をとると、ここでルーキーLB奥匠(法1)がパントのキックブロックを成功させるビッグプレー。こぼれたボールをDL草刈陽生(商2)が抑え、敵陣30ヤード付近から攻撃が開始された。パスプレーでヤードを獲得していくと、4thダウンではギャンブルを選択。惜しくもパスは通らず、得点にはつながらなかった。再びディフェンスに回ると、相手の着実な前進を許し、最終的には自陣約30ヤードからのフィールドゴールでついに同点に追い付かれる。残された試合時間は4分。一進一退の攻防が繰り広げられる中、勝ち切りたい中大は、山口の電光石火のランプレーで瞬く間にヤードを獲得していく。しかし、あと一歩のところでエンドゾーンにボールを運ぶことはできなかった。その後もお互いに譲らぬままタイムアップ。春の最終戦は引き分けという幕切れとなった。
▲キックブロックを成功させた奥
これを以て、春季オープン戦の全日程が終了した。2敗1分という結果ではあったが、試合を重ねるごとに攻守ともに着実な成長が見て取れた。特に早大戦では昨年の関東王者を相手に終盤まで接戦を演じ、今回の東大戦では故障者を抱えながらも、序盤からリードを奪う強さを見せた。
この春を糧に、「ALLONE」を掲げて日本一へ突き進む中大Raccoons。その名を甲子園の地に轟かせるか、秋の戦いに注目が集まる。
◆試合結果◆
中大 17-17 東大
(第1Q:7-0、第2Q:10-7、第3Q:0-7、第4Q:0-3)
◆コメント◆
山口典誠選手
──今日の試合を振り返って
「今日の試合は本当に春の最終戦ということで、みんなでALLONEを掲げて、けが人も多い中でギリギリでやったんですけど、やっぱり最後まで勝ちきるっていうのにこだわれなかったのが、チームとしてもう一段階成長できるんじゃないかなというふうに思います。個人的にも、インチを取り切れなかった部分っていうのは、やっぱりチームに求められるものではないので、秋には必ずインチを取り切れるように、この夏を頑張りたいと思います」
──前半のタッチダウンを振り返って
「その前のシリーズで、僕の弾いたボールでターンオーバーで攻守交代ということで、とてもチームには迷惑かけたんですけど、その次のシリーズでしっかりタッチダウン取り切れたので、良かったなというふうに思います」
──秋のリーグ戦に向けて
「今年のチームの目標が日本一ということで、やっぱり初戦が法政大学との試合で、初戦を勝ちきれなかったら、そのままずるずる悪いテンポで行ってしまうので。しっかり初戦は勝ちきれるように、初戦だけじゃなくて、その後も勝ちきれるように頑張っていきたいと思います」
奥匠選手
──今日の試合を振り返って
「前半にめちゃめちゃタックルミスしてしまって、今日は第1Qから第4Qまで全部自分が出れるって聞いてたんで、絶対後半で取り返そうと思ってやりました」
──秋のリーグ戦に向けて
「まだ僕は確定でスタートのメンバーじゃないので、まずは自分が(試合に)出れるように頑張って、チームの目標にしてる日本一に貢献できたらなと思います」
◆お知らせ◆
春季オープン戦は全試合終了しました。
(記事:沼澤春日、写真:沼澤春日、リ・ジソク)
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