2021年5月20日~23日 相模原ギオンスタジアム
関東学生陸上競技対校選手権大会、通称・関東インカレが5月20日~23日、相模原ギオンスタジアムで開催された。昨年は新型コロナウイルスの影響で異例の10月開催となり、今年も開催が危ぶまれていたが、無観客ながら例年の日程で行われた。
男子800mは金子魅玖人(商2)が見事優勝した。男子1500mでは居田優太(経2)が3位表彰台に上がり、中距離種目で存在感を示した。
▲長距離ブロックからは12名の選手が出場(写真提供:陸上競技部)
大会初日に行われた男子ハーフマラソンは、倉田健太(商4)が8位入賞を果たした。「入賞できたのは素直にうれしかったですし、部員やスタッフをはじめ多くの方がこの結果に対して祝福してくださったことが何よりうれしかったです」と会心のレースを振り返った。
倉田は一般受験を経て中大陸上部に入部し、「強い選手に勝つためには人一倍頑張らなければいけないと思えるのが一般生の強み」と日々の練習で力を培った。最初で最後のインカレの舞台で見事入賞を果たし実力を遺憾なく発揮した。
「チームとして箱根駅伝5位というのは何としても達成したい目標です。その中で、箱根駅伝に出走し自分自身の走りでチームに貢献したい」とラストイヤーに懸ける思いは強い。倉田が目指すのは、一般入試組の偉大なOBである中山顕氏(平30卒・現Honda)だ。その中山氏以来となる一般入試組からの箱根出走に期待が高まる。
▲ 懸命に前を追う倉田(写真提供:陸上競技部)
大会2日目に行われた男子1500m決勝には中大勢3名全員が進出し、居田優太(経2)が初インカレの舞台で3位表彰台に輝いた。「(3位に)いけると思っていなかったのでびっくりしています」と自身もこの結果に驚いているようだ。
小島(順大)が引っ張り、400mを65秒、800mを2分05秒で通過。「今回のレースでは落ち着いて自分の位置を確保することができました」と居田は冷静に勝機をうかがい、ラスト勝負に備えた。残り100m渾身のスパートで順位を一つ上げ3位でフィニッシュした。
今大会、予選では3分48秒89の自己記録を更新した。さらに、先月行われた日体大との対校戦でもチームトップで走破し、急成長を遂げている。今後は複数の記録会に出場する予定。好調を維持して駅伝シーズンにつなげられるか。2年目の居田に目が離せない。
▲3名全員が決勝に進出した男子1500m(写真提供:陸上競技部)
大会最終日に行われた男子800mは、金子が1分49秒03で優勝した。「前年度は1500mで優勝することができたのですが、800mでは優勝したことがなかったので、とてもうれしいです」と喜びをかみしめた。1周目は二見(筑波大)が引っ張り、400mを53秒で通過。金子は500m付近で先頭に出ると、300mのロングスパートで後続との差を広げていく。向かい風が強いラスト100mで安倍(東海大)に差を詰められるも、先頭を譲らずフィニッシュした。
「450mまでは先頭について残り350mで追い風を使ってラストスパートを仕掛けるというレースプランでした」と想定通りのレース運びで勝利をつかんだ。今後はグランプリシリーズや日本選手権に出場予定。「タイムは1分46秒台を狙いたい」と大台突破に意欲を示した。
▲笑顔でメダルを掲げる金子(写真提供:陸上競技部)
◆選手コメント◆
倉田
──おめでとうございます。今大会を振り返って率直な感想をお願いします
ありがとうございます。チームのために入賞してポイントを獲ってきたいと思っていましたが、正直自分には少しハードルが高いかなと考えていました。そのため、入賞できたのは素直に嬉しかったですし、部員やスタッフをはじめ多くの方がこの結果に対して祝福してくださったことが何より嬉しかったです。
──インカレ最初の種目ということで、チームに勢いを与える走りになったと思います。その辺りはどうですか?
今回のインカレの第一種目ということに対しては責任ある役目だと考えていました。ただ、その中でもレースに集中できていました。結果としてチームに勢いを与えたという評価をいただけるのであれば嬉しいことだと思っています。
──湿度が高いコンディションでしたが、レースに影響はありましたか?
コンディションやコースに関していえば非常にタフなレースでした。ただ、その条件に関しては出場選手皆同じですし、考えても仕方がないことだと割り切っていました。苦しいのは自分だけではないと考え、冷静に対処できたかなと思います。
──一般生として陸上部に入られたと聞きました。一般生ならではの苦労や強みなどありますか
一般生が意味することは、自分が高校の時に声が掛からない程度の実力だったという事実です。しかし、その事実を悲観するのではなく自分は弱い選手だと自覚をし、強い選手に勝つためには人一倍頑張らなければいけないと思えるのが一般生の強みであると考えます。この考えだけが先行し、空回りしたり息切れをすることもありますが、大きな原動力であることは間違いありません。
──歴代の中大陸上部の一般生の活躍は刺激になりますか? また、目標としている選手はいますか
3つ上の先輩である中山さんは私の目標です。自分が1年生の時に本当にお世話になりました。中山さんにはまだまだ遠く及びませんが、少しでも近づけるよう頑張っていきたいと思います。
──次に照準を合わせる大会とその大会での目標をお願いします
来月に全日本大学駅伝の予選会があります。この予選会の突破はチームとして上半期最大の目標です。チーム一丸となって予選会に向かっていきます。
──4年生最後の年となりますが、ラストイヤーに懸ける思いと、今シーズンの目標をお願いします
様々な試合がありますが、やはりチームとして箱根駅伝5位というのは何としても達成したい目標です。その中で、箱根駅伝に出走し自分自身の走りでチームに貢献したいです。あっという間に4年目となり、競技生活も刻一刻と終わりに近づいています。一日一日を大切に、充実したものにできるよう取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが、この度はたくさんの応援ありがとうございました。
居田
──今大会を振り返って率直な感想をお願いします
率直に嬉しいの一言ですね。いけると思っていなかったので自分でもびっくりしています。
──1500mは位置取りが難しいと思いますが、どうでしたか?
少しでも遅れると大きな差になってしまうので位置取りは本当に難しいんですけど、今回のレースでは落ち着いて自分の走る位置を確保することができました。
──ラストスパートで4位から3位に上がりました。ラストに自信はありましたか?
正直、自信はなかったですね。ラスト200mでいけるかな?と思って上げたらいけた感じですね。
──かなり風が強かったと思いますが、その辺りはレースにかなり影響しましたか?
いい方向に影響しましたね。風が強い分、スローペースになったので思ってた以上の順位を取ることができました。
──次に照準を合わせる大会とその大会での目標をお願いします
次は何本か記録会に出場し、その後の方向性が決まるので、その記録会の一本一本に集中していきたいですね。
金子
──800m優勝振り返っていかがですか?
前年度は1500mで優勝することができたのですが、800mでは優勝したことがなかったので、とても嬉しいです。また、調子があまり良くなく、勝てるか不安があった中でのレースだったので、その中で勝てたのは自信になりました。
──今大会はどのような目標をもって臨みましたか?
今大会ではタイムよりも順位に重きを置いていて、優勝を狙っていました。
──決勝でのレース展開はどのように想定していましたか?
450mまでは先頭について残り350mで追い風を使ってラストスパートをしかけるというレースプランでした。実際にそれで走ってラスト100mは体が動かなかったのですが、他選手が対応しづらいレースができたので良かったと思います。
──今後の出場大会と目標をお願いします
今後は木南記念、デンカチャレンジ、全カレ、日本選手権などに出場予定です。全大会優勝、そしてタイムは1分46秒台を狙いたいです。
◆大会結果◆
【1日目】
1500m予選
1組③山田俊輝(経2) 3分48秒37
1組④居田優太(経2) 3分48秒89
2組④中野倫希(経1) 3分48秒66
10000m決勝
⑰若林陽大(法3) 28分54秒01
㉕森 凪也(経4) 29分42秒04
助川拓海(経3) DNS
ハーフマラソン
⑧倉田健太 (商4) 62分55秒
⑭田井野悠介(文3) 63分39秒
㉑湯浅 仁 (経2) 64分27秒
【2日目】
1500m決勝
③居田優太(経2) 3分52秒14
⑤中野倫希(経1) 3分53秒27
⑨山田俊輝(経2) 3分57秒92
【3日目】
800m予選
2組⑧吉田 力 (商1) 1分59秒80
3組②森 智哉 (商4) 1分53秒13
4組①金子魅玖人(商2) 1分53秒03
800m準決勝
1組①金子魅玖人(商2) 1分52秒04
2組②森 智哉 (商4) 1分52秒03
【4日目】
800m決勝
①金子魅玖人(商2) 1分49秒03
④森 智哉 (商4) 1分50秒32
5000m決勝
⑬園木大斗(法2) 14分16秒97
⑳山平怜生(法1) 14分23秒57
㉔阿部陽樹(文1) 14分35秒14
記事:「中大スポーツ」新聞部
写真提供:陸上競技部