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「優勝しかない」揺るぎない原の決意 3年生の成長光るー第79回全日本ウエイトリフティング選手権大会

5月24~26日 岩手・江刺中央体育館

昨年度、原勇輝(法4)が準優勝した全日本選手権。今年は昨年出場を果たした原、西村晋悟(商3)に加え、後藤大雅(法3)と紙屋十磨(法3)、舘森春輝(経3)が全日本の舞台に立った。

25日に行われた61㌔級には紙屋が出場。紙屋はスナッチ、ジャークともに1回の成功にとどまり、全体6位に終わった。

73㌔級に出場した舘森はスナッチが3本全て失敗となり、悔しい結果となった。しかし、ジャークでは3回の試技のうち2回成功した舘森。結果はスナッチの失敗が響き『記録なし』に終わったが、今後の活躍に期待したい。

▲表彰台で笑みを見せる後藤(右)

67㌔級に出場した後藤は3位に輝き、中大から唯一表彰台に上った。しかし、後藤は「順位は3位だったけど、内容はあまり納得できていない」と話す。スナッチは120㌔で2位、ジャークでは145㌔で3位の好成績を収めた後藤だが、4月に行われた全日本学生個人選手権にピークを合わせていたために「調子を(今大会に)合わせるのが難しかった」と苦労を口にした。それでも、今回の結果を受けて、「基礎を意識した練習をして、東日本インカレでは決められた重量をクリアできるように頑張りたい」と意気込む。大舞台の経験を糧にさらなる飛躍を誓う。

▲ラストチャンスの188㌔に失敗し、悔しい表情を浮かべる原

81㌔級には昨年のリベンジを果たしたい原が出場。昨年と階級は異なるが、準優勝の悔しさを晴らすべく満を持して大会に臨んだ。スナッチは1本目となる140㌔に失敗するが2本目からは立て直し、3本目には自己ベストとなる145㌔に成功する。スナッチで全体3位の記録を残した原はジャークでの巻き返しを図り、逆転優勝を狙うつもりだった。

しかし、原はジャークの1本目となる180㌔で失敗し、続く同重量の2本目も失敗に終わり絶体絶命のピンチに陥る。重量を抑えて表彰台に上るか、それとも攻めて優勝だけを目指すのか。原の胸の内はもうはっきりと決まっていた。そして、全てが決まる3本目。「2位にはなりたくなかった」と優勝だけを目指して「成功率5㌫くらい」の188㌔に挑んだ原は無念の失敗に終わった。ジャークの記録を残せなかったため、結果は『記録なし』となったが、「1位を狙って1発に賭けることができたのは良かった」と試合後に本音をもらした。

この階級で優勝を果たしたのは中大OBの笠井武広氏(ALSOK)だ。笠井氏は昨年も原と同階級で戦い、表彰台の頂に上った実力者。そんな笠井氏は原にとって高校時代から『憧れ』だった。しかし、今では原のたゆまぬ努力が実を結び、そんな憧れの存在だった笠井氏と戦い合える実力がついてきた。「(笠井氏に)一試合でも勝ちたい」と闘志を燃やす原。次なる目標は全日本ランキングの記録更新と力が入る。最終学年となる今年、世界を見据えて戦う原から目が離せない。

▲インカレで表彰台に上るなど、昨年から成長を見せる西村

89㌔級には西村が登場。昨年は85㌔級に出場し、全体9位で終わった西村だったが今回はスナッチ132㌔、ジャーク160㌔と全体4位の好成績で大会を終えた。「自分はどのくらいできるのか」と挑戦する気持ちで試技に臨んだという西村。3月に卒業し、会場に来ていた前主将・ジェンディ今夢(栃木県競技力向上委員会)からのエールを受けて、「中大を背負っていく立場になったのだと感じる。結果を出したい」と自覚も十分だ。昨年よりも着実に成長を遂げている西村。今後は「トータル310㌔」を目指して日々の練習に励む。

昨年と比べ、より多くの階級に中大の選手たちが名を連ねた今大会。全日本という舞台に立つということは計り知れない努力の成果だ。早くも次なる目標に向かって鍛錬し、ひたむきに進化を続ける選手たちの活躍に今後も注目だ。

 

◆大会結果◆

61㌔級

⑥紙屋

S100㌔⑤、C&J120㌔⑦

トータル220㌔

▼67㌔級

③後藤

S120㌔②、C&J145㌔③

トータル265㌔

▼73㌔級

舘森

S-、C&J145㌔⑦

記録なし

▼81㌔級

S145㌔③、C&J-

記録なし

▼89㌔級

④西村

S145㌔⑤、C&J160㌔④

トータル292㌔

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部