2024年6月2日 日本体育大学横浜・健志台キャンパス陸上競技場
6月1日から2日間にわたって行われた日体大記録会。2日の5000mのレースには計17人の選手が出走。大粒の雨が降りしきる中、8人の選手が自己ベストを更新する、非常に意義のある大会となった。
9組に佐野拓実(経4)、永島陽介(法3)、後藤琉太朗(文2)、田中怜央(文1)、木下道晴(経1)、三浦彰太(文1)、が出場。
佐野は前半から集団の前方に位置し、食らいつく走りを見せる。一方、三浦は集団の中ほどからスタートし、徐々に前方へ。レース終盤に三浦は佐野の前に出て、二人とも14分20秒台でゴールした。後藤も攻める走りを見せたが、後半は失速。「ペースが上がったことに対応できなかったのが反省点」とレースを振り返る。
▲前半積極的にレースを進める後藤
12組には中野倫希(経4)と佐藤宏亮(文3)が出走した。
関東インカレ1500m2位の中野は勢いそのまま、序盤から集団を引っ張りトップでフィニッシュ。「1年目から自己ベストを更新できてなかったので嬉しいという思いと、後ろの組を走った子たちには負けているのでしっかり追いついて箱根までに勝てるようにしたい」と話し現状に満足しない姿勢を見せた。佐藤宏も集団の中ほどに位置し粘りの走りで14分09秒49と自己ベストを更新。ロードを得意とする佐藤宏だが、トラックでの自己ベストは仙台ハーフ学生3位から調子を維持しているといえるだろう。
▲序盤から集団を引っ張る中野
続く13組には藤田大智(文2)、原田望睦(文1)が出走。
藤田はレース前半集団の前方に位置し、レースを展開した。「前半は前の方にいれば大丈夫と思っていたので、焦らずレースを進めていいレースができた」と振り返る。佐藤宏同様、仙台ハーフからの疲労も残る中、13分台で自己ベストを更新。
15組には、関東インカレで活躍した白川陽大(文3)と柴田大地(文2)、そしてルーキーの田原琥太郎(文1)、並川颯太(法1)が出走。
白川は序盤、集団の後方に位置するも徐々にペースを上げ、集団の中ほどにいた柴田に追いつく。しかし、柴田がスパートを仕掛け、白川を突き放しでゴール。2人とも自己ベストを更新し、白川は13分台に突入した。
▲レースに食らいつく(左から)ルーキー田原・並川
そしてNCG5000m1組の溜池一太(文3)、本間颯(経2)、岡田開成(法1)。非常にハイレベルなレースの中、3人全員が自己ベストを更新した。
外国人ランナーがレースをけん引した今レース。溜池は序盤から先頭集団の前方でレースを進めた。岡田は集団の中ほどから徐々に前の集団に追いつき、溜池の前に出る。しかし、溜池がラストスパートを仕掛け、そのままゴール。いずれも自己ベストを更新した。
しかし溜池に納得した様子はなかった。「13分30秒切りを目標にしていたのでそれがかなわず悔しいレースだった」。また洛南高の後輩でもる岡田の存在については「練習でも試合でも自分が1年生の時よりも強くて本当にすごいと思う。今までは強い先輩を追いかける形だったが、強い後輩が入ってきて自分にとって良い環境で練習できていると思う」と話し、岡田の存在が刺激となっていることを明かした。
そして、そんなルーキー岡田は「目標としていた(13分)30秒切りができなくて悔しい気持ちもある」としつつも、連戦が続く中でのタイムとしては評価材料でもあると口にした。また、自己ベスト更新が続いていることについては「この勢いが今だけで終わるという形にはしたくないと強く思う。そのためには一つ一つの結果に一喜一憂せず、常に学生トップレベルの走りができるような選手になれるよう努力していきたい」と話し、さらなる高みを目指す。
本間は集団の後方からのスタートとなった。苦しい表情も見せたが13分台でゴールし、自己ベストを大幅に更新した。それでも「自信のなさが出てしまった。もっと自信を持った走りができたと思う」と悔しさを口にした。
▲自己ベスト更新するも悔しさが残る溜池
悪天候の中でも、多くの自己ベスト更新や、果敢にレースを進める選手の姿が見られ、中大の強さを示した。これからの選手たちの活躍に目が離せない。
◆コメント◆
三浦
ーレースを振り返って
自分の課題であるラストの弱さが克服できたように感じます。
ー最後の追い上げのタイミングやレースプランはどのように考えていたか
レースプランとしては今回の記録会はハイペースになる予定でしたが、スロースタートで3000からペースアップすると感じました。そこで3000までできるだけ力を使わずにはしり、3000以降徐々にペースアップしていくことを心がけました。それがラストの追い上げにつながったと思います。
ー課題点や今後の目標は
全体的にレベルが足りないのでもっと飛躍できるように頑張ります
田中
ーレースを振り返って
今回は大学生になって2度目の記録会でしたが、1度目の記録会に比べて、大学のハードな練習に体が順応してきていることを実感することができた試合になりました。
ーレースプラン
今回は序盤の3000mで力を貯めて、残り2000mで一気にペースダウンすることが無いように走りました。
ー課題点や今後の目標
ラストの鐘が鳴ってからペースアップできなかったこと、位置取りがうまくいかずに先方に出られなかったことなどまだ課題が山積みに残っているので、夏に向けて一つ一つ修正していけたらなと思います。
◆大会結果◆
5000m9組
三浦彰太(文1)14分20秒61
佐野拓実(経4)14分20秒83
田中伶央(文1)14分25秒29
後藤琉太朗(文1)14分39秒30
木下道晴(経1)14分40秒29
永島陽介(法3)DNF
12組
中野倫希(経4)13分53秒73 PB
佐藤宏亮(文3)14分09秒49 PB
13組
藤田大智(文2)13分55秒44 PB
原田望睦(文1)14分15秒05
15組
柴田大地(文2)13分49秒39 PB
白川陽大(文3)13分52秒70 PB
並川颯太(法1)14分14秒85
田原琥太郎(文1)14分20秒65
NCG5000m1組
溜池一太(文3)13分31秒25 PB
岡田開成(法1)13分34秒09 PB
本間颯(経2)13分46秒43 PB
(記事:大畠栞里、写真:功刀萌恵・藤本佳野・山崎響)
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