繁永晟(商４=大阪桐蔭) 主将のもと、開幕が迫る春季リーグに向けて調整を進めている中大野球部。今年度の中大には昨年度主力のメンバーが多く残っており、今年のリーグ戦の成績には大きな期待がかかる。そんな中加入したルーキーたちは、高校時代から大きな注目を浴びていた実力派揃い。中大に新たな息吹をもたらす新入生12名のインタビューを3日間にわたってお届けします！
第2回は前川竜我（商１＝福井商業）選手と松嶋祥斗（文１＝智弁和歌山）選手の内野手コンビ。タイプは違うものの、打撃面で期待される２人のこれまでの経験と今後の目標を聞いた。
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＜前川竜我選手＞（聞き手、構成：高橋美帆）
▲小柄な体格ながら強い気持ちと努力で1年生でのリーグ戦デビューを目指す前川
──学部と学科を教えてください
「商学部の会計学科です」
──中大を選んだ理由は
「中大選んだ理由としては大学からプロ野球選手になりたくて、清水監督とのご縁もあってお誘いを受けたのでこの大学でしっかりと野球を通して人間力とかも高めながら成長できればいいなと思ってこの大学を選びました」
──清水監督とのご縁というのはどこから
「元々僕福井商業高校なんですけど、その監督とちょっと繋がりがあったらしくて即戦力でプロ行くためにはやはり大学からっていう風に。野球を辞めた後のこととかも考えて大学からがいいなと思っていたのでそういった時にお誘いというかオファーをいただいてここに決めました」
──中央大学の野球部に対して元々抱いていたイメージと実際に入ってみて感じる現在のチームの雰囲気ってどんな差を感じますか
「元々大学野球ってなったら上下関係とか縦のつながりが厳しい感じかなと思ってたんですけど案外優しい先輩だらけで。けど、やっぱり挨拶、返事だったり、これからの社会に出てから必要なことというのはすごい厳しくされてる大学だなと思ったのでそういった面ではすごくいい大学だなって思います」
──今優しい先輩って話出たと思うんですけど、どなたか仲良くなった先輩はいらっしゃいますか
「寮の部屋長で中川雄斗（文３・遊学館）さんっていう人がいるんですけど、その人によくしてもらっています」
──同じ北信越ですもんね
「はい。そうです」
──元々知ってた感じですか
「そうですね。遊学館の監督さんの息子さんなので、知っていました」
──同部屋は中川選手だけですか
「中川さんと子安（秀弥＝経２・東海大相模）さんです」
──入寮時期は
「２月２日です」
──じゃあ結構最近ですね
「最近ですね」
──慣れてきました
「そうですね。生活とか色々慣れてきたかなと思ったらやっぱ慣れてないなと思ったり慣れてきたなと思ったら結構今は体がしんどくなってきたなというか。環境変わると本当に色々辛いこともあるんでそこは徐々に徐々にという感じでやってます」
──福井から上京してきたと思うんですけど、東京との違いで驚いたことは何かありますか
「ここ（多摩）は結構田舎っていうか東京っていうか田舎なのかなと思うんですけどやっぱり東京っていうだけあって籠ることがないなっていうか。外出ればなんでもあるんで。自分の家は結構周りに田んぼがあるんでそこは全然違うなって。あとは冬なのにずっと晴れだなって。今福井は４０センチくらい雪積もってるのでそこがまず違うなっていうのはすごく思いますね」
──東京で観光されたりしました
「いやまだ全然そんな余裕もなく（笑い）」
──今後どこか行きたい場所はありますか
「新宿とか有名なとこに行きたいですね」
──中央大学の先輩方で尊敬してる先輩や参考にしてる先輩はいらっしゃいますか
「結構いろんな人優しくしてくださってるんですけど、バッティングだったら皆川岳飛（経４・前橋育英）さんです。あの人のバッティングは本当にすごいなっていつも見てて、じっくり気づかれないようにいつもバッティングの研究させていただいてます」
──どんなところがすごいと思われるんですか
「力感がないというか。すごく軽く振ってるようでも打球が強かったり打球が飛んだりっていうのはやっぱりちょっとした天性から生まれ持ったものもありますし、その中でしっかりこだわって打撃に対して取り組んでるんだなというのは練習の姿とか見てても思うのでそういうところは真似していきたいなというふうに思います」
──同期とは話されました
「同期めちゃめちゃ話します」
──どなたか仲良くなった選手はいらっしゃいますか
「僕は結構引退してからも練習会とかたくさんあったので。やっぱり一番面白いのは下山（大楽＝経１・北海道栄）ですね」
──面白いんですか
「めっちゃおもろいです。下山くんです」
──どんなところが
「抜けてますね。ちょっと宇宙人っぽくて。変わり者な感じです」
──その中でライバル視する同期は
「ライバル視してるのは藤本（陽毅＝文１・京都国際）ですかね」
──どんなところを尊敬するなとかすごいなとか
「やっぱり甲子園優勝のキャプテンというのもありますし、やっぱりネームバリューもありますし、そういった中で自分甲子園行ってないですし、しかも同じ身長で同じポジションっていうか二遊間両方守るんですけどそういった面では負けたくないなっていうか大学野球と高校野球は別なので。本当の実力の世界となってくるのでそういった時に自分負けないようにというかそういう覚悟を持ってやってます」
──ポジションはショートかセカンドでって感じですか
「ショートです。基本ずっとショートですね。多分セカンドも守るんじゃないかなと思います」
──ショートへのこだわりはありますか
「ありますね。昔からずっとショートできてるのでそこへのこだわりはやっぱりありますね」
──ショートの守備で気をつけてることは何かありますか
「ショートはやっぱり守備の花形と言われるところなので守って投げてただ声出してとかじゃなくてゲームメイクというか１個１個の指示であったりキーマンになってくると思うのでゲームメイクできるショートになるというのは一つ自分のポイントだと思うのでそこはこれからも伸ばしていきたいなと思います」
──福井商業の川村監督は考える野球を進めていて練習メニューとかも自分たちで考えるとお伺いしたのですが
「そうですね。今年の代からは分からないですけど、僕らの代は本当に冬練とか室内練習の時とかは自分がしたいことを自分たちに必要なことを自分たちで考えてやりなさいみたいな自主性が求められることが多かったので、そういった感じでずっとやってました」
──大学も高校の練習と比べてより主体的な練習が増えていくと思うが
「ここの大学の人は実力のある人たちで自分は体が小さいので普通にやってても勝てないのでやっぱり練習の質や量であったりちょっとした隙間時間を有効に使って無駄な１日を過ごさないようにやっていきたいなというふうには考えています」
──ご自身のバッティングスタイル、プレイスタイルを教えてください
「バッティングスタイルはそんな飛ばす方じゃないので広角にしっかりと強い打球が打てるというか打球の速度は自信があるので積極的な走塁と守備ではさっきいったようにゲームメイクをしながら守備範囲の広さを生かしながら活躍していきたいなという風に思っています」
──高校と大学の練習の違いは何か感じていますか
「高校の時よりも時間というよりも量、質がすごいなと。シートノックとかも毎日ありますし、投げる量とか走る量がすごい多いので、体力的な部分で少しずつ慣れていければいいなと思っています」
──初めてのキャンプがもうすぐ始まると思いますが、意気込みは
「キャンプはいい結果を出そうとしすぎるのではなく、しっかり自分がこの冬福井商業でやってきたことっていうのをしっかり信じながら１個１個のプレーを大切にしてしっかりとアピールをできるように頑張りたいなと思います」
──鹿児島でしたいことは何かありますか
「鹿児島に行ったことがないので何があるのかも全然分からなくて。そこらへんは今回合わせて４回くらい行くと思うので、先輩とかに聞きながら（笑い）。自分が３年４年ってなった時に好きな場所ができるようにちょっとした知識っていうのを得ていきたいなと思います」
──注目する東都の大学はあったりしますか
「やっぱり青山学院大学は注目というか多分すごい良いチームだと思うので。ずっと優勝してますし。そこを倒して自分たちも優勝したいなと思います」
──大学生活で楽しみなことを教えてください
「大学生活は高校とかとも違ってやっぱりなんでも自立してる人たちも多いと思いますし、そういったちょっとした覚悟とか勇気を持ってこっちにくる人も多いと思うので、たくさんの人と繋がって、いろんな人と関わっていきたいなというか。そういった人たちと関わっていく中で自分も成長していけたらなと思います」
──中学時代に日本代表、得たものは
「その日本代表の時は立場上キャプテンということをさせていただいてその時も今の中央大と同じような感じで実力があって自分に自信がある子たちの集まりだったので本当に我が強いといいますか、普通にキャプテンというよりもやっぱりプレーでも引っ張らないといけないしそういった声であったり指示であったり言動行動全てにおいて気を遣って１週間を過ごしていたのでそこの精神力やキャプテンシーといったものが身についたのではないかなと思います」
──高校時代も主将を務められていたと思いますが、それは活かされましたか
「はい。活かすことができたと思います」
──ご自身の強みを教えてください
「僕の強みは田舎魂というか、本当に田舎っぽいので（笑い）。気合と根性でなんでもやっちゃうというか、本当に最終的にはなんでも気持ちだと思ってるので気持ちが弱くなったら絶対ダメだなと思いますし、気持ちの強さっていうのはこの大学生活では本当に大事になってくると思うので、そこの強さを全面的に発揮したいなと思います」
──４年間のビジョンと今年の意気込み
「この４年間で得たものはプロ野球選手になるための土台作りというか、もしプロ野球選手になれなくてもそういった一流の社会人野球チームでプレーしたいというのが１つの目標なので、野球を通していろんなことを学べると思うのでこれから社会に出ていく上で必要な人間力を高めながらこれからやっていきたいなと思います。そして、今年の目標は１年春からベンチ入りして機会があればレギュラーの座を勝ち取れるようにすることです。みんな友達でみんな仲間ですけど、言い方悪いですけど、心の隅では敵だと思っているし競争になってくると思うので。そこに甘えを出したら絶対にやっていけないと思います。なので、そういったことも胸に刻みながら１日１日少しずつ成長していってレギュラーを勝ち取りたいなと思います」
◇前川竜我選手（まえがわ・りょうが）◇
学部学科：商学部・会計学科
身長・体重：168㌢・69㌔
出身高校：福井商業高校
＜松嶋祥斗選手＞（聞き手、構成：高橋美帆）
▲４年間の目標に首位打者・ベストナインを掲げる松嶋祥
──学部と学科を教えてください
「文学部の人文社会学科の学びのパスポートです」
──中大選んだ経緯は
「お兄ちゃん（松嶋晃希＝経４・浦和学院）が4年生にいてそのお兄ちゃんと一緒に野球やりたいっていうのが一番でここに入りたいなと思いました」
──お兄さんから中大についてどんなこと聞いていましたか
「とにかくレベルが高く、すごい選手たちが多いので、野球のレベルは上げられるので良いとこだよと聞いていました」
──それを受けて中大にどんなイメージを持っていましたか
「プロの選手が多かったりするのでそういうすごい大学に入れたので良かったかなと思ってます」
──実際の雰囲気はどうでしたか
「みんな明るくて前向きな選手が多いなっていう風に思います」
──入寮時期は
「1月27日です」
──じゃあ少し早めな感じですか
「いやもっと早い人いるっす」
──お兄さんはご自身にとってどんな存在ですか
「まあ憧れではないんですけど、追いついて追い抜きたい存在っていうか、そんな感じです」
──お兄さんのどんなところを尊敬していますか
「継続して色々なことしてるっていうか、継続力あるところが尊敬できます」
──お兄さんのいる浦和学院ではなく智弁和歌山選んだ理由は何かあったりしますか
「埼玉は数多いじゃないですか、和歌山の数少ないっていうので甲子園出れる回数が一番多いかなと思います」
──プロを経験された中谷監督から大学へ進む上で何かアドバイスを受けたりしましたか
「自主性が求められるのが大学なのでとにかく自分で一つでもいいから継続すること見つけとけとアドバイスもらいました」
──出身岡山で高校和歌山だと思うんですけど、東京の生活慣れました？
「もともと寮生活だったのである程度は寮生活について分かっていたので慣れました」
──東京で観光したりしました
「いやまだしてへんっす」
──今後行きたい場所とかあったりしますか
「浅草の神社とか、ディズニー行きたいっす。あ、千葉か！（笑い）」
──2年の春に捕手から内野手に転向されていたと思いますが経緯は
「普通に…普通にっす（笑い）。レベル低かったんです。キャッチャーとして（笑い）」
──今後は主にファーストでという感じですか
「そうですね。サード、ファーストなどの内野で勝負したいなと思います」
──守備で気をつけてることは何かあったりしますか
「しょうみ、技術ってよりは気持ちで止めたりすることです」
──打席で意識してることは
「場面に応じたバッティングです」
──ご自身の強みを教えてください
「確実性の高いバッティングだと思います」
──野球人生でのベストバッティングは
「３年夏の２連続ホームランの後の４打席目に左中間にツーベース打ったのが一番良かったと思います」
──高校2年の夏に地方大会の初戦で敗退、そこから3年生で甲子園の舞台を掴むまでどのような練習を
「とにかく内容のある練習っていうかそういうのに向けて無駄を省くっていうか効率よくするのもそうですし、選手内で指摘し合うというのをして練習の質を高めたり試合の中でもあかんプレーはあかんっていう指摘とかをやろうっていってみんなでそれをやるようになってからよくなったかなと思います」
──甲子園では霞ヶ浦にタイブレークの末惜しくも敗退されましたが、この経験をどう活かしていきたいですか
「大舞台でそういうのを経験できたので、大学でそういうのがきたらまあそれなりにやっていきたいと思います」
──話した先輩はどなたかいらっしゃいますか
「繁永（晟＝商４・大阪桐蔭）さん、皆川（岳飛＝経４・前橋育英）さんですね」
──どんなお話交わされましたか
「バッティングのことを話しました」
──参考にしてる先輩や尊敬する先輩は
「まずはお兄ちゃんのこと尊敬してて参考にしてる選手はまあ繁永さんです」
──繁永さんのどんなところがすごいとか
「強さだったり確実性がすごいなって」
──同期とは話した
「はい」
──仲良くなった選手いらっしゃいますか
「一緒に甲子園出てた高橋（徹平＝文１・関東第一）とか、藤本（陽毅＝文１・京都国際）あたりはとにかく仲良いですね」
──もともと交流あった感じですか
「藤本は3年の春に近畿大会で対戦したのでまあそれである程度はお互い知ってはいました」
──その時の藤本選手の印象は
「藤本に打たれて負けたので結構印象深かったです」
──ライバル視する同期はいらっしゃいますか
「高橋かなと思います。ポジションがサードファーストで一緒なので」
──じゃあそこのポジションを争っていきたい？
「はい」
──東都に青学の渡部海選手、青山達史選手、東洋の石橋輝星選手、国学大に花田悠月選手、上田潤一郎選手など東都には智弁和歌山出身の選手多くいらっしゃって対戦の機会もあるかもしれないがどう考えていますか？
「お互い今まではチームメイトでやってたんですけどまあ相手になるってことで何があっても倒したいなって思います」
──初めてのキャンプ意気込みがもうすぐ始まると思うんですが意気込みをお願いします
「とにかく結果を出してアピールできればなと思います」
──入寮から少し期間が経ったと思いますがどういった練習を？
「ノックしたりバッティングしたりシートバッティングしたりベースランニングしたりっていう風にしてました」
──高校と大学の違いを感じる部分はありますか
「高校はやらされるっていうかそういう練習が多少あったんですけど、大学ではそういうのもあるんですけど、自主性っていうのが求められるとこかなと思います」
──同部屋の選手お伺いしてもいいですか
「お兄ちゃんです」
──２人部屋ですか
「そうです」
──部屋でどんな話されるんですか
「でも基本野球のことが多いかなって思います。バッティングのことだったりです」
──東都で注目する大学だったり、対戦してみたい選手はどなたかいらっしゃいますか
「国学の同級生の２人とは１回真剣勝負っていうか、まあ対ピッチャーじゃないんですけどチームとしてやってみたいなと思います」
──花田悠月（国学大）選手と上田潤一郎（国学大）選手ですか？
「そうです」
──最後に、4年間のビジョンと今年の意気込みをお願いします
「今年はまずは最低でもベンチに入って、４年間の目標としては怪我なく。リーグ戦ではベストナインや首位打者を獲って最終的には大学ジャパンに入りたいと思ってます」
◇松嶋祥斗選手（まつしま・しょうと）◇
学部学科：文学部・学びのパスポートプログラム
身長・体重：１７７㌢・86㌔
出身高校：智弁和歌山高校
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