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【新体制特集 / 新幹部インタビュー】『三大駅伝三冠』へ向けて

第99回箱根駅伝で総合2位という結果を残した中大陸上競技部。今回は主将に就任した湯浅仁(経4)、副主将の中野翔太(法4)、寮長の羽藤隆成(経4)、主務の怡土涼香(経4)の意気込み、そして人柄を探るべく寮取材を行った。

(聞き手、構成:松本あゆみ、二村沙羅)

※中スポ4月号紙面には載せきれなかったインタビュー全文を大公開!(取材は3月3日に行いました)


三大駅伝三冠に向けて選手たちを率いる幹部。(左から)湯浅、中野、羽藤、怡土

──まずは他己紹介をお願いします

湯浅→中野

「試合は数字を見てもらえば分かると思うのですが、それ以上に練習がめちゃくちゃ強いなという印象があります。多分ファンの方々や陸上を好きな人、中野を知ってる方々は試合の結果とかでしか分からない部分があると思うのですが、試合の結果や数字以上に練習は強いなという印象です。生活面は、落ち着いてるというというか、、。寮では廊下で見かけないくらい部屋にいるイメージがあります」

──部屋で何をしているのか

中野

「何もしてないです(笑)。いろいろYouTubeとかで動画見たりしてます」

(他己紹介の続き)

中野→羽藤

「競技面は一年目からけがが続いた中で、しっかりと自分のやることをやっていて、この前の関東10マイルでは優勝していて、しっかりと自分のことを把握できているというか、自分自身を見ながら練習ができているなというのが印象ですね。性格面で言うと、人のために何か行動することを苦にしないというタイプで、いろいろ部のため寮長として仕事をしてくれているのでありがたいなと思っています(笑)」

羽藤→怡土

「怡土さんは、、」

怡土

「距離感(笑)」

一同

(笑い)

羽藤

「そうですね。初めての女性主務ということでいろいろとプレッシャーがあるとは思いますし、男子と違って寮に一緒に住むこともできないので、その中で遠方から朝から通ってきてくれて、本当にとんでもない業務量を朝から晩までこなしてくれて、頭が上がらないです。さらに本当にどんな仕事でも選手のためにということを思って前向きにやってくれるところが怡土さんの人の良さかなと思います。性格面で言いますと、すごく丁寧というか、仕事にも人に対しても前向きに向き合ってくれる、そんな主務です。そうですね、あとは、、」

怡土

「いいよ(笑)、無理に出さなくて(笑)」

羽藤

「プレッシャーも多いと思うのですが頑張ってくれているので、これからも迷惑かけると思いますがよろしくお願いします。」

怡土→湯浅

「湯浅キャプテンは誰よりもストイックに真面目に競技に向き合っているなというのはあって、競技に対しての思いは結果でも全部出してくれるし、言葉でも他の選手たちを引っ張る言葉も出してくれて、マネージャーに対しての配慮があるのも、やはりキャプテンらしいなというのはすごく感じていて、すごく私たちの代にふさわしいキャプテンだなと思っています。あと、真面目なところがほとんどだとは思うのですが、たまにおちゃらけたりっていう部分もあって、メリハリのあるキャプテンですね。監督ともうまくコミュニケーションが取れているし、一番頼れるキャプテンだと思っています」

──まず新体制となったチームの状況を教えてください

羽藤

「まず新4年生で目標を話し合った時に『三大駅伝三冠』というのが決まったので、その目標に向けてちょっとずつ変化を起こしていかなきゃいけないよね、という事で、色々と部の方針というか、勝てるチームにするためにどうするかというところを、この1カ月、2カ月、話し合ってきて、ちょっとずつ形になってきたというのが現状というか、そんな感じですね」

湯浅

「羽藤が優秀すぎて、、自分と中野は入る隙がないというか、、(笑)。でも本当に新チームになって練習を始めてからは、怡土と羽藤は他のマネージャーだったりとかとうまく動いてくれて、自分と中野は箱根があったので忙しかった中で、新チームが何も決まっていない状態でスタートしたので、つまずくことなくスムーズにスタートできたかなという感じですね。二人には感謝しています」

怡土

「ほとんど羽藤だよね(笑)。私はもう聞いているだけ、本当に(笑)」

──怡土さんと羽藤さんは具体的にどのようなことをしてきたのか

羽藤

「目標が結構ビックな目標というか、『三大駅伝三冠』ということで簡単なことではないので、今までの良いところは継承していかないといけないですけど、入賞を狙うチームから優勝を狙うチームにシフトする中で、やはり去年までもそうだったのですが、チームの中の上位層と下位層のモチベーションの差というのが去年までもずっと課題で、今年、優勝を狙うとなるとその差が開くことが懸念事項として見えていたので、その差をなくすために、なくすことはできないですけど、最小限にとどめるために、チーム全員が目標と向き合えるための取り組み(チームのあり方)を考えてきました。

一つ具体的なものでいうと、評価制度を設けました。頑張った分だけ評価されるという、競技力を問わず設けていて、記録もそうですけど、競技面全体、個人の成長、自己ベストをどれだけ更新できたかどうか、あとは練習とどれだけ一生懸命向き合えているか、そういった頑張ったところをしっかり評価してあげる制度、それは競技面でもそうですけど、生活面もしっかりしていないと競技の面でも付いてこないので、生活面のところでも、しっかりと身体のケアができているだとか、栄養のあるものを取れているなど、当たり前のところをできている人を評価して、モチベーションを高める一つの要素になればいいなと思って、一つの取り組みとして設けましたね」

──寮長としての仕事は具体的にはどのようなことをするのか

羽藤

「基本的には、寮の管理ですね。寮の門限があるので毎日定時に寮内の点呼をして回ったりとか、毎朝掃除をしているので掃除の点検とかですね。点検してできてないところがあったら指摘して、当たり前の事なのですが、そこは徹底してやっていかないといけないと思うので、新チームが始まったという事で、厳しめにやっているという部分はあります」

中野

「優秀です」

怡土

「本当に。やりすぎなくらい(笑)」

──新入生が加入してからの雰囲気はいかがですか

中野

「去年も新入生は勢いのあるメンバーがそろっていたのですが、今年も去年に劣らず勢いのあるメンバーが入ってきて、一緒にがんばろうという雰囲気は感じられるかなと思います。まだ10日間くらい合宿をしただけなので、まだまだこれからですけど、今日、明日あたりから(寮に)続々と入ってきて、ここからどうなっていくかが楽しみだなという印象です」

湯浅

「中野が言ったように、合宿でしか新入生と接していないので、新入生が来たという感じでもチームの雰囲気としてまだないので、これからどんどん入寮してくるので、今年のチームの雰囲気だったり目指すところ、やるべきことを共有して、3月中に新入生含めチーム一体となって、新たなチームを作れるように今からやっていこうかなという段階です」

次は一人ずつに質問させていただきます。

──湯浅さんが抱くキャプテン像は

湯浅

「監督だったり自分だったりが指摘せずに、それぞれ一人一人が当たり前のことをやっていくというのがチームとしての理想だと自分の中で考えているので、自分が何も言わない、注意するところがないような状況を作りたいです。そのためにまずはしっかりと、全員の当たり前のレベルを上げていくというところが一つの目指すところになるので、どういうキャプテンになりたいというよりかは、とにかく結果で背中で見せていけるようなキャプテンになりたいなと考えています」

──就任時に監督からかけられた言葉などはありましたか

湯浅

「いや、特には言われてないですね、、(笑)」

──キャプテンになった経緯は

湯浅

「中大は毎年学年リーダーを出しているので、1年生の頃からずっと学年リーダーを任されてきて、その流れで4年生や監督・コーチと話し合って自分になったという感じですね」

──中野さんの副主将になった経緯は

中野

「決まった時に僕がいなかったのであれなんですけど、一応僕が(副主将を)やる気はあるというのは伝えていて。どうだったっけ?」

羽藤

「その時は、本人の意向プラス周りからの中野がいいんじゃないかという推薦でという感じでしたね」

──中野さんはどうしてやろうと思っていたのか

中野

「僕がやるしかないかなと思っていたので。湯浅がキャプテンになるという事だったので、しっかり結果を残しながら、湯浅がいない時でもびびられずにまとめられるかなという点でやりたいなという気持ちになりました」

湯浅

「頼れる人がおらんかったからじゃない?」

中野

「いや、そういうわけじゃないよ(笑)。そういうわけじゃない」

──中野さんの周りからの信頼は厚いのですね

羽藤

「そうですね。結果がバンとでているので、その分信頼も厚いですし、競技との向き合い方も本当にストイックにやっているので、自分から見てもそうですし、下の学年から見ても申し分ない副キャプテンです」

中野

「そうなんや(笑)」

──怡土さんから見た中野さんは

怡土

「えぇー、、、なんだろうな(笑)」

中野

「えぇーって(笑)」

怡土

「(中野は)考えてなさそうでめっちゃ考えてるタイプみたいな感じで、いや考えてなさそうっていうのはちょっと失礼だな、、(笑)湯浅もそういうタイプだと思うのですが、話し合いとかでいろいろな意見が出ているときに、そこまで意見を出さずに、全員の意見をちゃんと聞いて、自分の思っていることを発言するときは、みんなの意見を尊重した上の意見を出してくれるなというのは印象としてはあるかなと思います。本人もそういったところは意識しているんだろうなと思います」

──今回のキャプテン、副キャプテンはリーダーシップを持ってという感じではないですか

怡土

「いや、湯浅がそこは引っ張ってくれているという感じですかね。そして裏で熱いサポートの中野がいるという感じで成り立っているかなというですね」

──羽藤さんが寮長になった経緯を教えてください

羽藤

「1年くらい前から自分が寮長かなという話は、ミーティングとかでちょっとずつはしていたのですが、自分も寮長の業務は性格上向いているのかなというのは思っていたので、もう快く引き受けたというか、自分も向いているなと思ったので寮長になりました」

──怡土さんの主務の経緯は

怡土

「監督と1対1で話す機会が増えてきて、怡土が覚悟をもってやるべきではないか、という話が持ち上がって、自然とこうなったわけではないですが、監督からの熱い熱意があって、こうなったという感じです。自分が学年見ても私がやるしかないなというか、覚悟を決めないといけないなとは思ったので100回大会優勝するには主務が折れてはダメですし柱がちゃんとしていないとチームに悪影響があるので、自分の学年を見た時に1人1人が競技面で強い学年なのでそんなに負担をかけれないなというのもあったので自分がやろうと決意しました」

──注目したい下級生はいますか

湯浅

「新2年生になるんですけど、佐藤(宏亮、文2)、白川(陽大、文2)と吉中(祐太、文2)ですかね。去年の後半くらいから力をつけてきた3人で、箱根出走はなかったんですけど、その悔しさだったりも持ちながら、今年に入って練習してきて結果も残している3人なので期待も込めてこの3人に伸びてきてほしいと思います」

中野

「白川を言われてしまったので、新3年の高沼(一颯、経3)。一般生で入ってきて苦労した面もあったと思うんですけど、今年に入ってきてから結果がしっかり出るようになってきて、上尾ハーフや最近あった守谷ハーフでもほとんど自分から引っ張っていて。最後吉中には負けたんですけど、しっかりいいタイムでゴールしているので、これからまだまだ伸びしろがあると思うので一番期待している選手です」

羽藤

「被ってしまうんですけど吉中と高沼。吉中はスピードが光るものがあって、距離も年明けハーフでも結果だしてきているので、スピードとスタミナを兼ね備えたどんな距離でも走れる選手だと思う。今後三大駅伝、出雲から箱根まで狙っていける選手だと思うので、これから始まるトラックでも持ち味のスピードを活かして、インカレも戦ってくれると思いますし、そういう面で吉中。

高沼に関しては、ハーフ、昨年の上尾と今年の守谷で2本揃えてきて安定感プラス走力もどんどん上がってきている印象で、これからロードレース何本か出てくると思うんですけど、そこでも結果を出してくると思うので期待しています」

怡土

「私は競技者ではないので特に競技面からではないですけど、新3年の代は監督から圧をかけられていて平均タイム的にも若干遅い。なので全体的に伸びてきてほしいのは新3年。今は阿部(陽樹、文3)が一番出てると思うんですけど、そこに一緒に乗っかってきてほしいのは山平(怜生、法3)や東海林(宏一、経3)とかは戻ってきてほしい感じ。私的には浦田(優斗、経3)も結構今年は頑張ってくれるのではないかと期待しています」

──実生活面で評価できる、イチオシ選手は

中野

「白川や吉中は個別に夜、トレーニングをしたりケアをしっかりしているのですごいなと思う」

怡土

「篠原寛(経2)はマネージャーに対しても敬意を払ってくれる。そういう態度からマネージャーは応援したいと思う。合宿が終わった後も私たちのところにきて『ありがとうございました』と一礼してから空港を出て行ったので、そういう態度が素晴らしいなというところからマネージャーは熱く応援しています」

湯浅

「見習います(笑)」

怡土

「見習ってください(笑)」

──新4年生の強みは

羽藤

「自分は個性豊か。学年としてのまとまりが悪く言えばないほうなんですけど、他の学年と比べて。よく言えばそれぞれ後輩との仲だったり、個性がある分いろいろなキャラクターがいて色んな視点が見えるっているのは強みかなと思います」

湯浅

「自分は羽藤が言ってくれた通り、みんなで仲良くわいわいという学年ではないんですけど、陸上に熱心な選手が多いので、それぞれ競技になったらしっかりと真面目にやってくれる選手が多いです。生活はそれなりに自分のやりたいようにやって競技になったら目の色変えてやってくれる選手が多いのでそこは強みかなと思います」

中野

「そんな感じです」

──これからの意気込みは

湯浅

「5000mと10000mの自己ベストを更新。残り1年しかないので何かチームに残すものを作れるように。しっかり結果でチームを引っ張って行きたいと思います」

中野

「5000mで日本選手権標準を早めに切って日本選手権に出ることと、4月に個人選手権があるので、そこでワールドシティーゲームズの選考になるのでそこでしっかり走って日本代表で戦えるように頑張りたいと思います」

羽藤

「自分はまだ三大駅伝の出走がないのでそこを一番の目標にしつつ、そこから逆算して春は来週学生ハーフもあります。それ以降はトラックもどんどん始まってくるのでPB更新を少しでも多くして逆算して必要なことを考えて、秋以降はメンバーに入っていけるようにタイムもそうですし体づくりを前半シーズンはやっていこうと思います」

怡土

「私は選手たち、チーム全体に悪影響が及ばないように円滑に進めることだけに注視して主務業務を全うしたいと思います。その中で選手が上を目指す中で裏方も上を目指していかないといけないわけで、他のマネージャーにも意識を高めるような自分が4年生として厳しいことも言うかもしれないですけど、マネージャー全体としても上に上げて自分のスキルも監督から信頼されるような主務になりたいと思います。」

 

取材の様子。(左から)怡土、羽藤、中野、湯浅