2023年11月25日 東京・八王子市上柚木公園陸上競技場
すっかりと冷え込んだ初冬の空の下で今年も日本トップクラスのスピードレースが展開された。東京オリンピック代表選手やパリ五輪での活躍が期待されるランナーが多数出場する本大会、中大からは2大エースの吉居大和(法4)と中野翔太(法4)が出走した。
6組では中野翔が多くの社会人ランナーに揉まれながら粘走。目標タイムの28分00秒前後には及ばなかったが、「接地の安定感を出すために体幹をしっかりやってきた。6000mまではいい感覚だったので距離を伸ばしていきたい」と全日本大学駅伝からの変化を振り返った。箱根駅伝での目標を「区間賞で優勝に貢献したい」と語った中野翔の進化に、直前まで期待していきたい。
▲単独走という局面でも粘りを見せた中野翔
宿敵駒大の3本柱や実業団で活躍する選手が一堂に会した最終組では吉居大が淡々とした走りを見せた。「今日のレースプランは27分55秒から28分切りぐらいのペースで箱根の最初の10kmを入るようなイメージで走った」と語った通り、序盤から軽快な走りで安定したラップを刻み28分01秒02の自己ベストでフィニッシュした。
▲終始落ち着いてレースを展開した吉居大
ゴールの際には笑顔を見せた吉居大はレース後に「全日本は練習ができ始めてすぐだったので本番に合わせられなかったが、やっていること自体は悪くないと思っていたので、継続して質も量も上げていくイメージでやっていこうと思う」と順調な復調ぶりをアピール。昨年は同大会で不完全燃焼に終わってもなお、華の2区では他校のエースを圧倒する走りを見せただけあり、そのピーキングには期待せずにはいられない。「区間賞区間新というのを狙って走りたいと思います」と力強く誓ったその眼差しは既に箱根路を見据えていた。
▲ゴール時には笑顔も、良い感覚で走れたようだ
今大会では駒大の3選手が共に27分台を出すなどその完成度を遺憾なく発揮。しかし、藤原監督は「我々は箱根に向けて作っている中でのタイムですので、今日は相手よりも自分たちの収穫が大きかったかなと思います」といたって冷静だ。
エースの足並みは揃いつつあり、彼らを支える選手も着々と歩みを進めてきた。最強のライバルに打ち勝ち悲願の優勝へ向けて、貪欲に一歩を求める勝負の12月が始まる。
◆大会結果◆
男子 10000m 6組(B)
㉗中野翔太(法4)28:25.74
男子 10000m 7組(A)
㉒吉居大和(法4)28:01.02 PB
(記事:日向野芯、写真:二村沙羅、要明里沙)
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