3冠を掲げて臨んだ3大駅伝は、出雲駅伝7位、全日本大学駅伝4位という結果に終わった中大。残るチャンスは箱根のみ、「戮力協心」で悲願の優勝へ―。大会を目前とした選手たちは何を思い、何を目指すのか。
第5回は抜群の安定感を誇る阿部陽樹(文3)。箱根は2年続けて5区を担当し、チームに山区間でのアドバンテージを与えた。不調を乗り越えた今シーズンはどのような思いで駆け抜けたのか。(取材は12月1日に行いました)
▲MARCH対抗戦で10000mの自己ベストを更新した阿部
紆余曲折のシーズン
──現在のコンディションはどうか
MARCH対抗戦が終わって、12月になってしっかりと練習が積んでいける期間に入るので、練習をしっかり積んでいくための土台を作っていきたいです。
──コンディションは良い感じか
悪くはないと思います。
──前半シーズンを振り返って
春先に5000mで自己ベストを出すまでは良かったのですが、そこから貧血になってしまったりして思うようなレースも出来ずに、本当に夏合宿からしっかりと練習していくという形でしたね。
──走れない期間は大学に入学してから初めてだったのか
大学に入ってからは初ですね。走れないもどかしさとかもあったのですが、焦っても仕方ないので一つ一つしっかり練習をやっていこうと思っていました。
──夏合宿はどうだったのか
貧血明けから始まったので、最初はゆっくり立て直していきながら徐々にスピードを上げていってレースに近い形で強度の高いポイント練習も行なえるようになりました。
──(10000m12位で終えた)関東インカレを振り返って
5000mの次の週だったので、なかなか組み立てにくいところがあったのですが、やっぱりもう少しちょっと走りたかったなと、入賞したかったという気持ちです。
──後半シーズンは出雲、全日本どちらも出走されましたが振り返って
出雲、全日本ともにまだ自分の思うような結果にはなっていないのでしっかり箱根まで残り1カ月しっかり練習していって、チーム目標である総合優勝っていうところに貢献していきたいなと思います。
──全日本大学駅伝の攻めた走りは今にどう影響しているか
やっぱり悔しいという気持ちが1番大きかったので、本当に箱根では全日本の借りを返すじゃないですけど、気持ちとしては箱根に向けてしっかり頑張らなければいけないなという気持ちにはなりました。
──大学入学後は順調に結果を更新し続けているが、そこに対しては
今年なんかは前半シーズンは本当に苦しいシーズンだったので、それも良い経験だったと言えるように箱根、そして来シーズンこれから成長できる年にしていきたいなと思います。
▲全日本では最終8区で2位争いを制することができなかった
上級生としての責任とともに
──箱根後は、最高学年となるが3年生全体では今回の箱根をどう捉えているか
やっぱりまずは4年生が強いので、今年しっかり結果出すというのが一番なのですが、4年生の背中を追いかけていきつつ、来年も自分たちがチームを引っ張ていくぞという気持ちで頑張っています。
──そういったことは3年生全体で話し合うのか
学年ミーティングとかで話し合って、考えとかを共有しています。
──来年のチームで意識していきたいことなど
まだ具体的なところはないのですが、やっぱり4年生が引っ張っていくという姿勢は来年も大事にしていきたいなと思っています。
──学年エースとして来年どんな姿をチームに見せていきたいか
練習でしっかり4年生が前を走っている姿というのはチームにとって良いと思うので、練習から前で走っていきたいなと思います。
──3年生は仲良い学年か
そうですね。
──学年のいいところ、強み
本当に仲が良くて、学年ミーティングとかでは学年内の意見が言えたりコミュニケーションをしっかり取れているので、それをチームに広げていきたいなと思います。
──3年生の中で仲のいい選手は
みんなと仲良いです。それはみんな同じだと思います。
──期待の後輩
駿恭(吉居=法2)とかは本当に強いですね。僕はトラック競技が本当に苦手な方なのですごいなと思いながら見てます。
──4年生への印象
本当に強いなという印象です。圧倒的な競技力が僕らの代よりもあるので、強い背中っていうのは良い刺激になってます。
▲箱根前回大会は5区区間3位の好走
3年目の箱根路へ
──今回も5区を・・・?
まだちょっと分からないですね笑
──2年連続で走られた5区は注目の多い区間だが
5区はもうめちゃくちゃきつかったというイメージしかないのでら注目というよりも、もう走りたくないなぐらいのイメージでやってました笑
──3年目の箱根となるがどんな意気込みを持っているのか
チームが総合優勝を目指している上で僕としては区間賞は取っていきたいなというところがあります。チーム全体で優勝という思いは全員が持ってくれていると思うので、その目標に向かってチームが一つになっていけたらいいなと思います。目標はぶらさずにやっていきたいなと思ってます。
▲強い思いで箱根路を駆ける
──監督からかけられてる言葉など
特にはないですが、3年生として結果を求められる年代になっているので、結果でチームを引っ張っていきたいです。
──今の自分にどんな自信を持っているか
うーん特に…変わったことはないのですが、自分の持ち味である安定感だったり、後半粘っていけるところだったりというところが最近やっと出せるようになってきたので、箱根もしっかりとそこを生かす走りをしていきたいと思います。
──安定した部分が強みですよね
そうですね、一つの特徴かなと考えてます。
──どのような走りでチームに貢献したいか
箱根は自分の得意な距離ではあるので、しっかり区間賞を取ってチームに勢いをつけるような走りがしたいなと思います。
──来年、個人的にはどう頑張っていきたいか
今の4年生が卒業してしまったらチームとしての競技力は落ちてしまうので、そこをいかにカバーしていけるかは今の2、3年生の成長が大事になってくると思うので、4年生がいなくなったからこそ、一人一人上級生が責任を持って競技に取り組んでいきたいなと思います。個人的には自己ベストを更新して競技の面でチームのチームのみんなに刺激を与えたいです。具体的には関東インカレでの上位入賞などですかね。
箱根、そしてその後のラストシーズンに向けて意気込みを見せた阿部。3年目となる箱根は「区間賞」の走りで優勝を取りに行く。
(取材、構成:松本あゆみ)
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