2024年1月2日 東京・大手町〜神奈川・芦ノ湖
「第100回箱根駅伝で優勝」を掲げた藤原監督のもと、コロナ禍で大学生活をスタートさせた現在の4年生。しかし2区吉居大和(法4)、3区中野翔太(法4)、4区湯浅仁(経4)とチームをけん引し続けてきた面々が揃う中、往路の結果は苦しい13位。藤原監督はレース後メンバー内で風邪が広まっていたことを明かし、「選手たちはよく頑張ってくれたので結果責任は監督にある。選手たちもベストのパフォーマンスが難しいというところを背負って走ってくれたので、結果としてよくやったとしか言ってあげられない」と悔しい表情を浮かべた。
(記事:片岡芹菜、日向野芯、藤本佳野、写真:浅野詩多、井口縁、小野祐司、小幡千尋、大日方惠和、二村沙羅、志水恒太、遠藤潤、髙橋若夏、塚越香都、中島遥、日向野芯、松岡明希、松本あゆみ、㓛刀萌恵、守屋七菜、山口周起、髙梨晃世)
◆大会結果◆
①青学大 5時間18分14秒
②駒大 5時間20分52秒
③城西大 5時間21分31秒
⑬中大 5時間30分35秒
1区 21.3km 溜池一太(文2)1時間2分51秒 区間19位
2区 23.1km 吉居大和(法4)1時間8分4秒 区間15位
3区 21.4km 中野翔太(法4)1時間4分33秒 区間20位
4区 20.9km 湯浅仁(経4)1時間1分44秒 区間3位
5区 20.8km 山﨑草太(文1)1時間13分23秒 区間14位
前回大会で掴んだ2位という結果から優勝候補との呼び声も高かった中大。昨年溜池一太(文2)の区間4位、吉居大、中野翔の区間1位という力走が光った1区から3区の配置は変えずに挑んだ今大会だったが、序盤から出遅れ、4区湯浅へはまさかの19位での襷(たすき)リレーとなった。その後、主将の意地を見せた湯浅は区間3位の激走で順位を6つ押し上げて5区山﨑草太(文1)に襷(たすき)を託すと、山﨑も三大駅伝初出走ながらその順位を死守し往路は13位でフィニッシュ。苦しい展開となったが、明日の復路でどれだけ巻き返せるかが見どころだ。
▲2年連続スタートを任された溜池
号砲とともに大手町を駆け出したのは、昨年も同区間を担い、区間4位の好走を見せた溜池。序盤、スティーブン・レマイヤン(駿河台大、1年)や篠原倖太朗(駒大、3年)が飛び出すと溜池は第二集団の先頭につく。その後レースは吉居大の持つ区間記録を上回るハイペースな展開を見せた。溜池は10㌔地点を過ぎたあたりで集団から遅れ、吉居大に区間19位で襷(たすき)をつないだ。この結果に対して溜池は、「優勝争いできるチームだったが、自分のせいでシード圏外になり非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と振り返った。また4日前に発熱していたと語り、「大和さんに区間記録をと思っていたが、うまく走れなかった。箱根駅伝って甘くないなと思いました」。安定感が持ち味の溜池らしからぬスタートで今大会は幕を開けた。
▲花の2区に出走した吉居大
18位で襷(たすき)を受け取った二大エースの吉居大和(法4)は悪い流れを払拭するべく、序盤から積極的な走りを見せる。8.2㌔地点の横浜駅前を全体4位、区間記録に迫るペースとここまでは快調な走りと思われたが、権太坂からのレース終盤で大きく失速。区間記録の更新を目標として掲げていただけに吉居大の箱根駅伝ラストランは区間15位と、不本意な結果となった。レース後、吉居大は「本当に往路で流れを作る予定だったのに自分たちが作れなかったっていうことで、本当に申し訳ないんですけど、少しでも上の順位を目指して走ってくれれば嬉しいなと思います」と復路メンバーの粘走を望んだ。
▲箱根ラストイヤーとなった中野
続く3区は中野翔太(法4)が出走。吉居大と並ぶエースとして、一矢報いる走りへの期待が高かったものの思うように体は動かない。終始ペースを上げきることができず区間20位と失速し、ゲームチェンジャーの役割を果たすことができなかった。往路を終えて「シードにまだ届いておらず、最低限とって終わりたいと思うので、6区からいい流れでやって欲しいなと思います」と語り、2日目序盤からの巻き返しに期待した。
▲区間3位で主将の意地を見せた湯浅
中大の躍進を支えてきた主力選手が続々と苦戦を強いられる中、チームを鼓舞したのは主将、湯浅仁(経4)の走りだった。序盤から速いラップを安定して刻み続けると8.9㌔地点の二宮を4人抜きの14位で通過する。約15㌔に伊東大翔(文4)から力水を受け取ると、最後の力を振り絞りシード圏内とは約40秒差の13位で襷(たすき)を渡した。チームが苦しい状況の中、区間3位にまとめた主将の走りを藤原監督は「やってきたこと自体は間違っていないのを彼が体現してくれたと思う」と称えた。
▲初の箱根路を走る山﨑
5区山上りを任されたのはルーキー山﨑草太(文1)。序盤から4校で11位集団を形成しレースを進め、「予定は自分のペースで刻んでいくというものだったが、中継でちょうど(他校と)同時くらいにスタートして、無理してついて行くというわけではなかったが思った以上に体はそれで消費していた」(山﨑)と、想定通りに下りでペースを上げられなかったことを振り返った。区間14位でレースを終え、チームはトップと11分20秒差、シード圏内と1分21秒差で往路を終えた。
優勝候補として名を挙げられる中、シード圏外の順位で往路を終える結果となった。レース後、藤原監督は「(風邪がメンバー内で広まってしまい)27、28日あたりでは出るのも厳しいんじゃないかという話をしていたので、想定はしていたことだったんですけどその中でも最大限できたんじゃないかなと思います」と振り返り、その中で今日の走りについて「シードラインを考えて1、2、3区で遅れても4〜8区で挽回して何とかシード権でゴールというのを思い描いての配置でした。明日勝負ですね。何とか最後までゴールへ襷(たすき)を運びたい」と話した。
往路の結果を受けて中野翔は「シードはしっかり最低限取って終わりたい。往路はこういう結果で終わったが、1日明けて1回流れを変えられると思うので6区からいい流れでやってほしい」と話し、吉居大は「往路で流れを作る予定だったのに自分たちが作れなかったので、本当に申し訳ない。少しでも上の順位を目指して走ってくれればうれしい」と思いを口にした。
優勝を目標に掲げていた中大にとって思い描いていた展開とはならなかったが、明日の復路で巻き返しを図る。箱根路で想いをつなぐ選手たちから最後まで目が離せない。
◆お知らせ◆
復路は明日1月3日8時に号砲を迎えます。
※選手コメント全文は復路とあわせて後日配信します。
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